2021年の一粒万倍日には、(写真左から)星野源と新垣結衣、松坂桃李と戸田恵梨香が結婚した

 3月26日、人気ロックバンド『King Gnu』のベーシスト・新井和輝が結婚を発表。SNS上ではファンから祝福の声が溢れていたが、なかにはこんなコメントも。

《一粒(いちりゅう)万(まん)倍(ばい)日(び)、天赦(てんしゃ)日(び)、虎の日のご結婚おめでとうございます!》

 実はこの日、暦上ではかなり特別な日だったのだ。

「古代中国では、甲・乙・丙などの“十干”と子・丑・寅などの十二支を組み合わせて月日を表した“六十干支”や、太陽の動きで季節を表した“二十四節気”という指標で暦を表していました。その組み合わせで、何かを始めるに適した日とされる“一粒万倍日”、天が万物の罪を許し、物事がうまく運ぶ“天赦日”。“虎は千里往って千里還る”という故事から吉日とされる“虎の日”など、縁起がいいとされる日がいくつかあるのですが、今年の3月26日はその3つがピタリとそろう日だったんです」(結婚情報誌編集者)

 暦上、3つの吉日が重なる日は多々あるが、今年に関してはさらに特別だという。

古代中国で生まれた年月日で吉凶を占う “九星気学”というものがありますが、今年は36年に1度の“五黄の寅”と呼ばれる幸運を呼ぶ年。一粒万倍日、天赦日、虎の日、五黄の寅の4つが次にそろうのは2094年の3月8日ですから、滅多にない“最強開運日”と言って差し支えないでしょう」(同・結婚情報誌編集者)

櫻井翔、相葉雅紀も "縁起のいい日”を選んで

 たしかに近年は、縁起がいい日を選んで入籍する芸能人カップルも多い。

昨年の一粒万倍日には、松坂桃李さんと戸田恵梨香さんが婚姻届を提出。ほかにも櫻井翔さん、相葉雅紀さん、星野源さんと新垣結衣さん、渋谷すばるさんらが結婚発表をしています。また今年の1月11日は一粒万倍日と天赦日が重なる吉日でしたが、女優の桜井ユキさんと2・5次元俳優の黒羽麻璃央さん、フリーアナウンサーの鷲見玲奈さん、バレーボール日本代表の清水邦広さんなど次々と結婚を発表していましたね」(スポーツ紙記者)

1月11日に結婚した桜井ユキと黒羽麻璃央

 これまでの気運も相まって有名人の結婚ラッシュが期待された3月26日だったが、結婚を報告したのは冒頭の新井のみ。

開運よりも両人の気持ち優先か

 コラムニストのペリー荻野さんは、不発に終わった“超開運日”の背景には、結婚スタイルの変化があったと語る。

かつて芸能人の結婚式は、報道陣を呼んで結婚会見を開いたり、結婚式の様子をテレビで放送したりと大々的に祝っていました。しかし現在のように、SNSでいくらでも発信できたり、コロナで自粛ムードの状況では、むしろ”しれっと”結婚するほうがスマートに思われて、ファンにも支持されるように思えますね

 ひっそりとゴールインしたかった芸能人たちにとっては、3月26日の”最強開運日”はかえって逆効果だったのかもしれない。

1月11日に験担ぎの結婚ラッシュが重なったことで、大きな話題になってしまいましたからね。開運より両人の気持ちや時間を大事にする結果、今回の吉日を見送ったのかも知れません」(ペリーさん)

 結婚相談所『マリーミー』代表の植草美幸さんも、結婚に対するカップルの考え方が変化してきていると指摘する。

「これまで男女ともに”若いうちは仕事に専念、そのうち結婚できる”という楽観的な考え方が多かったですが、コロナ禍で人と人との接点が減ったことで、結婚できるうちにしたいという考え方が増えました。

 最近では“親友のように助け合える、尊敬できる人と結婚したい”という基準で選ぶような、家庭的な人も増えたように見受けられます。業界内では影響力のある有名人同士の結婚のスタイルが3〜4年後に一般人にも浸透すると言われていますので、今後はこのような”尊敬婚”のスタイルが増えると思いますよ

 今年はもう1日、6月10日が最強開運日と言われている。次こそ結婚ラッシュとなるか。