新型コロナの感染拡大を受けて、1度目の緊急事態宣言が発令されてから丸2年。
「'20年4月、秋篠宮さまが皇位継承順位1位であることを内外に示す『立皇嗣の礼』が執り行われる予定でした。しかし、感染動向を鑑みて同年11月に延期。本来であれば、それから間を置かずに三重県の『伊勢神宮』などを参拝されますが、延々と後ろ倒しになりました」(皇室担当記者、以下同)
伊勢までの“超異例”措置
これほど長引くコロナ禍を想像できなかったのは、皇室の方々も国民と同じだろう。
「秋篠宮さまは、昨年夏の東京五輪前に参拝したいというご意向だったため、現地の下見もそれまでにすませていたそうです。しかし、県をまたぐ移動で国民感情を刺激したり、集団感染を起こしたりするリスクを考慮し、実現には至りませんでした」
まん延防止等重点措置が全国すべての地域で解除されたこのタイミングで、ついにお出ましが決まった。
「4月20日から23日にかけて、秋篠宮ご夫妻は三重県、奈良県、京都府の3府県を訪問されます。ご夫妻の地方訪問はコロナ禍以降初めてですが、予断を許さない状況であることから、徹底的な感染症対策が講じられます」
秋篠宮ご夫妻や随行職員は事前にPCR検査を実施し、陽性者が出た場合に備えて予備要員を待機させるとも報じられている。
「それだけではありません。約480㎞に及ぶ東京から伊勢までの道のりを、車で移動されます。従来、地方訪問の際は飛行機や新幹線を使いますが、駅や沿道に多くの人が集まるリスクを避けるため、“超異例”ともいえる措置が取られることになりました」
初日は移動日に充てられ、東京から三重県伊勢市へ。
「3泊4日のスケジュールでは、奈良県の『神武天皇陵』や京都府の『明治天皇陵』、『孝明天皇陵』を参拝されます。最終日の23日、帰京する際のみ伊丹空港から飛行機を利用されますが、それ以外の交通手段はすべて車です」
皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は、こう危惧する。
「飛行機や新幹線などは、よほどの異常事態が生じない限り予定された時間やルートが厳守されます。しかし、自動車では不測の事態を招きやすいでしょう。渋滞、車酔い、お手洗い……、あらゆる想定と対策が必要になります。都内の短距離移動でも、警備や随行職員のご苦労はありますが、これほどの長距離となれば、関係者の負担は計り知れません」
国民にとって急ぐべき行事ではない
道中の交通規制やサービスエリアの封鎖を案じる声も上がっているが、
「殿下は日ごろから、市民生活へ迷惑をかけないように気を配られているため、今回のお出ましで大々的な規制を行うとは考えがたいです。例えば、天皇家は皇太子時代から、車移動の際にすべての信号が青になるように調整しますが、秋篠宮家は一般車両と同様に赤信号で停車します。皇太子と同等である皇嗣は本来、青信号にしてもよいはずですが、殿下は“皇室の特別扱い”を避けたいご意向なのです」(宮内庁関係者)
何より重要なのは、移動時の安全確保。イギリスの故・ダイアナ妃のように、交通事故に巻き込まれる可能性がないとは言いきれない。実際に'16年11月には、お忍びで登山に向かっていた紀子さまと悠仁さまらを乗せたワゴン車が中央自動車道の相模湖東出口付近で、追突事故を起こしたことがあった。
「殿下は、公務のスピーチや会見では必ず『Covid-19』という正式名称を用いますし、学術的にも新型コロナを深く理解しておられると聞きます。ただ、感染対策が先行するあまり、殿下の周辺にいる関係者たちにかかる負担を甘く捉えておられるのでは……」(同・宮内庁関係者)
前出の小田部教授は、納得がいかない様子でこう話す。
「いま“特別な形”で伊勢参りを強行する理由がわかりかねます。今回の目的は、秋篠宮さまが皇嗣となられたことの奉告であり、国民にとっては急ぐ問題ではありません。愛子さまへの皇位継承の期待が高まる中、秋篠宮家が皇嗣家であることを強く公にしたいというお気持ちなのではないかと誤解されるかもしれません」
コロナ禍以降、皇室の方々はオンラインを活用して公務をこなされてきた。大学生の愛子さまは、コロナに苦しむ国民を案じてリモート授業を続けておられる。
「この2年間に起こった豪雨災害などにおいて、両陛下が被災地へ足を運ばれることはかないませんでした。そんな中、天皇家に先立って、秋篠宮家が地方訪問を再開されることには違和感があります。ましてや、国民生活と直結しない今回のお出ましを、私たちはどのような思いで見届ければよいのでしょうか……」
そう語る皇室ジャーナリストは、表面化している皇室内の序列の乱れを指摘する。
「昨年10月、“類例を見ない”結婚をした小室眞子さんの結婚会見で、天皇陛下への感謝やお詫びの言葉がなかったことに驚きました。さらには、眞子さんの結婚後に出された秋篠宮ご一家のコメントでも、両陛下に向けたお気持ちは綴られていませんでした。“天皇家の活動を支える皇族家”という認識が薄れてしまっているようにお見受けします」
重なってしまった小室圭さんの合否発表
地方訪問の再開を機に眞子さんの結婚問題が掘り返されるのは、秋篠宮ご夫妻にとって“誤算”に違いない。
「ふたりの結婚から半年近くたちますし、注目は次第に薄れると思ったのですが……。2月にNY州の司法試験を再受験した小室圭さんの変貌ぶりを見て、やはり話題に事欠かないなと」(前出・記者)
英紙『デイリー・メール』が捉えた試験本番の小室さんの近影は衝撃的だった。
「髪は以前よりも伸びて、再びポニーテール姿に。服装は2日間ともほぼ同じで、胸元まであけたデニムシャツからは胸毛がチラ見えしていました。ぽっこりお腹はストレスか幸せ太りか……」(同・前)
そんな小室さんは4月下旬、運命の合否発表を控えている。
「弁護士になれば1年目から年収2000万円超と見込まれていましたが、現在の法務助手では推定年収が約600万円。不合格の場合、物価の高いNYでの生活が破綻するのは目に見えており、合格は必須だといわれています」(法曹関係者)
昨年の同試験の合否発表は4月21日だった。今年もその前後だとすれば、秋篠宮ご夫妻の伊勢参りと重なる可能性は高い。
「国民の関心は必然的に小室さんに集まるでしょう。昨年10月、1度目の司法試験が不合格だと発覚したとき、メディアは小室さん一色でした」(前出・ジャーナリスト)
伊勢参り中に合否が判明するとなれば、秋篠宮ご夫妻も気が気ではないだろう。
「不合格であれば“お参りどころではない”と、国民から揶揄されるのは目に見えています。徹底した感染対策を講じる秋篠宮さまでも、小室さんによる“飛び火”は、さすがに手の打ちようがありません」(同・ジャーナリスト)
伊勢参りの“副反応”は、想像以上に重たそうだ─。
小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』(星海社新書)など著書多数