SOPHIA・松岡充

 活動再開――それは長年追いかけ、そして愛するものを失ったファンにとっては喜ばしいことだが、当人たちの道のりは、かなり苦労したようだ。

「活動休止の直後から、ずっとメンバーにアプローチしたり、“会って話をしたい”と持ち掛けていました。ただ、それぞれの人生もありますから……」

 週刊女性の直撃にそう答えたのは、松岡充。2013年8月に活動を休止したロックバンド『SOPHIA』のボーカルだ。

「当時はオリコンランキングの常連でした。松岡さんはSOPHIAの活動を休止後、同バンドのギターである豊田和貴さん、ドラムの赤松芳朋さんとともに『MICHAEL』(ミカエル)というバンドを結成。3月27日に行われたライブで、MICHAELの活動を休止して、同時に来たる10月11日に武道館でSOPHIAの復活ライブを行うことを発表しました」(音楽ライター)

 関係者は活動休止の背景を次のように語る。

「もともとの休止理由は、松岡さんのワンマンぶりにほかのメンバーがついていけなくなったからでした。松岡さんとメンバーのギャラは、当時10倍もの差があったそうで、一部のメンバーは怒り心頭。再開に向けた話し合いもする気がないそうでした。しかし、コロナ禍でMICHAELの台所事情が苦しくなり、松岡さんは渋々メンバーに頭を下げたようなんです」

活動再開、メンバーは「急に言われても」

 再開の裏にあった“謝罪”について、松岡に聞いてみると……。

頭を下げたというか……。僕の意思としては、休止をこれ以上、長引かせたくなくて。“もしみんながやらないとしても、1人でもやろうと思うんだけど”と伝えたんです。そうしたら“1人でやるってどういうこと?”となりまして」

 ファンにとっても、メンバーにとってもSOPHIAは5人のはずだ。それを“1人”とは……松岡は確かにワンマンな部分があるのかもしれない。

「まずは豊田に伝えたら“俺もやる”と答えてくれて。僕がソロでやるなら、声をかけるかどうかは自由だと思いますが、“2人でやるのなら、みんなにも声をかけなきゃね”って話になったので、ほかのメンバーにも声をかけました。ただ“いやいや、そんなの急に言われても”という反応だったから、1回会って話をしました。“今どう考えているか?”“それを聞いてどう思うか?”というのを何時間もかけて話をして。その日のうちにキーボードの都と、ドラムの赤松は一緒にやることになりました」

4月1日、所属事務所から車で仕事に向かう松岡充

 中にはこんなメンバーもいたが、

ベースの黒柳(能生)は、もう音楽をやめると言っていたと聞いていたので、(彼の活動再開は)正直諦めていたんです。でも、キーボードの都が“5人でやるのがいいと思う”と言ってくれて、アプローチして、会うことになりました。2、3時間は話をして……。難航するかと思っていたんですが、意外とすんなりいきました(笑)。

 黒柳はサラリーマンをやっているので“なかなか急にはできない。今の仕事も辞めて、9年前のようにSOPHIA1本でというのは、生活が変わっているから自信がない”と言うから“クロちゃんはやりたい?”と聞いたんです。すると“やりたい、松ちゃんは?”と言ってくれて。“俺もやりたいよ”と伝えて、抱きしめあいました(笑)。なので、彼は別の仕事と兼業です。“仕事をやめてくれ”とは言えないですからね」

現在は「前向き」になっている5人

 復活が決まってからの5人の関係はというと、

メンバー全員、めちゃくちゃ喜んでいて。毎日メンバーから電話がかかってくるんです(笑)。あんなことやりたいね、こんなことやりたいねっていう話をしています。特にキーボードの都は、頑張って病から復活した後の活動休止だったので、思いが特に強い。その気持ちは僕も痛いほどわかるんです。だから、MICHAELのMCでも言ったことなんですが、それぞれが“本当に幸せな人生を送れたな”って最後に言えるように。僕らも50歳なので、この先どのくらい生きられるかもわからないから(笑)。

 メンバー全員が悔いのない人生になるように、いろんなことがやりたかったらどんどんやらせてあげたいし、YoutubeやTiktokとか、今の時代に合ったようなことでも、もし僕らができることがあれば、ぜひやりたいと思っています!」

 再開にあたって“新曲”も作るのか?

「いやあ……。まずは、ファンを9年間待たせてしまっているので……。復活したいと僕が思ったのは、メンバーの気持ちも大事なんだけれど、まずは楽曲のこと。SOPHIAの楽曲を愛してくれた人たちが、楽曲とともに持っているそれぞれの思い出が色あせてしまうのが嫌で。だから復活しようって思ったんです。新しい曲もいいんだけど、まずはみんなの思い出の曲を伝えたいなと思っています」

左から都啓一、黒柳能生、松岡充、赤松芳朋、豊田和貴(SOPHIA公式HPより)

SOPHIAとしてのギャラはデビュー以来「等分」

 改めて所属事務所に問い合わせると、

「ケンカ別れなどの事実は、まったくありません。当時、発表させていただいたとおり、メンバーそれぞれがSOPHIAの音楽活動や、バンド自体に向き合うために、一旦活動を休止いたしました」(所属事務所、以下同)

 ギャラの格差については、

「松岡を含めSOPHIAメンバーのギャラはデビュー以来、等分です。松岡はSOPHIAの活動以外にも多岐にわたり活動を行っておりましたので、収入の差はもちろんあります」

 SOPHIAとしてのギャラは等分としても、ほかの活動を含めるとなると、メンバー間で差異が生まれてくる。そこに不満を感じていたメンバーがいたのだろうか。

 今の仕事を続けつつ、SOPHIAの活動を行うというベースの黒柳については、

“今の仕事にも責任があるから、それをしっかりとまっとうしつつ、SOPHIAの活動もやっていきたい”と話し合っています。復活ライブの後は、どう活動していくかは決めていませんので、今後もメンバーと話し合っていきたいと思います」

 SOPHIAの歌詞にある“花は枯れてまた咲く”。

 “SOPHIA”という花も、9年越しの武道館で再び満開の“ヒマワリ”として咲き誇るだろうか――。