笠松将 撮影/齋藤周造 

 若手ながら数々の連続ドラマや映画に出演し、存在感を発揮している笠松将。最も注目される若手俳優のひとりだが、現在公開中の主演映画にちなみ、自身が抱く過去と未来の感覚について聞いてみると、彼の“こだわり”が垣間見えた。

「“笠松が出ているから見よう”そう思っていただけるような存在にならないと、と考えるときがあります。支えてくださっているプロデューサーや監督、スタッフのみなさんのためにも、作品を見ていただきたい。そういう意味で、人を集められて、熱狂させられる存在になりたいと思います」

‘19年に連続ドラマ、映画出演数で20代男優1位に輝いて以降、数々の作品で存在感を発揮する笠松将。昨年の大河ドラマ『青天を衝け』に続き、現在放送中の日本テレビ系ドラマ『ムチャブリ!わたしが社長になるなんて』に出演。

「いいな」と思う女性のタイプ

 4月からはWOWOWの日米共同制作ドラマ『TOKYO VICE』の放送がスタートと躍進は止まらない。

 もっとも注目される若手俳優のひとりである彼が「節目の作品」と語るのが、金子雅和監督が彼の持つ動物性や野性味を求め、直々に出演をオファーしてきた主演映画『リング・ワンダリング』(公開中)。

「どの作品も特別です。ただ、今作を撮影した'20年は、俳優を初めてちょうど10年のタイミングでした。そういう意味で節目の作品になるのかな。いま見ると“こうすればよかった”と思う部分もありますけど、当時の僕が考えたベストがたくさん詰まっています」

『リング・ワンダリング』(渋谷シアター・イメージフォーラムほかで順次ロードショー)配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト 配給協力:ミカタ・エンタテインメント(C)2021リング・ワンダリング製作委員会

 笠松が演じるのは、漫画家を目指し工事現場でバイトする草介。絶滅したニホンオオカミを描くことができずスランプに陥る草介は、飼い犬を探すミドリと出会うことで不思議な経験をする。過去と現在、時空を超える幻想的な物語。

「面白い作品ですよね。僕、現在の生き方次第で、過去や未来が持つ意味を変えられると思っています。だから、過去にも未来にも行きたいと思わない。もし、安全が保障されるなら、過去に行って恐竜は見てみたいです。

 でも、未来は、行ったとしても自分だけ考え方や感覚が古くて置いていかれる可能性があるじゃないですか。だから、あまり。こうやって論理的に考えてしまうので、たまに女性から嫌がられます(笑)。なので、いいなと思う女性は考え抜いた僕の答えを受け入れてくれる人ですね」


ヘアメイク/松田陵(Y's C) 
スタイリスト:徳永貴士
衣装協力:ザ ヴィリディアン