フリーアナウンサーの近藤サト(53)が、詐欺に遭ったことを明かした。
近藤サト、ネット詐欺被害に遭う
2月28日、自身のツイッターで、《ネットで袴を購入したのに、ひと月近く届かないし、店と連絡もつかない》 と、告白。
《嫌な予感しかしない》《サイトのことをいろいろ調べているが、闇が濃くなってきた》などとつぶやいたあと、《ネットショッピングをご利用の皆様、私は詐欺被害に遭いました》
として《くれぐれもご注意下さい》と呼びかけたのである。その3日後には『バイキングMORE』(フジテレビ系)にVTR出演して、
「今から思えばおかしいというか奇妙な点は多々ありました。(略)致命的だったのは振込先が個人名だったんです」
などと、後悔を口にした。
とまあ、気の毒な話だが、ちょっと意外な気もする。彼女は一見、詐欺に遭いやすいタイプではなさそうだからだ。
フジテレビの局アナとしてデビューしたころから、落ち着いたイメージで、いわゆる女子アナっぽいキャピキャピ感とは無縁。フリーになってからは、もともと定評のあった低音のナレーションと板についた着物姿で味を出している。
今年1月放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)に山村美智、河野景子と出たときは、近藤のほうが3期後輩なのに「河野さんの何歳先輩なの?」と世の中の人に聞かれると苦笑していた。
また、ここ数年は白髪を隠さないグレーヘアでも話題に。「若さにしがみつくのは“時代遅れ”だ」と語ったりしている。そんな彼女の「落ち着きぶり」を決定づけたのが2000年の離婚会見だろう。
芸能レポーターたちからは「理路整然とした語り口」「この若さで、こんなにしっかりとした会見ができるなんて」と称賛された。
しかし、よく考えたらこの離婚は失敗色の濃いものでもあった。相手は歌舞伎の名優・坂東三津五郎で、不倫の末の略奪婚と報じられ、1年7か月でスピード離婚。
彼女はその理由について「子どもが産める環境じゃなかった」などと説明した。先妻がすでに跡取りを産んでいたから、ということのようだが、それは結婚前からわかっていることだ。
そこで当時、梨園への憧れだけで結婚したのではともいわれた。実際、梨園は面倒なしきたりも多い世界だ。例えば、三田寛子のように、夫の不倫を何度も許しながら家を守り、子どもたちを歌舞伎役者に育てた人に比べると、梨園の本質を承知のうえでの覚悟が足りなかったのではないか。
ただ、近藤にはそういう和テイストへの憧れがずっと感じられる。フジテレビ時代には、局アナたちによるアルバムで自ら作詞した『yotaka』という曲を歌った。江戸時代の街娼である「夜鷹」を題材にするセンスが話題になったものだ。
そして今回、詐欺に遭った商品は1万2千円の着物である。前出の『バイキング〜』では、
「着物ってニッチなものじゃないですか、それを詐欺行為に使われたっていうのはむかっ腹が立ちましたね」
と、怒りをぶちまけていた。
この「ニッチなもの」をわかりやすく言うと、一部に熱烈な需要があり、高価でも売れる商品。着物好きの彼女にとっては「尊い」ものであり、だからこそいっそう許せなかったのだろう。とはいえ、そんなことは騙す側にとっては関係がなく、
そんなわけで、この騒動は教訓的でもある。人は好きなもの、得意だと思っていることで、意外と失敗しがちなのだ。