「誰に対しても態度をまったく変えない。若い人に対しても自分から話しかけていく。その姿勢はすごいなと思います」
『WOWOWオリジナルドラマ 今どきの若いモンは』で“究極の上司”石沢一役を演じる反町隆史。理想の上司像にドラマ『相棒』で共演する水谷豊(69)を挙げた。
「人間として憧れます。僕自身は顔色を見ちゃうタイプなので話しかけられない。『相棒』はゲストも多く、年代も幅広い。その方々に自然体で話しかけている姿に敬服するばかりです」
“今どきの若いモンは”を言われた過去
『今どき――』はツイッターで人気になった原作漫画をドラマ化。石沢が若手社員たちに向かって放つ口癖がタイトルになっている。
「ドラマではいろんなテーマがあって必ずしも否定的じゃないニュアンスに変わっています。
“今どきの若いモンは”というセリフは、昔も今もこれから先の時代でも言われることだと思います。
僕自身も過去には言われたことがあっただろうけど気にしていなかった。だから何なの?と思っていた部分もあったかな(笑)。それが“今どきの若いモンは”だったんじゃないかと思います」
一見、強面の石沢だが部下への目配り、気配りがにじむ。
「石沢の多くを語らず必要なことだけを言うキャラクターが魅力です。石沢の過去も描かれているので理想の上司にどう変わったのかイメージができ演じやすかったです」
ドラマにも登場するネットへの順応性は役柄同様に低めという。
「若い人たちがパソコンを簡単に扱えるのはすごいと思う。ネット検索は僕らが若いときにはなかった。今は答えがすぐにわかるけど、それにたどり着くまでに苦労した。ストレートに得られないから調べて遠回りしたけど、それが自分のものになっていったと思います。僕自身はエゴサーチもしないし、SNSもしません。何もしないのが僕のいいところなんです(笑)」
人とのつながりの大切さ
第一線を走り続けている。20代で『GTO』『ビーチボーイズ』などのドラマで人気を博し歌手としても活躍、30代は大作映画『男たちの大和/YAMATO』主演やドラマ『BOSS』でのヒール役、40代では7年間にわたって人気ドラマ『相棒』に出演したが3月いっぱいで卒業することに。30年に及ぶキャリアを重ねて今回WOWOWドラマに初主演した。
「20代から俳優を続けてきて10年に1本、代表作といわれる作品に出演できればいいなと思っています。僕のイメージと違う役柄に挑戦したとしても役を生かす、生かさないのも自分次第。そこは常に責任感を持って演じてきました」
“10年に1本”は亡き大先輩の言葉だった。
「津川雅彦さんに“反町君、役者は10年に1本、目立つのがあればいいんだからね”と言われました。
そのときはいまひとつ理解ができなかったけど(いろんな作品を)やっていくうちに“確かにそうだな”と感じるようになり今では自分にとっての金言になりました」
充実した役者ぶりは私生活にも及ぶ。支えとなっているのは東京のほかに住居を構える地方での過ごし方にある。
「指針にしているのは人とのつながりです。東京は仕事をする場で、人と深く関わることが少ないけど、地方では趣味の釣りやアウトドアで地元の方と話をする機会が多い。
そのときに人とのつながりを大切にすることで、そこで生活する感覚や自然とのふれあい方を教えられます。空や夕焼けがきれいと思う普段、東京では感じないことが一瞬でも感じられることも心を豊かにしてくれるひとつです」
渋みを増す今後の俳優人生。
「作品はチームなので、みんながやりやすい環境づくりを大切にしています。現場が楽しくなかったら行きたくないと思うし、作品としても損すると思うので、これからもみんなで楽しくできるといいなと思います」
語らずとも背中でそれを見せ続ける。
ガラケーとスマホの両刀使いだが……
「電話はガラケー、調べものはスマホだけど特に使い分けているのではなくて釣りに行ったときにガラケーは圧倒的に電波がつながるからです。壊れたときのために中古の予備を2、3個も持っていて、最近はオークションで買ったりします。でもあと数年でガラケーが使えなくなるので非常に困っています」
『WOWOWオリジナルドラマ 今どきの若いモンは』
4月9日(土)スタート、WOWOWプライムで放送・WOWOWオンデマンドで配信、第1回無料放送(全8回)、放送各回30分(1話約8分×3話分放送)/共演は福原遥、中村海人(Travis Japan/ジャニーズJr.)ほか