今、ネット上でいちばん話題になっている人は誰だろう。
炎上に次ぐ炎上を乗り越え、ようやく焼肉店をオープンさせた宮迫博之か。それともネットニュースで話題沸騰中、芸能界を戦々恐々とさせているユーチューバー『ガーシーch』の東谷義和か。
さまざまな“余罪”が発覚し続けるという“トレパク”疑惑のイラストレーター・古塔つみか。またまた“炎上軍”と呼ばれるシバター、ヒカル、ラファエルといった人気ユーチューバーたちか……。
いや、本記事で取り上げたいのは彼らではない。キングコング西野亮廣だ。
西野のネットニュースが“激減”
「オンラインサロン、クラウドファンディングといった当時、目新しかったサービスに芸能界の中で率先してそれらを用い、自身のビジネスに活用していたのが西野さん。SNSが珍しいものでなかった時代から、芸能界においてそれらを意識的に活用した第一人者と言えるでしょう」(芸能プロ関係者)
上記のようなネット上のサービスは今では珍しくない。SNSなどについてはタレントであるならば、“やっていないとおかしい”というレベルにまで浸透している。
しかし、ほんの数年前までは、そうではなかった。
「西野さんは、SNSやネット上のサービスをコンビ芸人としての活動に活用していたというより、絵本や独演会の告知に有効活用していました。西野さんは“ひな壇に座らないと決めました”とツイッターで宣言。
活動が “お笑い”から、それ以外にシフトしていったので、“芸人ならお笑いだけやってろ”というような批判が集まったことも。西野さんに次いでオリエンタルラジオの中田敦彦さんなどが代表的な存在といえますが、“意識高い系芸人”の先駆者でしたね」(ITジャーナリスト、以下同)
現在ではオンラインサロンやクラウドファンディングをやっている芸人も少なくない。
「西野さんがオンラインサロンを始めたころは、“宗教”と言われたこともあり、クラウドファンディングの際は“詐欺”だと揶揄されたことも。今現在の視点から見れば、当然ながらそれらは宗教でもなければ、詐欺でもないわけです。クラウドファンディングは時に詐欺的な行為をする人もいるはいますが……」
時代は西野に追いついた。西野はツイッターで毎日《週に一度は炎上するFacebook毎日更新中。フォローしてね(*^^*)》とツイートしている。しかし、彼は今、《週に一度は炎上》しているか。
「西野さんがお笑い界や先輩芸人に対してディスと取れる発言をし、それが炎上していたのは遡れば10年ほど前からになるでしょうか。西野さんがテレビに出たり、なにか燃える材料となるようなコメントをすればネットやSNSでは、彼を揶揄するように“西なんとかさん(が変なことを言っている)”などの書き込みが大量にありました。
西野さんが言うようにまさに“週に一度は炎上”していた状態です。しかし、現在のネットは“炎上”そのものを目的とする人で溢れています。日々ネットニュースを見ている人ならわかるかと思いますが、西野さんが取り上げられることは激減していますよね」
そんな状況を数字的に示すものが。西野のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』だ。開設は'16年のこと。カズレーザーや品川祐、また先日、復帰を果たした渡部建などオンラインサロンを開設している芸人はいるが、ここでも西野は第一人者といえるだろう。
「2年前には西野さんのオンラインサロンの会員は7万人超いました。しかし、現在の会員数は4万1000人ほど。昨年末ごろから月平均で3000人以上が解約している計算になります。オンラインサロンは月額980円となりますので、単純計算でひと月に約300万円の減収となりますね」
月額制のオンラインサロンは、動画サービスなど現在、群雄割拠の時代を迎えているサブスクリプションのサービスだ。
会員数減少について西野の事務所が回答
「定額制のサブスクサービスは動画サービスを中心に拡大の一途ですが、一方で解約についてなどのトラブルが多数報告されています。そのため消費者庁は2月に契約画面に記載すべき項目などの指針を発表。“自動更新”の場合は明記し、解約に制限があれば明示する必要があるとしました。これらは改正特定商取引法に定められ、6月の施行となり、違反する事業者は罰則となります。
この指針が示すのは、サブスクは解約がわかりづらいものが多い、ということ。さらに言うと、退会しづらいイメージの強いサブスクながら、西野さんのオンラインサロンで退会が相次いでいる。西野さんのオンラインサロンはフェイスブックの非公開グループ上でおこなわれますが、退会にあたっては事務局に連絡する必要があります。Facebookグループを退会すれば退会となると勘違いする人も少なくないようですが」
西野の個人事務所『株式会社CHIMNEY TOWN』に、オンラインサロンの会員数減少についての見解を問い合わせた。
オンラインサロンの会員数減少について、
「ご指摘の数字は、弊社プラットフォームから登録したFacebook版のオンラインサロンの会員数になります。弊社では並行して、『note』や『Instagram』などのプラットフォームでもオンラインサロンの記事を購読いただいており、他にも『YouTube メンバーシップ』や『voicyプレミアムリスナー』など様々なコンテンツをお楽しみいただいております。
プペルの映画公開で露出が増えた際に新規会員が顕著に増え、現在は落ち着いておりますが、主にはみなさんのコンテンツの楽しみ方の変化に合わせて複数のプラットフォームに分散した結果と受け止めております」(株式会社CHIMNEY TOWN代表取締役社長CEO柳澤康弘氏、以下同)
会員の減少を受けて対策などは考えているのか。
「『Facebook』版での会員数のみを追求しているわけではございませんので、特にございません。今後も引き続き、様々な事業展開を行っていく予定です」
さまざまなサービスや価値観が生まれては消える現代。また新たな“金脈”を探しているのだろうか。