高畑充希が主演を務めるドラマ『ムチャブリ!わたしが社長になるなんて』(日本テレビ系)が、3月16日に最終回を迎える。
「社長秘書を務めていた高畑さん演じる主人公が突然、子会社の社長に抜擢される……という爽快お仕事ドラマです。民放初主演の'17年放送の『過保護のカホコ』最終回では視聴率14%をマーク。
同じ日テレで主演を務めた『同期のサクラ』も全話平均視聴率が2ケタだっただけに、今回も期待されていたのですが……。初回から1ケタと、低空飛行から抜けだせずに終わりそうです」(テレビ誌編集者)
「命がけで演じてるんで」
主演ドラマでは苦戦を強いられてしまったが、彼女にとってはドラマ以上に力を注ぐ作品が控えている。
「5月から6月にかけて、4度目の出演となる舞台『奇跡の人』。7月から8月には『ミス・サイゴン』と、連続で話題作への出演が決まっています」(スポーツ紙記者)
'16年放送の朝ドラ『とと姉ちゃん』でヒロインを演じ、一躍国民的女優の仲間入りを果たした高畑。芸能界入りのきっかけが舞台のオーディションとあって、舞台への思い入れは誰よりも強い。
「なかでも『奇跡の人』という作品をとても大事にしています。だからか、ちょっとした“事件”もありまして。以前、舞台公演中にCM撮影を行った際、関西出身のCM監督さんが“舞台、見たいからタダで招待してよ~”と冗談で言ったところ、普段なら笑って受け流す彼女が“命がけで演じてるんで、無理です”と、半ギレぎみで答えていました」(広告代理店関係者)
'14年から『奇跡の人』の演出を担当する森新太郎氏は、舞台での高畑を絶賛する。
「彼女はヘレン・ケラーと家庭教師のアニー・サリヴァンの両方演じていますが、自分で解釈をして表現ができるタイプ。“大竹しのぶ以来の新しいアニー像を見た”と関係者が驚いたほど。アニーが不幸な過去を語るシーンでは、稽古のときから毎回、涙を流していましたね」
女優・高畑充希のスゴさ
'16年に楳図かずお原作の舞台『わたしは真悟』で演出協力した白井晃氏も、こう語る。
「映像の高畑さんは“ピュア”というイメージですが、舞台ではとてもパワフル。舞台に大切な身体能力も高く、気持ちのうえでもエネルギッシュな方。常に全力で、稽古のときからフルパワーでやってくれていた印象です」
'17年に主演したギリシャ悲劇『エレクトラ』の演出を担当した鵜山仁さんは、
「エレクトラは父親を殺した自分の母親を、弟と一緒になって惨殺するという、恐ろしいキャラクターなのですが、高畑さんは“隣のお姉ちゃん役”みたいな感覚でやれてしまうのがすごい。お隣さんの身近さも、エレクトラのとんでもなさも、シレっと演じてしまうんです」
演劇評論家の河野孝さんも、今後の高畑に期待する。
「“舞台に命をかけている”という意気込みは、見ていても感じます。雰囲気や目線、たたずまいが締まっているというか。役についても研究熱心。3年たって2度目のアニー役をどんな形で見せてくれるか楽しみですね」
こうした絶賛される才能があれば、どんな“ムチャブリ”でも、素晴らしい作品にしてくれそうだ。