牛丼チェーン大手の『吉野家』常務取締役による、“女性蔑視”発言の余波が続いている。
ことの発端は4月16日、当該人物が早稲田大学の講座に講師として登壇した際に、若い女性をターゲットにしたマーケティング論を展開したのだが、その中で「生娘をシャブ漬け戦略」として、
《田舎から出てきた右も左も分からない若い女の子を無垢・生娘なうちに牛丼中毒にする。男に高い飯を奢ってもらえるようになれば、絶対に(牛丼を)食べない》
との表現を用いて、女性を蔑視するような不適切発言をしたもので、これが報じられると常務、そして同社への批判が殺到。すると4月18日、吉野家は《人権・ジェンダー問題の観点から到底許容することの出来ない職務上著しく不適任な言動があった》として、すぐさま常務を解任する措置をとったのだ。
一連の騒動に、『めざまし8』(フジテレビ系)司会で「吉野家ファン」だという谷原章介は、4月19日の放送で《吉野家のお客さんのことも軽視している》として、ハンバーガー店の例えを出して、
《子どもの頃から(食べてもらって)味を覚えてもらい、大人になってもファンになってもらおうと。発言してることはそれと一緒なんだと思うんです。ただちょっと表現があまりに稚拙》と断罪。
同番組に出演する国際政治学者の三浦瑠麗氏も、自身のツイッターで《食べたことがないから知らないけど》と皮肉を交えつつ、《比喩をつかおうとすると馬鹿なたとえしかたいてい出てこないので、語彙力のない人は比喩を使わないように》と、発言する際の注意を促した。
「シャブ漬けになった俺の感想」
一方で、常務に対して《誇りを持って下さい》と、独特な持論を展開したのが俳優の高知東生だ。4月18日に更新したツイッターで、《田舎から出てきて右も左もわかんないうちにシャブ漬けになった俺の感想。》と前置きすると、
《田舎にも美味いものは沢山ある。それに牛丼もあったし昔から大好きだ。芸能人として一線にいた時に彼女を牛丼に誘ったら、高いものを奢られなれてる女性も美味しいと言ったよ。常務さん牛丼美味しいです。誇りを持って下さい》
このツイートに、3500件を超えるリツイート数、そして1.7万回のいいねがついて“バズった”のだ。2016年6月に薬物所持の容疑で逮捕され、懲役2年執行猶予4年の判決を受け、同年8月には高島礼子とも離婚した高知。
そんな“シャブ漬け”を実体験した、彼ならではの持論だけに「“説得力ある”との声も見受けられますが」と苦笑いするのは、芸能プロダクションマネージャー。
「高島さんとの結婚前、“初デートの際にトップ女優の彼女を牛丼店に連れて行った”という逸話がありますから、そのことをツイートしたのかもしれませんね。中毒にさせる必要がないほどに“吉野家の牛丼は美味しい”という思いから、自社の商品に“誇りを持って下さい”としたのでしょう。
ただ、問題発言の本質はやはり、“女性をシャブ漬け”といった差別的・反社会的ともとれる表現がマズかったわけで、高知さんの意見は“論点が違う”“ズレてる”との指摘も(苦笑)」
薬物事件に即座に反応する高知
4月14日にも、「ねこくん!」の名称で活動するユーチューバーが薬物所持で逮捕された際に、「かっこつけたかった」という動機に対して、《俺も大都会東京で見るもの聞くものすべてがまぶしくて、ホストで金掴んで田舎者と思われたくなくて背伸びした》と、ツイッターで理解を示していた高知。
その後も《他人事と思えない。よかったら相談にのらせて欲しい。自分の回復のためにも》と、容疑者の更生の手助けを名乗り出ていたのだった。
「執行猶予が明けた身とは言え、まだまだ薬物への不安があるだけに反応してしまうのでしょう。現在も俳優業を再開させた傍らで、『依存症予防教育アドバイザー』の資格も取得して講演活動も行っている高知さん。
今回は少々論点がズレた面もあったのかもしれませんが、常務が軽々しく用いた“中毒”という言葉に、世間に依存症をもっと知ってほしい、理解を深めてほしい思いもあったのだと思います」(前出・マネージャー)
自身のためにも発信を続けているということか。