羽生結弦 撮影/JMPA

「僕も……、出たいです(笑)」

 羽生結弦が、日本オリンピック委員会の公式Twitterに投稿された動画でこう話した。

現在、'30年の冬季五輪を北海道の札幌で開催しようと、招致活動が行われています。今回の動画もその一環で、ほかにも、フィギュアスケートの鍵山優真選手、宇野昌磨選手や、スキージャンプの小林陵侑選手など、北京五輪で活躍した選手たちも参加。それぞれが札幌五輪への思いを語っています。'30年冬季五輪は年内にも開催地が内定する見込みです」(スポーツ紙記者)

貴重なチャンスに羽生も本気か

 羽生のこの発言を受けて、ファンたちは歓喜の声を上げている。

「8年後には35歳となっている羽生選手。コーチとして帯同するのか、開会式や閉会式に登場するのか、はたまた代表選手として出場するのか、どんな形で札幌五輪に出てくれるのか楽しみです」(羽生のファン)

 動画では、“出たい”と言いながら思わず笑ってしまった羽生。リップサービスのようにも思えるが、2度の冬季五輪出場経験があり、現在はフィギュアスケート振付師として活動する村主章枝さんは“あながちそうでもないのでは”と推察する。

「自国開催の五輪というのはやはり特別。前回、日本で冬季五輪が開催されたのが'98年長野五輪で、次が'30年札幌五輪だとすると、その間は32年。タイミング的に、出場できるチャンスはなかなかないので、羽生選手も案外本気かもしれませんね(笑)」

 しかし、北京五輪で表彰台にのぼったのは10代や20代の選手だけ。35歳で出場できる可能性はあるのだろうか。

“アダルトな羽生結弦”を五輪で見られる可能性

「30歳を越えると身体のダメージの回復が遅くなるので、若いときと同じ練習方法では難しいかもしれませんが、それを工夫すれば問題ありません。男性のアスリートで35歳以上の方もたくさんいますから」(村主さん、以下同)

 実際、北京五輪代表の座を小松原美里・小松原尊組と争い、3月21日から行われる世界選手権にアイスダンスで出場する高橋大輔も、現在36歳。

 また、競技を長く続けることには、メリットも。

「出たい」思いに加え「出場選手が最高の演技をしてほしい」とも話す羽生結弦(TEAMJAPAN公式Twitterより)

「私自身、今は指導や振り付けをやっていますが、33歳まで競技を続けた経験が生きていると思います。'06年のトリノ五輪で4位となった後、成績は下り坂の傾向でしたが、そのときの経験で、選手を育てるいろんなアプローチを学び、身体の使い方の引き出しが増えました。長く競技を続けると、その先のキャリアに生かすことができる面もあると思います」

 そして、村主さんはこんな可能性も指摘する。

「28歳以上が出場できる『国際アダルトフィギュアスケート競技会』という大会があり、年々規模が大きくなってきています。“アダルト”といっても、落ち着いた大人の雰囲気の大会というよりは、かなり本気の世界大会。若い選手と変わらない熱い戦いをしています。

 '30年の札幌五輪のころには、日本でももっとメジャーな大会になっているかもしれませんし、それに羽生選手が出る可能性もあるでしょう。そうなれば、オリンピックで“アダルト”な羽生選手が見られるかもしれません

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