2020年エランドール賞授賞式での橋本環奈('20年2月)

 4月19日、人気漫画『ゴールデンカムイ』(作者=野田サトル)の実写化が集英社公式サイトにて発表された。

人気漫画の実写化に「どうせ橋本環奈」の声

『ゴールデンカムイ』は明治末期、日露戦争終結直後の北海道を舞台とした、金塊をめぐるサバイバルバトル漫画。元陸軍兵で“不死身の杉元”の異名を持つ主人公・杉元佐一が、10代前半で天真爛漫な“アイヌの愛娘”ことアシリパ(※)と共に、埋蔵金を巡り様々な戦闘を繰り広げる。(※「リ」はアイヌ語で使用される小書き片仮名)

 累計部数は1800万部を突破しており、2018年4月にはテレビアニメ化もされている。熱狂的なファンが多い人気漫画のひとつである。

 それだけに、今回の実写化発表を受け、ネット上ではまだ未発表の制作陣や出演者を巡って様々な論争が起きている。

 杉元役には長瀬智也(43)、小栗旬(39)といった名前があがり、筋肉隆々の各キャラには鈴木亮平(39)を推す声が多い一方、ヒロイン・アシリパ役には橋本環奈(23)の名前が圧倒的に多く挙がった。

 しかし好意的というよりは、「どうせ橋本環奈だろ」という投げやりな批判が多く、まだ正式決定しているわけでもないのに『橋本環奈』がTwitterのトレンドに入ることに。

《金カムの実写化、杉元が細めのイケメン俳優、アシリパさんが橋本環奈で年齢が役者に合わせて年齢変更、銀魂と同じ変顔、寒いギャグ。原作にない恋愛描写。熊、狼はオールCG。最悪な想像しかできない》

《トレンドに「金カム実写化」ってあって、「えっ、そうなの?」と驚いてクリックしてみたら、
・実写化を嫌がる人
 ・心配してる人
・どうせヒロインは橋本環奈なんだろ
・福田監督だけは嫌だ
 しかなくてなかなか壮観だった。これだけ実写化が期待されてない人気漫画ってなかなかないよね。》

《ゴールデンカムイの実写化関連で橋本環奈がトレンドに上がっていて、えーマジかよー勘弁してくれよーと思って色々読んでみたら特にキャスティングが決まった風でもなかった。みんな橋本環奈にひどすぎると思う。僕も含めて》

 予想された橋本環奈の最近の活躍についてテレビ誌編集者はこう語る。

「たしかに橋本さんはこれまでに多くの実写化作品に出演してきました。『銀魂』、『斉木楠雄のΨ難』、『十二人の死にたい子どもたち』、『キングダム』、『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』、『今日から俺は!!劇場版』など枚挙にいとまがありません。

 今現在もジブリ映画の『千と千尋の神隠し』の舞台で主人公・千尋を演じています」

「橋本環奈の目」「北川景子の鼻」「石原さとみの口」を合体させた令和元年の“理想の顔” イラスト/コバノン

橋本環奈の漫画愛

 そんな橋本は『情熱大陸』(TBS系)の公式YouTubeで「漫画のキャラクターを演じることについて。」と題された動画で、こんなことを語っている。

「生半可な気持ちで“はい、やります”って言えない。もともと漫画が大好きなので。趣味として。だからあまり実写化とかして欲しくないです、普通に、私は」

 と漫画愛好家としての率直な気持ちを明かした上で、それでも制作するとなれば、

「大好きな原作だったら思い入れもあるし、絶対原作ファンから嫌がられないような、愛情を持って演じるっていうのが鉄則だなって思ってます。まず原作を知らない人がやっちゃいけないと思います、原作への敬意として」

 と原作やそのファンへ最大限の敬意を払っていることを実直に明かしながらも、真摯に仕事に取り組んでいることがわかる。

 Twitter上では、アシリパ役を橋本と決めつけ叩く原作ファンに対し、

《男性が多いこの作品で数少ない女性であるアシリパ役は、橋本環奈くらい名声がある女優じゃないと集客にならんでしょ。そもそも“ガチ”の変顔できる女優少なそう》

《橋本環奈さんは完全に可哀想だし、橋本環奈さんだったら許す自分もいる》

《金カム実写化反対の意見として「どうせアシリパさんは橋本環奈」という勝手すぎる謎の風潮、逆にいうとまだ発表もされてないのにトレンドに入るくらいみんな頭に浮かべたということで、それくらいピッタリだと認めてしまってるの、正直だなぁ、、と思う》

 と、橋本を推す声も多い。

 今回の発表で、先走って橋本バッシングする原作ファン、それに対し橋本を擁護するファン、と謎の構図が出来上がるほど大きな話題を集めた『ゴールデンカムイ』の実写化。

 しかし、単なる妄想をきっかけに橋本環奈や監督を叩く論調は少しいきすぎなのではないだろうか。まだキャストは発表されていないというのに。