平安末期から鎌倉前期の時代を舞台に、源平合戦から鎌倉幕府誕生までの舞台裏で繰り広げられる激しいサバイバルを描くNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK、日曜夜8時~)。
平安から鎌倉にかけての歴史にはゾッとする怖い話がいっぱい。今も伝わるドラマよりも怖い通説とは──。※今回紹介しているのは通説の一部であり、通説には諸説あります。
八重姫の後を追った侍女たちの叫び
13日放送の第6回「悪い知らせ」で、頼朝(大泉洋)との子・千鶴丸が殺されていたことを知った八重(新垣結衣)。その墓に対面した悲しみのシーンが話題になった。
八重姫が三谷幸喜によって今後どう描かれていくのかは定かではないが、多くの通説によると、この後八重姫は自害し、悲劇の姫として描かれているものが多い。
「通説による今後の八重姫は、源頼朝が身を寄せていた伊豆・北条荘の北条時政を、侍女ら数名を連れて訪ねた。
しかし、頼朝はすでに政子と結婚していたため無残にも追い返されたといいます。絶望した八重姫は、真珠が淵に身を投げて命を絶ち、侍女らは姫の後を追って峠で命を絶ったという。
その場所が女塚(静岡県)として祀られているのですが、心霊スポットとして注目を浴びています」
とは、オカルト雑誌記者。
「侍女たちの中には自害したくなかった者もいたそうで、姫様の後を追わされ無念の末に亡くなった侍女の御霊が今もさまよっているのかもしれません」
腐った生首の義経が頼朝を見つめて
53歳で亡くなったといわれている源頼朝。これほど歴史的に有名な人物であるにもかかわらず、その死因ははっきりとしない。
「落馬」により死んだ説が最もポピュラーだが、『保暦間記』や『北条九代記』によると、《源義経や安徳天皇らの亡霊を見て気を失い病に倒れた》とされている。
「頼朝は弟である義経のことを疎ましく思っていたとされています。理由は諸説あるのですが、義経が自分に断りなく朝廷から任官を受けたことに激怒したというのが有名。
もっとも母親違いの弟のことを生まれたときから好きではなかったという話もありますから、ウマが合わなかったのでしょう。
義経は兄を慕いながらも受け入れてもらえず、最終的には妻子とともに自害するという悲しい結末を迎えます。この義経の霊にとりつかれていたという説が本当ならば、やはり義経の死に罪悪感があったのでしょうね。
頼朝の前に現れた義経の亡霊は腐った生首状態でただじっと兄の顔を見据えていたといいます。さすがの頼朝も恐れおののいて正気を保てなくなったと伝記に残されています」(歴史研究家)
大泉洋演じる頼朝と菅田将暉演じる義経兄弟はどのような結末を迎えるのだろうか。
北条一族終焉の地『腹切りやぐら』
1192(いいくに)作ろう鎌倉幕府から約150年。1333年、新田義貞の鎌倉攻めに敗北した北条一族は東勝寺に火を放ち、約870人が自害したといわれている。
その跡地にある北条高時の『腹切りやぐら』で、高時はその首をあげられないよう自分の鼻を自ら削いでから自害したという。今でも怨念が漂うこの場所。
「霊処浄域につき参拝以外立ち入り禁止」の立て札があり、空気が重い。遊び半分で行って霊障にあう人が後を絶たないこの場所。訪れるときは注意が必要だ。
2月某日、この場所を訪れた瞬間カメラのバッテリーが切れるなどに見舞われた。これ以上足を踏み入れてはいけないと言われている気がしてそっと引き返した……。
嫉妬で愛人の家を燃やし尽くした北条政子
小池栄子によってコミカルに演じられている北条政子だが、その嫉妬深さと鬼嫁ぶりは凄まじかったという。
「20日放送から登場した頼朝の愛妾・亀の前(江口のりこ)は、頼朝の寵愛を受け、最も政子から嫉妬を浴びた人物といわれています。
政子の気性の荒さを表すエピソードとして語り草になっているのが“夫の浮気相手と家を丸ごと燃やした”というもの。殺されかけた亀はすんでのところで逃げ延びることに成功しましたが、死ぬまで政子を恐れ続けたといいます。
さらに、頼朝と亀の浮気を政子に告げ口したのは牧の方(宮沢りえ演じるりく)だというから、女同士のドロドロも垣間見えますよね」(前出・歴史研究家)
八重姫から頼朝を略奪し、浮気相手は殺害しようとする政子がいちばん怖い!
「平安、鎌倉時代は生き霊や霊の存在が今よりも信じられていたともいわれています。そのため、怪談話につながる逸話が多いのではないかと思います」(同・前)
ドラマ内でも、しばしば後白河法皇(西田敏行)が生き霊となって頼朝のところに現れる描写がある。
今後どう描かれていくのか気になる中、新たなキャストとして義時(小栗旬)の息子・泰時役に坂口健太郎が発表された。
今後も「あっと驚くキャストが控えている」と番組側が発表している。静御前や源実朝などの人気キャラは誰が演じるのか。
今週からは義経(菅田将暉)が登場。後半は男たちの権力争いでドロドロの展開が予想される。残り7か月、三谷幸喜が贈る予測不能エンターテイメントはどんな鎌倉時代を魅せてくれるのか──。