ラーメン店から出てきた東出昌大(2020年5月)

 東出昌大(34)が事務所から契約を解消された。

 一昨年1月、唐田えりか(24)との不倫が発覚。8月に(35)と離婚したあと、昨年10月には一般女性との熱愛が報じられ、映画のロケ地である広島にまで呼び寄せていたことがわかった。

契約解消した所属事務所も感情をあらわに

 この「呼び寄せ」が決定打になったようだ。2月14日の公式発表では事務所の女性社長が《配慮に欠ける行動》と批判。《徒労感と虚しさ》を感じ《共に歩くことはできないという結論》に達したとして、三くだり半を叩きつけたのである。

 事務所がタレントとの契約をめぐり、ここまで感情をあらわにすることは珍しい。恨み節にも思えるほどだ。実際、名誉や信頼の回復からCM違約金の肩代わりまで、懸命にサポートしてきたのにと、裏切られた気分なのだろう。

 ちなみに、この社長は映画製作などにも携わる大ベテランで、演技派の役者を数多くマネージメントしてきた。晩年、交通死亡事故を起こした根津甚八さんの復帰も支えたことから、面倒見もよさそうだ。

 にもかかわらず、今回のようなことになったのは、東出への失望がよほど大きかったのだろう。いわば、可愛さ余って憎さ百倍というやつだ。

 そして、不倫発覚以来、くすぶり続ける東出の不人気もまた、このことわざで説明できるのではないか。

 というのも、彼は女性を放っておけない気にさせるタイプのようで「呼び寄せ」の相手もそのあたりを明かしている。

《ロケ地に呼ぶのはどうかと思う》としながらも《拗ねるから行く。5歳上なのにまるで5歳児なのはこうやって甘やかしてしまう私のせいでもある》と語っていたと報じられた。

 一昨年3月の不倫釈明会見でも、女性レポーターは同情的だった。「本当に答えを考えに考えてお話ししてらっしゃる」(長谷川まさ子)という具合だ。

甘やかされてきた東出昌大

 ただ、こういう男性はえてして誰にでも甘えてしまう。あの会見で注目された「杏と唐田、どっちが好き?」という質問への回答もそうだ。しばらく考えたあと、彼はこう言った。

「お相手のこともあるので、また、私の心のうちを今ここでしゃべることは、妻を傷つけることになると思いますので、申し訳ありませんがお答えできません」

 これはどちらにも気を使っているようで、結局、どちらにもいい顔をしたいだけに見える。両方に許してもらえたら、という甘えだ。

 モデル時代に東出と出会い、朝ドラで再会して恋におちた杏も、子どもができれば夫まで甘やかすわけにはいかない。一方、東出は甘えられる女性を外に求めたのだろう。そんな構図が見えたことで、世の女性は彼を甘やかしがいのある男だと感じなくなったのではないか。

 とはいえ、この甘えん坊キャラが役者業にはプラスにも働いてきた。代表作のひとつである『コンフィデンスマンJP』シリーズでの「ボクちゃん」役はその典型だ。

 詐欺師だが、リーダー格のダー子(長澤まさみ)からは騙されまくる役。彼はこの役について「駄目なヤツ」と評しつつ「ただ、僕自身に結構似ているとも言われて、いいのか悪いのか(笑)」と語っている。

 これは不倫発覚前年の発言で、当時はどこか憎めない駄目なヤツが似合っていた。しかし、今では憎まれるだけの駄目なヤツになってしまった印象すら受ける。

 彼を孫のように可愛がっていたであろう社長に見放された「ボクちゃん俳優」東出。私生活はともかく、仕事上で甘えさせてくれる人ははたして見つかるだろうか。

PROFILE●宝泉薫(ほうせん・かおる)●アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。近著に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)