村上信五、マツコ・デラックス

 4月18日に放送された『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)での演出をめぐって、またもやネット上で物議を醸している。

『月曜から夜ふかし』といえば、佐藤賢治がナレーションをするVTRを鑑賞しながら、関ジャニ∞の村上信五とマツコ・デラックスがスタジオでトークを繰り広げる人気番組。主にVTRに登場するのは全国各地の一般人で、時に個性が強い“素人”にクローズアップしては面白おかしく“イジる”番組でもある。

 そのためか、番組での演出方法が問題視されることも多々あった。週刊女性PRIMEでも2019年11月、【『月曜から夜ふかし』の“名物素人”が怒りの告発! スタッフから受けてきた「悪意の数々」】として、番組に出演した男性とスタッフの間に起きた、演出をめぐるトラブルを報じている。

「他にも番組ディレクターやスタッフによる、企業、また一般人への失礼な態度や取材方が目につき、ネット上で炎上することもしばしば。それが面白くさるためにワザと、つまりは“炎上狙いではないか”との指摘もなされるほどで、村上さんやマツコさんがV(TR)を見て、“やりすぎ”と苦言を呈することもありました」(ウェブニュース・ライター)

“埼玉愛”を作文にした少女が登場

 そんな『月曜から』が、またもザワつかせているというわけだ。

 この日の放送では「全国ご当地問題 埼玉編」として、“旧大宮市vs旧浦和市”などのご当地ネタを一般人の街頭インタビューと共に紹介。2019年に映画化されて大ヒットした『翔んで埼玉』も、かつて原作を『月曜から』が取り上げたことで火をつけた経緯がある。番組にとって、埼玉ネタは笑いを生む“鉄板”なのだろう。

 そしてコーナーを締めくくるべく、最後に登場したのが“埼玉愛に溢れる少女を発見”として紹介された11歳の少女

 なんでも、2021年9月に募集された【埼玉150周年記念小中学生未来予想コンクール】にて、「わたしが想像する未来の埼玉」をテーマに書いた作文が入賞。“異彩を放っていた”という少女の作文が番組スタッフの目に止まり、用意された舞台で朗読することに。

「自分の想像したことをそのまま書けたから、楽しく書けました」と、自身の作文への感想を純粋に語る少女。そしてお洒落した装いで、少々緊張した表情を浮かべながら【次の150年で】とのタイトルを読み上げたのだ。

【これは次の150年で実現するかもしれない未来の埼玉県の話です】との前置きから始まった作文。【まず人口が増加します】と読むと画面には、埼玉県の地図が映しだされて、《人口増加 ※最近は減り始めています》との番組が用意したテロップが表示された。以下、同様にーー、

【また、子育て支援に力を入れていくので 住みたい県 全国1位にもなります】ーー《住みたい都道府県全国1位 ※現在は15位
【人と会社が集まる事で交通も発展します 直通リニア運転の中心地に埼玉県がなります】ーー《リニア運転の中心地 ※現在計画はありません
【埼玉県の形がカレーパンに似ているという事から 埼玉カレーパンを作り売り出します】ーー《埼玉県はカレーパンに似ている

マツコも思わず爆笑するが

 この間にも、少女の朗読するたびにスタジオからの笑い声が乗せられ、ワイプに映った村上とマツコは何度も含み笑いを浮かべている。そして、

【最後に このように発展していった埼玉県は首都になります 埼玉都です】笑いを堪えながら「素晴らしい」と拍手する村上。思わず口を手で隠しながら爆笑するも、すぐに同調して「素晴らしい」を重ねるマツコ。

 最後に、賞状を手にしてはにかむ写真が映し出され、【明るく楽しい未来を想像しながら それに近づけるに一生懸命過ごしていこうと思います】と、一礼して大役を終えた少女。“どうか、その埼玉愛をこの先も持ち続けてください”とのナレーションで朗読企画を終えたのだった。

 スタジオに場面が移っても再度、【埼玉都です】のワードを話題にトークは続く。「わかりませんよ、150年後ですから。バカにできませんよ、本当に。子どもの直感とアイデアって」と村上がフォローすると、「でも、首都になりますかね?」と訝しがるマツコ。最後は「限りなく(可能性は)ゼロに近いと」と、2人で笑うのだった。

 番組放送後、少女の作文になされた演出をめぐってネット上では様々な意見が飛び交っている。

2022年4月から夜10時の放送になった『月曜から夜ふかし』(公式HPより)

“素晴らしい作文だった”“地元愛を感じた”といった作文自体を評価する声や、またスタッフとの打ち合わせ時に見せた彼女の礼儀正しさに感嘆する声も見受けられます。

 その一方で、“バカにしたように笑い声入れるの、すごい失礼”“埼玉をバカにするのはいいけど、小学生の作文で笑いの方向もっていったのは許せない”と、埼玉県を、ではなく、少女の作文をイジって笑いにするような番組側の演出を批判する意見が上がっているのも事実」(前出・ウェブニュース・ライター)

 確かに少女にしてみれば、“埼玉の150年後”を真剣に考えて、想像力を働かせてワクワクした気持ちで描いた未来であろう。また企画した主催者側にとっても、多くの応募作品の中から入選に値すると選出した作品だ。その背景を省みると、扱い方に全く問題がなかった、とは言えない気も……。

作文コンクール主催者の見解は

 少女の作品を評価した、“主催者”の埼玉県庁県民公聴課に経緯を聞いた。

「私どもが聞いていますのは○○さん(少女の名前)の作品を紹介したいということで、冒頭の“(コンクールの)募集要項を映像の背景として使わせてほしい”とのご依頼が(番組側から)あったので、それは“いいですよ”と許可しました。

 ○○さんご本人と、保護者に対して“了承を得ているのか”を聞きましたところ、“それは取れています。本人の取材は事前に取れています”ということはお伺いしていました

 では、まるで作文を否定するかのような、“イジる”ような演出は事前に承知していたのだろうか。

「いえ、ご本人には取材、了承は取れているとのことだったので、その先(番組内容や使われ方)に関してはこちらでは把握しておりませんでした。(演出に関しては)番組ですので、多少は面白おかしくする部分はあるのかなとは思うのですが……」(同・埼玉県庁県民公聴課)

 子どもが描く未来を、大人が笑いものにするのはいかがなものか。