春は別れと出会いの季節。秋篠宮家の長男・悠仁さまも、新たな門出をお迎えになる。
「幼稚園から中学校まで通われた『お茶の水女子大学附属』は高校から女子校になるため、4月からは“筑附”こと筑波大学附属高等学校へ進学されます。偏差値70を超える筑附は、東大合格者が毎年30名程度という国立進学校。悠仁さまは、お茶の水女子大と筑波大が結ぶ『提携校進学制度』を利用し、ご入学が決まりました」(皇室担当記者、以下同)
悠仁さまの入学を「大変光栄」と語る学長
両大学の附属校に通う若干名の生徒が“交換入学”できるのが提携校進学制度。
「'17年から5年間限定で設けられたため“悠仁さまのために作られたのでは”と、取り沙汰されてきました。しかし、筑波大学の学長は、2月24日に行われた会見で“その見方は当たらない”と否定。'27年まで制度の延長が決まっているそうです」
中学の成績が“最優秀グループ”に入っておられたという悠仁さまは、一般入試の日に行われた学力検査を加味して、合格が決まった。
「悠仁さまの入学について、学長は“大変光栄”と評しましたが、ひとりの生徒の入学を大々的に歓迎するのは、国立大学の長としてどうかと思いました。ほかの生徒や保護者にとって、いい気持ちはしないでしょう」(教育評論家)
皇室に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授もこう懸念を示す。
「どんな学校でも、皇族のご入学は名誉と感じる面はあるでしょう。ただ、筑波大が国立であるという公共性から考えると、皇室への特別扱いが見受けられる会見は避けるべきでした」
皇位継承者が学習院以外の高校に入学されるのは戦後初。このような問題が生じてしまうのも無理はない。しかし、悠仁さまの筑附進学は、約10年前から噂されていたというのだ。
中学・高校と筑附に通い、'16年に卒業したOGが語る。
「私が中学生のころから悠仁さまがいずれ筑附に入学されるのではないかとささやかれていました。でも、校舎が古いし、女子生徒があまりにもたくましいから“まさか、ないよね”って(笑)」
当時、提携校進学制度はなく、悠仁さまはまだお茶の水女子大附属の幼稚園児だったはずだが……。
林間学校では男女ペアで「肝試し」
「“自主・自立・自由”というモットーが、秋篠宮家の教育方針とマッチするので、早いうちから進学先の候補に挙がっていたとしても納得できます。お茶の水女子大と道路1本を挟んだ向かいに位置する筑附は、警備の面でもアドバンテージがありますしね」(宮内庁関係者)
では、筑附とはいったいどんな学校なのか。同校のHPでは校長がこう綴っている。
《大切な高校生時代に、強制はふさわしくなく、その精神において自由であらねばなりません》
制服がなく、校則もほとんどない学校生活について、前出のOGはこう回顧する。
「受験には直接的な関係のないアクティブ・ラーニングの授業が中心で、例えば、数学は公式を覚えるのではなく、成り立ちを考えました。宿題は少なく、授業中にスマホゲームをしている人も。塾に通うなど、各自で受験勉強に取り組むか、浪人覚悟で高校生活を謳歌するかの2パターンが多かったです」
充実した学校行事も、同校の大きな魅力だ。
「1年生の夏には、長野県の蓼科高原で林間学校があります。クラスメート6人と卒業生1名がチームになって山登りをしたり、夜は男女ペアになって肝試しをしたり。山登りはかなりハードでした」(前出・OG、以下同)
かつて標高3千メートルを超える槍ヶ岳にご登頂されたこともある悠仁さまにとっては、力の見せどころか。
毎年6月には、筑附と学習院の定期戦も行われる。筑附は“院戦”、学習院は“附属戦”と呼ぶ部活対抗試合だ。
「私の在学中は学習院のほうが強く、“今年こそ勝つ!”と、意気込んでいました。生徒はもちろん、卒業生も応援に駆けつけます」
大学受験を控えた3年次でも、文化祭やスポーツ大会に本気で取り組む生徒が多いのが同校の特徴。
「高校時代にしかできないことに全力を注ぎ、そのぶん、親睦は深まりました。放課後はカフェやファミレスでひたすらおしゃべりしたり。カップルは、クラスに2組ほどいました」
花の高校生活に、悠仁さまは期待を膨らませておられることだろうが、同校では戸惑いの声も広がっている。
愛子さまの成年会見と同日に“顔合わせ”
「自由な校風が好きなので、悠仁さまのご入学で日常生活や行事が制限されるのは、ちょっと……。悠仁さまと普通に接することができるか不安だという人もいれば、“ひーくん”“ひぃめろ”など、早くも愛称で呼び始めている人も。距離感をつかめずに浮足立っている印象です」(女子生徒のひとり)
別の男子生徒は、こう話す。
「悠仁さまの合格報道を受け、学校からは“節度を持った対応を”とのお達しが。でも、何かを禁止するわけではなく、あくまでも生徒の自主性に委ねられています。筑附らしいと思う反面、皇族が過ごす環境としてふさわしいのかは疑問です」
先を案じるのは、在校生だけではない。
「悠仁さまが将来、即位されることを見越して“帝王教育”を積極的に行われていたのは、何を隠そう紀子さまです」(秋篠宮家関係者)
今年4月から成年年齢が18歳に引き下げられ、悠仁さまは高校在学中に“大人”の仲間入りを果たされる。
「高校生活が人間形成の場になることは言うまでもありません。気の合うご学友ができるか、将来につながる知見を得られるか、なにより楽しく充実した青春を送れるのか……。心配は尽きないでしょう」(同・前)
入学まで約1か月。悠仁さまの同級生となる新入生も、期待と不安が入り交じっているに違いない。そんな中、早くも同級生が一堂に会する機会がある。
「3月17日午後2時から、筑附の体育館で高校入学準備会が開かれます。授業料や寄附金といったお金がらみの説明や、教科書や柔道着などの販売があるため、保護者同伴での出席が義務づけられています」(筑附関係者)
悠仁さまも、保護者とのご出席が求められる。
「紀子さまは、母としての自負を強く持ち、これまでも率先して保護者説明会などに参加されてきました。今回の入学準備会にもお出ましになるのではないでしょうか。高校におけるママ友は、一般的にさして重要ではなくとも気になるもの。変わった保護者や生徒がいないか、悠仁さまに冷たい視線が注がれないか、ご自身の目でしかと確認なさると思います」(前出・秋篠宮家関係者)
奇しくもこの日、天皇家の長女・愛子さまは初めての記者会見に臨まれるご予定だ。
「昨年12月に20歳をお迎えになった愛子さまですが、学業への影響を考慮されて、会見は3月17日の午前中という日取りに。その数時間後、今度は紀子さまが“同級生の親”と初めて“会見”されるとは……。皇室にとっては緊張続きの1日になりそうです」(同・前)
紀子さまにとっても“ハレの日”になるだろうか─。
小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。専門は、皇族や華族に関わる日本近現代皇室史