越中八尾の町並み。八尾の町屋は全体的にくっついており、間口が狭く、奥に長くなっているのが特徴 撮影/山田智絵

 新型コロナウイルスが落ち着いたら、まずは旅行に行きたい! と考えている人も多いのでは? 海外からの旅行客も少ない今、国内旅の魅力を再発見するチャンス。そんな中で今回、“Japanese Beauty”がたっぷり詰まった富山・石川・福井の三県に行ってきました! 美食はもちろん、古き良き街並みといった「美観」、“もの作り”や伝統工芸の「美技」など、北陸には世界に誇る、たくさんの「美」が。「本当に行って良かった」と思える北陸旅。まずは【富山県編】からお届けします。おトクに旅する情報も!

【富山県編】

“天然の生け簀”で獲れた地魚鮨でランチ

 東京から新幹線に揺られて約2時間で、富山駅に到着。雪が積もる中、ちょうどお昼前ということで、早速ランチに。北陸といえば、やっぱりお寿司が食べたい! というわけで、富山駅から路面電車に乗って約10分のところにある『写楽』へ。

『写楽』一階では目の前で握る様子が 撮影/山田智絵

 富山湾は“天然の生け簀”とも呼ばれるほど、海の幸の宝庫。そんな富山湾で獲れた新鮮な地魚に、富山県産のお米のシャリを合わせた贅沢な「富山湾鮨」をいただきました。

“天然の生け簀”富山湾で獲れた新鮮なネタばかり! 撮影/山田智絵

 実は富山、日本で一番昆布を食べる町だとか。

 お寿司には、酢で〆た鱒を型で押して昆布で巻いた「鯖寿司風のバッテラ」や、カジキのお刺身を昆布に挟んで3日ほど寝かせた「サスの昆布〆」(富山ではポピュラーなネタとのこと)、富山でしか獲れない「白えび」に、自家製の「煮だこ」「かにみそ」、今がまさに旬の「寒ブリ」……など、ここだからこそ味わえる絶品鮨に舌づつみ!

 さらに、サクサクの「白えびの天ぷら」、濃厚な「マダラの卵の寒天寄せ」と、地元食材を生かした料理を心ゆくまで。お寿司のお皿は、お隣・石川県を代表する陶磁器「九谷焼」で提供され、目でも舌でも富山グルメを満喫しました。

「富山湾鮨セットクーポン」でいただいた富山湾鮨。『写楽』では、九谷焼のお皿で提供。白えびは、塩が振ってあるので、そのまま食べられる 撮影/山田智絵

「富山湾鮨セットクーポン」3,500円(税込)
 富山湾鮨が定額で食べられるおトクなクーポン。富山湾で獲れた魚×富山県産のお米のシャリを使った寿司10貫に汁物。さらに寿司1貫や1ドリンクといった特典(店ごとに異なる)や、前日までの予約で小鉢など1品サービスも。ネット予約が可能で、数あるお店の中から選ぶことができる。
https://toyama.visit-town.com/visittour/wanzushi-kupon-2

『富山湾鮨』をいただいた『写楽』。店内の雰囲気もとてもよかったです! 撮影/山田智絵

『写楽』
住所:富山市大手町5-13
TEL:076-491-0700

どこか懐かしい…由緒あるお祭りを“間近”で

 富山駅から電車(JR高山本線)で約25分のところにある越中八尾。坂が多い町で、門前町として栄えた八尾は、今も風情ある古きよき町並みが残っている。

 そんな八尾の町では、毎年春には美しい彫刻が施された曳山を各町内で引き廻す『越中八尾曳山祭』が開かれる。さらに秋には『おわら風の盆』が。こちらは三味線・太鼓・胡弓の音に合わせ、編笠を深くかぶった踊り手たちが舞い集まる、なんと300年以上も続く由緒正しいお祭りだ。そんな踊りを時期関係なく間近で鑑賞できるのが、八尾曳山展示館内ホールで行われている「おわら特別ステージ」。

「おわら特別ステージ」を鑑賞 撮影/山田智絵

 普段は有料だが、『八尾おもてなしパスポート』があれば、無料で鑑賞可能! 優美な踊りと音色はどこか懐かしく、その幻想的な世界観にうっとり。

 ちなみに、ステージ客席には、一つだけ座席があげられたものが。実はここ、かつて天皇陛下が座られたイスなのだとか!

ここが天皇陛下が座られた椅子 撮影/山田智絵

 鑑賞後は、八尾の町散策へ。昔ながらの風景が立ち並ぶ「諏訪町通り」は、CM撮影や映画のロケにもよく使われ、日本の道百選にも認定された“名所”。この町並み見たさに訪れる人も多いようで、町歩きも楽しめる。

こんな遊び心に溢れたお宅も発見! 撮影/山田智絵

 前出の『八尾おもてなしパスポート』があれば、各店舗で商品との引き換え、割引サービスも! 

私は2店舗で地元の銘菓と引き換えました! 撮影/山田智絵

「八尾おもてなしパスポート」
  富山市内の対象施設に宿泊した人に配布されるクーポンマップ。観光施設の無料券のほか、「おわら特別ステージ」が無料で見られるクーポン、地元の銘菓など「おもてなし品」との引換券付き。おわら風の盆グッズ(カレンダー、コースター、エコバックの中から1つ)がもらえるのも嬉しい!3月31日終了。
問い合わせ:越中八尾観光協会(076-454-5138)
https://www.yatsuo.net/

どこか懐かしい音色と美しい舞いに、うっとり 撮影/山田智絵

『おわら特別ステージ』
 土日限定開催。コロナウイルスの影響で開催中止の場合もあるので、開催については越中八尾観光協会のHPをチェック。
場所:八尾曳山展示館内ホール(富山県富山市八尾町上新町2898-1)
アクセス:JR越中八尾駅からコミュニティバスで約9分、曳山展示館前下車

世界にひとつだけの「すずがみ」を

 続いて、加賀前田家二代当主・前田利長が築いた城下町・高岡へ。鋳物の町”として知られる高岡では、『すずがみ作り』体験ができる、ということで実際にやってきました! 

すずがみ作りに挑戦! 撮影/山田智絵

 手で折り曲げられるほど薄い錫(すず)板を、金槌でひたすら叩いて成形。金槌の跡がキレイにつくように叩くのですが、これまたすごく難しい。

均等に金槌の跡をつけるのって、意外と難しい…。 撮影/山田智絵

 教えてくれた伝統工芸士の方によると、コツは「あまり強く叩かないこと」。完成したすずがみは、もちろん持ち帰りOK。世界にひとつだけのオリジナル。自分へのいいお土産になりました。

 高岡でも有名なお祭りがあり、毎年5月には、7基の山車“御車山(みくるまやま)”が街中で引き廻されるお祭り『高岡御車山祭』が。重要有形・無形民俗文化財に認定された高岡御車山は、とにかく優雅で豪華。ちなみに、“有形”“無形”両方に指定されているのは、全国でたった5件しかなく、貴重なんです。

二番町の御車山。車輪と車輪の間には地山箱という大きな箱があるが、お祭り当日はここにお囃子を演奏する人が4〜9名入るそう 撮影/山田智絵

 その御車山が街中を通る姿をひと目見ようと、お祭りの時期には多くの人が訪れるそう。『高岡御車山会館』では、実物の御車山が展示され、年中問わず、間近で見ることができる。御車山は4か月に一度、入れ替えられ、この日展示されていた「二番町」の御車山は、唯一の二輪。その車輪だけでも直径2メートル超えというから、とにかくすごい迫力!

【豆知識】
 高岡御車山は天正16年(1588年)に、豊臣秀吉が天皇を迎えるときに乗っていた御所車が、親交深い前田家に贈られたのが始まりだったとか。会館ではその様子が描かれた屏風も展示。う〜ん、すごい歴史……!

高岡御車山会館 撮影/山田智絵

高岡御車山会館
電話:0766-30-2497
住所:高岡市守山町 47-1
アクセス:JR新高岡駅から加越能バスで約18分、木舟町下車、徒歩約2分
※「すずがみ作り体験」の会場も高岡御車山会館となる。体験の問い合わせは、高岡市観光協会(0766-20-1547)まで。

 お隣・石川県では“映え”スポットで溢れていた…!? 【石川県編】は2月27日(日)9時配信予定です。

※新型コロナウイルスの影響で、中止・延期の可能性もあります。必ず最新情報をチェックしてからお出かけください。

取材協力/北陸三県誘客促進連携協議会、JR西日本