《騒動が大きくなるにつれ、無関係の方の家にまでマスコミが訪れ、ご迷惑をかけました。事実と異なる情報も錯綜しています。もちろん、墓場まで持っていくつもりだったこともたくさんありますが》
4月21日に発売された『週刊文春』でロングインタビューに応じた市川海老蔵。
'17年に亡くなった妻の小林麻央さんの姉である小林麻耶との確執など、彼に寄せられる疑惑について見解を述べた。
「麻耶さんは今年3月から、YouTubeやブログの中で、乳がんの治療中だった麻央さんの病室で海老蔵さんが競馬を楽しんでいたことをはじめとした不誠実な言動の数々を告発。同時期に週刊誌で海老蔵さんがSNSを通して女性をナンパしていたことや、黒ずくめの呪術師に心酔していることも報道されました。ここ1か月の海老蔵さんはスキャンダル続きでしたね」(スポーツ紙記者)
「今年、團十郎が誕生しそうだ」
海老蔵は麻耶に対して反省の弁を述べながらも、病室で競馬に興じていたことは深刻な空気を紛らわすためで悪意がないことだったと釈明。関係改善を望んでいたが……。
「文春の記事を読んだ麻耶さんはブログで“謝罪はしてもらっていません”とさらにヒートアップしています。この騒動はまだまだ長引くと思います」(同・スポーツ紙記者)
歌舞伎の基礎を確立させた初代・市川團十郎の名跡を継ぐ海老蔵に降りかかる醜聞の嵐。この騒動の最中、彼が抱えているもう1つの大きな問題にも動きがあった。
「4月8日に尾上菊五郎さんが囲み取材中に“今年、團十郎が誕生しそうだ”と漏らしたんです。本来であれば'20年5月に“團十郎襲名披露公演”を行うはずでしたが、同年に流行した新型コロナウイルスの影響で延期してから現在に至るまで再開の目処は立っていません。待望の襲名情報ですが、現在の海老蔵さんはトラブル続きで、とてもお祝いムードではありませんね」(歌舞伎関係者)
先代・先々代と、伝統的に團十郎の襲名披露は5月に行われている。
「菊五郎さんが語ったように年内に行うとしたら“顔見世大歌舞伎”という、豪華な顔合わせが行われる11月ではないでしょうか。大きな名跡の襲名披露は3か月連続で行いますので11月を中心に、10月から12月にかけて行われるのが濃厚だと思います」(同・歌舞伎関係者)
現実味を帯びだした襲名の気運。しかし彼は周囲に“ある計画”を語っているという。
大御所との稽古、古典歌舞伎は「やりたくない」
「海老蔵さんは以前から松竹を離れ“海老蔵歌舞伎”とも呼ばれる自主公演だけを行っていきたいという気持ちがありました。最近のトラブル続きの状況で、その気持ちがさらに強まっているんです」(海老蔵の知人)
ここ数年の海老蔵は歌舞伎のホームグラウンドである歌舞伎座での公演を避け、自主公演を中心に活動するなど松竹と距離を取り続けている。
「逆に海老蔵さんと親密な関係を築いているのは、先日『女性セブン』で親密な関係だと報道された“黒い呪術師”。気功術で海老蔵さんに“エネルギー”を注入し続けるため、仕事先からプライベートまでつきっきり。そのうえ彼は海老蔵さんの考えや行いを全肯定するので信頼されているんです」(同・海老蔵の知人)
実際のところ、今の歌舞伎界には不満も多いようだ。
「海老蔵さんは大御所との稽古も古典歌舞伎もやりたくないんですよ。'15年に『熊谷陣屋』という古典歌舞伎を演じるため、中村吉右衛門さんに指導を受けたことがありましたが、基礎ができていなかった彼は大勢の前で1時間近く説教されたことがありました」(歌舞伎役者)
『熊谷陣屋』は無事上演されたが、失望した吉右衛門さんがその後、海老蔵を指導することはなかったという。
「松本白鸚さんや片岡仁左衛門さんといった大御所も海老蔵さんの指導に当たりましたが、いずれも1回きりでさじを投げています。先人の芸を継承する気持ちが薄い海老蔵さんにとって、松竹で歌舞伎を続けるのは窮屈でしかありませんからね。ファンに向けて創作歌舞伎を上演するほうが、実入りも多いと踏んでいるのでしょう」(同・歌舞伎役者)
彼にとっては、伝統よりも重要なものがあるようだ。
「もともと“唯我独尊”なところがありましたが、スキャンダルが続き徐々に周囲が距離を置き始めています。そのため、これまで以上に呪術師のアドバイスに傾倒しているようです。“俺は悪くない”という思想がさらに加速していそうで心配ですね」(前出・海老蔵の知人)
松竹と歌舞伎役者の“関係性”
歌舞伎の興行を事実上独占している松竹から離れることで、その後の活動に支障は出ないのだろうか。歌舞伎評論家の中村達史氏に話を聞くと、
「歌舞伎は総合芸術。舞台や衣装、大道具などが高水準で交わって成立しています。もし、海老蔵さんが松竹を挟まず自由に歌舞伎興行を行ったとしても、あまりうまくいくとは思えません。海老蔵さんのファンに向けた舞台ならば、いいかもしれませんが」
リスクの大きい松竹離脱という選択だが、現実に起こりうるのだろうか。
「歌舞伎の基礎を作ったとされる團十郎の襲名披露公演は松竹の威信をかけた興行。全力で引き止めるでしょうから、襲名前に海老蔵さんが松竹を離れることは考えにくい。ただ最近の彼の活動からは、松竹と一定の距離を置いているように見えるのも事実。“傾奇者”として、周囲を驚かすような決断をくだす可能性はゼロではないかもしれません」(中村氏)
松竹に海老蔵の襲名披露の日程について問い合わせると、
「現時点で公表できることはございません。コロナ禍が収束に向かえば、改めて襲名の時期を検討することは従来からの方針です」
海老蔵が松竹から離脱するのではないかという噂については、
「弊社は各歌舞伎俳優の方々とは公演ごとに出演契約をいたしており“専属契約”は締結しておりません。海老蔵さんは、昨今は自主公演などにも精力的に取り組まれています。弊社としましてもできる限りの舞台製作のサポートをさせていただいておりますし、一昨年から今年にかけての松竹製作公演にも数多くご出演いただいております」
と、あくまで松竹と歌舞伎役者は自由で協力的な関係ということに触れるのみだった。
松竹の回答は海老蔵への信頼の証か。それとも─。