『牛宮城』初日を終えた宮迫博之

《【牛宮城】行って来た!まじでこりゃ、うままままーい!》
《死ぬほど美味しかったです》
《普通にうまい焼き肉屋でしたよ》

 3月1日にオープンした、元雨上がり決死隊・宮迫博之がプロデュースする焼き肉店『牛宮城』が絶賛祭りだ。TKO・木下隆行、キングコング・西野亮廣、そして“ホリエモン”こと堀江貴文氏らが、それぞれのYouTubeチャンネルやツイッターで同店を訪れたことを明かして「うまい!」と太鼓判を押したのだ。

 元はカリスマユーチューバー・ヒカルと始めた出店企画で、ゴタゴタの内幕も含めた経緯がYouTubeチャンネル『宮迫ですッ!』で流され、同時にネットニュースの常連になっていた『牛宮城』。良くも悪くもオープン前から話題店として広まったおかげか、3月いっぱいに予約が埋まる人気ぶり。

「他にも有名ユーチューバーや、多くのフォロワーを抱える『食べログ』ユーザーが来店して、宮迫がこだわり抜いた自慢のお肉を堪能、高評価をつけています。予約が取れない人気店のはずが、影響力の大きいインフルエンサーや芸人らは難なく通されているのは不思議ですが(苦笑)」(スポーツ紙記者)

 中にはユーチューバー・シバターのように《結論から言いますと、2度行くことはない》《合格ラインにいるとは思うけど、コスパとしては…》などと、名物の『極みタ塩』2人前で4400円などのメニューの価格設定に首を傾げる者もいたが、ほとんどが好意的な意見ばかり。数日間にして『牛宮城』の評価は爆上がりと言えよう。

 広告代理店営業マンは「まずは宮迫さんの作戦成功といったところ」と、そのマーケティング戦略の手腕を評価する。

「本来、営業先や関係者などの“身内”はプレオープンに招待するのが定石ですが、開店準備がギリギリだったこともあるのでしょう。インフルエンサー枠を優先して確保しているとも考えられますね。通常営業時ならメディアも堂々と周辺取材ができ、放っておいてもニュース記事にしてくれるわけで双方にウィンウィンと言えます。

 オープン前は“ご飯780円”といった高価格にネガティブな声も聞こえましたが、ポジティブな声を重ねたことで、来店を検討している一般客に“相応の価格”をアピールするには十分な効果でした」

名物・タン塩はオーストラリア産

 高級焼き肉店店を謳う『牛宮牛』で楽しめる牛肉は、松坂牛や米沢牛といった著名なブランド牛ではなく、黒毛和牛などを含めた和牛、雌のホルスタイン種などと掛け合わせた交雑牛、そしてオーストラリア産がメインとなっている。国内でも希少になっている牛タンだが、ホリエモンによると名物のタン塩はオーストラリア産のようだ。

 公式HPでは牛肉の紹介として、和牛は《30ヶ月以上肥育されたA5の雌牛のみを使用し、ウェットエイジングという方法でお肉を熟成させて旨味を引き出します。》とし、交雑牛は《牛宮城では柔らかさ、水分量、味わい、香りをしっかりと職人が目利きし、和牛に負けない美味しさを追求しております。》とある。

「つまりは超高級牛肉にも劣らない、価格相応の価値ある牛肉を提供している、ということでしょう」とは、焼き肉業界に詳しいフードライター。

「ただ、オープンにあわせて厳選した牛肉を揃えるのは当然のことで、初っ端から“まずい”とダメ出しされるような肉を出すはずがない。問題は信頼おける生産者や業者とのラインを確保し続けることで、今後も消費者が満足できるような品質を維持していけるかどうか

 客離れが起きる焼き肉店、ステーキ店に見られる原因の一つが、やはり肉質の低下だと思います。前評価が上がれば消費者の期待値も高まるわけで、万が一、価格に見合わない、質の低い牛肉が提供されたとあればネットで即拡散されかねません。特に宮迫さんは“前科”があるだけに心配です(苦笑)」

《牛宮城の試食に来たラファエルにスーパーの肉を提供するドッキリ》とのタイトルで、宮迫が動画をアップしたのが1月13日。人気ユーチューバー・ラファエルに『牛宮城』の商品を試食させたのだが、実は価格帯600円ほどのスーパーの牛肉を提供するというドッキリを仕掛けたのだった。

「最近のスーパーの肉は安くて美味しい」とフォローも入れていた宮迫だったが、間も無く“スーパーの肉をバカにしてる、失礼すぎる”、また自ら食品偽装するかのような動画に“飲食店にあるまじきドッキリ”などのコメントで炎上。

「芸人としては“アリ”だったのでしょうが、仮にも店舗でお客さんを欺くような行為は飲食店責任者としては完全にアウト。『牛宮城』HPを拝見しましたが、“トレーサビリティー”について何ら触れられていないことも余計に心配にさせられます」(前出・フードライター)

HPに個体識別番号の表示がない

【牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法】、通所“牛肉トレーサビリティ法”が施行されたのが2003年。和牛や交雑牛を含めた国産牛を販売等するにあたり個体識別番号の表示化を義務付けるもので、消費者は牛肉の飼育者や飼育地の情報をインターネットで確認できるようになったものだ。

 この「個体識別番号」だが、昨年末にすき焼き用牛肉を販売、完売した『牛宮城 オンラインストア』では確認できるものの、新しく開設された実店舗の『牛宮城』公式HPにはどこにも記されていない(3月4日時点)。

「高級焼き肉店や大手チェーン店を含めて、全国にある多くの焼き肉店が、農林水産省が認可する『全国焼肉協会』に加盟しているのですが、正会員は各HP上にて個体識別番号の表示、または番号検索・照会サービスの情報を掲載しています。生産経緯がわかる、消費者にとって安心な牛肉であると言えます。

 会員一覧を確認したところ、協会に『牛宮城』の名前はありませんでした。もちろん加盟は強制ではなく、個体識別番号もHPに表記されていないだけで店舗で確認できるシステムかもしれません。ただ、高価格であるにもかかわらず、予約時に生産過程が確認できないのは消費者にとってやさしくはないのかも」(同・フードライター)

 一般のお客さんにも絶賛される焼き肉店になるか、果たしてーー。