「身長170センチ以下の男に人権はない」
持論をライブ配信で発言して大炎上、他にも度重なる不適切な過去の発言も検証され、ついには所属チームとスポンサーとの契約解除も発表された、プロeスポーツチーム『CYCLOPS athlete gaming(CAG)』に所属していた女性プロゲーマーのたぬかな。彼女の発言はこうだった。
「165はちっちゃいね。ダメですね。170ないと、正直人権ないんで。170センチない方は『俺って人権ないんだ』って思いながら、生きていってください。骨延長の手術を検討してください。『骨延長手術』で調べてください。170あったら人権がちゃんと生まれてくるんで」
奔放な発言も個性のひとつとされていた部分もあるようだが、その軽率な発言は擁護の余地はない。
アンダー170cmのジャニーズタレント
発言が拡散されてから、SNSやネットニュースのコメント欄には、「身長が低めでも魅力的な男性はたくさんいる」と、数多くの反論が投稿されていた。
「中でも多くの人が、ジャニーズのスターたちが頭に浮かんだようですね」
と、あるスポーツ新聞記者は言う。
「V6元メンバーの森田剛は身長163センチでしたが、結成当初から大人気でした。“剛健コンビ”と呼ばれた“相方”の三宅健も164センチ。そして大河ドラマの主役をつとめるなど今や日本が誇る名俳優の岡田准一も169センチです。ということで、V6のカミセンメンバーは全員アンダー170センチ。さらにKinKi Kidsもふたりとも170センチ以下です。彼らもひとつの時代をつくりあげ、今もドーム公演を成功させるなど、高い人気をほこる人気者です」
嵐のメンバーにもアンダー170は存在する。
「二宮和也(168センチ)と大野智(166センチ)です。関ジャニ∞で今のメンバーだと安田章大が164.5センチだと言われています」
小柄なメンバーが放つオーラで印象的なグループが、Hey! Say! JUMPだ。
「エースの山田涼介が164センチ、有岡大貴が164.5センチ、そして知念侑李は159センチです。彼らにいたってはそのサイズ感が魅力のひとつとして、アラサーの今も変わらず愛され続けています」
A.B.C-Zの河合郁人サバ読告白
JUMP以降のデビュー組では、北山宏光(Kis-My-Ft2)、松島聡(Sexy Zone)、五関晃一、塚田僚一(A.B.C-Z)、岸優太(King & Prince)、佐久間大介(Snow Man)、昨年デビューのなにわ男子は、西畑大吾、大西流星、長尾謙杜、藤原丈一郎、大橋和也、7人中5人が170センチ以下だという。
さらに20日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)のMCとして出演したA.B.C-Zの河合郁人が、この問題を取り上げぶっちゃけ発言をした。
「僕はすごいショックを受けました。プロフィール170なんですけど、実際は168なんですよ」
と、身長のサバ読みを告白をし、同席していた泉谷しげるは「俺もそうだよ、人権ねーわ」と発言して話題になった。
ジャニーズだけ見てもアンダー170のイケメンはこんなにも存在する。むしろ低身長のほうが輝くのではないかとすら思えてきそうだ。
ちなみに俳優陣では、神木隆之介や小池徹平あたりの可愛い雰囲気を持った役者や、山田孝之や仲野太賀あたりもそう。アーティストでも星野源、藤井フミヤ、西川貴教、ISSA、それからHYDEらが170センチ以下。アスリートも、体操の内村航平や白井健三、フィギュアスケートの高橋大輔など世界で活躍した面々、そして北京五輪で金メダルを獲得し、日本中を沸かせたスノーボードの平野歩夢も165センチの大ヒーローだ。
「昭和の中ごろまでは、王子様的な憧れの男子というのは、それこそ少女漫画の世界の180センチ以上あって、8頭身で足も超長い、そんなイメージでした。ジャニーズの過去を見ても、郷ひろみや川崎麻世、田原俊彦なんかはそういう雰囲気がありましたよね」(同前)
と語る。また時代背景として女性の社会的地位が向上し、男性のことを“小柄=かわいい”と思う余裕も生まれ、男性に対し“守ってあげたい”と魅力を抱くようになったのではと分析する。長身の王子様系だけでなく、21世紀に入って多様化の時代になると好みの男性像も広がっていったということだ。
「K-POPに若手俳優や好きなお笑い芸人など、かっこいいとされる像が細分化されたことで、体形や顔立ちだけでなくさまざまな『かっこいい』が存在する世の中になりました。今回の不適切発言をしたプロゲーマーも、あくまでも“自分の好み”としてだったと謝罪していました。個人的な好みを話すのは何の問題もなかったはずですが、言い方が完全にアウトだったということですね」(同前)
モテる男の必須条件だった「3高(高学歴・高身長・高収入)」から、いち早く“離脱”したのは高身長だと言っても過言ではない。
〈取材・文/渋谷恭太郎〉