東出昌大(2021年)

《昨年秋、東出の配慮に欠ける行動でその再生への道は頓挫いたしました。その時 私たちが感じたものは怒りというよりも、徒労感と虚しさでした。そして熟慮の末に、これ以上 共に歩くことはできないという結論に達しました》

 2月15日、芸能事務所『ユマニテ』が公式サイトに掲載した“発表”が話題となっている。前日の14日をもって専属契約を解消した東出昌大に対して、“恨み節”にも似た感情が滲み出る文面だったからだ。

 2020年に11歳年下女優の唐田えりかとの不倫が発覚し、8月に杏と離婚、3人の子どもとも別離した東出。それでも深く反省をしていることから、事務所は契約を継続。演劇界のサポートもあって再出発をしていた矢先ーー、

「2021年10月に20代女性との交際を『週刊文春』にスクープされたのです。アメリカ人の父を持つハーフ美女は、周囲に“まるで5歳児”と東出の幼さを漏らしていたとのことですが、彼も独身ですし新恋人くらいなら許されたかもしれませんが……」(スポーツ紙記者)

 加えて業界の“タブー”を犯していたことも報じられてしまったのだ。

 とある作品の撮影で広島県呉市に滞在した東出だったが、共演者やスタッフも宿泊するホテルに“彼女”を呼び寄せて連泊させたというのだ。制作サイドが用意するホテルに第3者を呼ぶことは、未解禁作品であればストーリーやキャストなどの情報漏洩につながる可能性もある。

 また漏れ聞いた野次馬が押し寄せて密になれば、コロナ禍では撮影中止にもなりかねない。そんな東出の軽率な行いを“不見識な行動”と厳しく受け止めていた事務所だけに、今回の“クビ”は致し方ない措置に思えよう。

“円満退社”としなかった理由

 そんな経緯もあってか、冒頭の文面からは東出を必要以上に突き放した、関係を“完全に断絶した”とする事務所の主張がハッキリと読み取れる。「普通は“円満”をアピールするものですが」と、苦笑いする芸能リポーター。

「たとえ所属タレントとの間に確執やトラブルがあったとしても、表面上では円満退社、独立とするのが定石です。事務所もイメージを損なうことは他タレントの仕事、また新たな才能を発掘する際、スカウトの面でも影響する恐れがありますからね。

 それでも『ユマニテ』は東出を守ることなく、内情を白日の元に晒すことを選んだ。これは事務所として大きな賭けだと思います」

 当然ながら異例の文面は各スポーツ紙で大きく報じられ、またワイドショーでも扱われて世間に広く知れ渡ることに。が、子どもたちへの“養育費が月1万円”報道などの醜聞が随時報じられてきただけに、ネットを含めて東出を擁護する声はほとんどなく、事務所の“恨み節”も理解されたのだった。

 一方で、この文面を見た老舗芸能プロマネージャーは「もう騒動にかまいたくないのが本音でしょう」と、内情を代弁する。俳優の他にタレント、アーティストら多分野の芸能人が所属する芸能プロとは違い、ユマニテはドラマや映画、舞台を主戦場とする演者をサポートする俳優事務所だ。

「稼ぎ頭の1人でもあった東出くんの離脱は経営面では大きな痛手でしょうが、俳優をしっかり育てて自信を持って作品に送り出すことを“美学”とする一面もあります。そんなユマニテさんが今、熱心になっているのが25歳の女優・三浦透子さんですね」(同・芸能プロマネージャー)

『カムカムエヴリバディ』出演の“後輩”女優

2022年2月、『キネマ旬報』表彰式で助演女優賞を受賞した三浦透子

 6歳で“2代目なっちゃん”として『サントリー』CMに出演、子役を経て15歳でユマニテに移籍した三浦透子。着実に女優として経験を重ねる傍ら、『RADWIMPS』野田洋次郎にも認められる歌唱力を併せ持ち、2019年のNHK紅白歌合戦にRADWIMPSとともに出演。放送中のNHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』でも、川栄李奈演じる“ひなた”の同級生“野田一恵”として出演する注目株だ。

 さらに世界から注目されているのが、3月28日(日本時間)に開催されるアメリカの『第94回アカデミー賞』で4部門でノミネートされた映画『ドライブ・マイ・カー』。受賞が期待される同作で、主演の西島秀俊とともに三浦もメインキャストとして出演している

「『第45回日本アカデミー賞』でも新人俳優賞を受賞した三浦さんですが、優秀助演(女優賞)に選ばれてもおかしくない演技だったと思います。もしも『ドライブ・マイ・カー』がオスカー獲得の快挙を達成すれば、彼女にも世界中から注目が集まり、オファーも殺到することでしょう。

 すると事務所としても忙しくなりますし、東出くんの騒動を引きずっていれば余計な仕事が増えるだけ(苦笑)。彼とはもう無関係で、マスコミ各社からの問合せに関しても“これで終わり”とした完全なる決別表明だったのかなと思いますね」(同・芸能プロマネージャー)

 いつまでも“5歳児”の大人にかまってはいられないようだ。