「続編も映画化も夢として話していたので実現すると聞いたときはびっくりしたけど、うれしかったです。(夢は)言ってみるものだなと思いました」
小芝風花、心境の変化
主演連続ドラマ『妖怪シェアハウス』が、1年半ぶりに続編『妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-』(テレビ朝日系、毎週土曜夜11時~)となってスタートし、映画化も決まり6月に公開されることになった小芝風花(24)。
お岩さん(松本まりか)、酒呑童子(毎熊克哉)、座敷童子(池谷のぶえ)、ぬらりひょん(大倉孝二)と個性的な妖怪たちとの同居生活を描いた異色ホラーコメディーは評判に。
「面白いですねと声をかけていただくことが多かったです。妖怪さんたちが白目でテレパシーを送るのを親子でやっている動画を見て家族みんなで楽しんでいただける作品になっているのがうれしかったです。
私自身が妖怪さんたちのファンです。いろんな妖怪モノ作品があるけど、うちの妖怪さんたちがいちばんかわいいと思っています」
前作は、恋人に裏切られ仕事もなくして無一文のどん底にいた主人公の澪が妖怪たちと暮らすことに。
人目を気にして気弱な澪だったが自由な生き方の妖怪たちに感化されて小説家になる夢を見つけ、妖怪化した“妖怪ヒラキナオリ”としてシェアハウスを巣立っていくところで終わった。
続編では、独り立ちした澪だが現実は厳しく生活は困窮し小説も書けない状態になってシェアハウスに舞い戻ってくる。
「妖怪さんたちにまた会えるのがうれしかったです。不安もあったけどシェアハウスメンバーと本読みをしたときに詩子さん(座敷童子)の“むか~し、むか~し”と劇中アニメーションのナレーションを聞いたときに帰ってきたなと思いました」
見どころのひとつは人間界に紛れて暮らす妖怪たちが“闇落ち”して暴れだすところ。
「前作は人間にだまされ苦しめられた澪を妖怪さんたちがコテンパンにやっつけてくれました。今回は人間社会にもまれて本来の自分を忘れて闇落ちをした妖怪さんに澪が苦しめられます。“人間”“妖怪化”に“闇落ち”が加わったのがポイントです。
映画はドラマの収録が終わってからではなく、ドラマを見終わって熱が冷めないうちに届けられるようにドラマと並行して撮影しています。闇落ちした経緯が明らかになり澪の恋もあります」
涙を流すほど辛かった時期
自身が闇落ちした経験は?
「1年くらい前に1週間ほど笑えない時期がありました。仕事では笑えても家に帰ると(気分が)落ちちゃう。今振り返ると闇落ちだったと思います。原因は漠然とした不安だと思います。
主演の仕事をいただいたりして気づかないうちにプレッシャーがあったのかなと思います。そういう状態は初めてで、母に“病院に行く?”と言われたときに涙がポロポロと出てきました。
“何が悲しいのかつらいのかわからないけど、すごくしんどい”と言えたことで徐々に気持ちが晴れていきました。心配させたくないと内にこもっていたけど母に指摘されて感情を吐き出せたのがよかったのかなと思います」
本作をはじめドラマ『トクサツガガガ』や『美食探偵 明智五郎』でコメディエンヌとして女優の評価を高めた。
この1年は主演ドラマ『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』では物や植物の気持ちがわかる繊細な女性を演じ、ヒロイン役で主演した『彼女はキレイだった』ではラブストーリーに初挑戦し新境地を切り開いた。
「私を応援してくださる方は上の世代が多かったけど同年代や10代の女性に知っていただく機会が増えたので、作品を見てもらえる層が変わったのかなと思います。
初めてのラブストーリーでは、ほかの女優さんは10代でキュンキュン系の作品を演じていると思いますが私はまったく求められていなかった(笑)。
どうしたらキュンキュンしてもらえるのか模索して、恋愛モノと意識せずに役として素直に相手のことを思って演じたら自然と視聴者のみなさんに、ときめいてもらえるのがわかって収穫になりました」
「自分らしく生きていきたい」
4月16日に25歳の誕生日を迎える。
「今までは休みが続くとこのまま仕事がなかったらどうしようと不安になったけど、忙しいときは忙しいから暇なときは暇を楽しもうとオンとオフを切り替えるように心がけています。
人と比べられる職業ですが気にせずに自分らしく生きていきたいです。
作品を作っている瞬間が好き。今回も妖怪さんたちがパワーアップしてめちゃくちゃ楽しい作品になっていると思います」
闇落ちを乗り越え期待が膨らむ。
★収録は苦行?
シェアハウスメンバーだけでなく妖怪役には演技巧者がそろう。「新しく登場する妖怪さんもキャスティングがハマっていて、面白い方ばかりです。アドリブのあった本番では笑いをこらえるのに必死で苦行と思うくらいです(笑)」
★ギター続けています
前回の取材で母親の影響で甲斐バンドのファンであることや移動中の練習用にミニギターを購入したことを教えてくれた。「甲斐バンド以外の曲も楽譜を見ながら弾けるようになりました。(SNSなどで)発表することはないけど、役で弾く機会があったらいいなと思います」