国民的グループ・SMAPが解散してから丸5年が経過した――。
伝説的人気番組『SMAP×SMAP』の裏側
稲垣吾郎(48)、草なぎ剛(47)、香取慎吾(45)はジャニーズ事務所を退所して新しい地図として活動を続けている。
中居正広(49)も2020年3月末をもって事務所を退所し、個人事務所「のんびりなかい」を設立。退所後もジャニーズとは良好な関係を保っている。
ジャニーズ事務所に唯一残留している木村拓哉(49)は、主演ドラマ『未来への10カウント』(テレビ朝日系)が好評を博しており、“キムタク人気”はいまだに健在だ。
「SMAP解散騒動が取り沙汰された際、関係者やファンの間で大きな波紋を広げたのが『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)での“公開謝罪”でしたよね。あの裏側と、『スマスマ』ラストの1年、そして最終回について、構成作家陣の中心にいた鈴木おさむ氏(49)が語ったんです」(女性誌編集者)
鈴木氏は、フリーディレクターの三谷三四郎氏による人気YouTubeチャンネル『街録ch~あなたの人生、教えてください~』が4月19日までにアップした動画に出演。自身のキャリアや『スマスマ』について赤裸々に語った。
『スマスマ』が終わると知らされたときについて鈴木氏は、「番組が終わるっていうよりかは、あれは解散。『SMAP×SMAP』が終わるというよりも、SMAPの解散が先に立ってたじゃない」とし「だから『スマスマ』が終わるというよりも、SMAPが解散するっていうのが(2016年)8月に発表になって、当然、解散したら番組はなくなるだろうって思うわけじゃん」と振り返った。
2016年1月、番組内で5人のメンバーが解散騒動を謝罪したことに対しては「番組が終わる終わらないよりも、あの年の1月に5人で謝罪するみたいな放送があったじゃない? あれを放送してしまったというか。自分が構成のトップに立って、あの日の悔しさっていうか。俺、あの日の夜、飲みに行ったんだけど、悔しすぎて、1人で」と後悔の念を口にした。
緊急生放送の『スマスマ』で語られたこと
2016年1月18日、緊急生放送で届けられた『スマスマ』では、リーダーの中居に代わり、中心に立った木村が「先週から我々SMAPのことで、世間をお騒がせしました。そしてたくさんの方々に、たくさんのご心配とご迷惑をお掛けしました」と切り出す。
そして「このままの状態だと、SMAPが空中分解になりかねない状況だと思いましたので、今日は5人が顔をしっかり揃えて皆さんに報告することが何よりも大切だと思いましたので、本当に勝手だったんですが、このような時間をいただきました」と説明。
稲垣は「このたびは僕たちのことで、お騒がせしてしまったことを、申し訳なく思っております」と、香取も「本当にたくさんの方々に心配をかけてしまい、そして、不安にさせてしまい、本当に申し訳ございませんでした」と謝罪。
中居も「今回の件で、SMAPがどれだけみなさんに支えていただいているのかということを、あらためて強く感じました。本当に申し訳ございませんでした。これからもよろしくお願いいたします」と述べた。
草なぎは「みなさんの言葉で気づいたこともたくさんありました。本当に感謝しています。今回、ジャニーさんに謝る機会を木村くんが作ってくれて、今、僕らはここに立てています。5人でここに集まれたことを安心しています」と木村とジャニー喜多川氏にも言及。
最後に木村が「これから自分たちは何があっても、前を見て、ただ前を見て進みたいと思いますので、みなさんよろしくお願いいたします」と前向きに語り、これを日本中が固唾をのんで視聴した。
「ファンに向けてでもありましたが、4人のメンバーが木村さんにも謝罪するような構図にも当時は見えました」(前出の女性誌編集者)
衝撃の謝罪放送は世帯視聴率30%というとんでもない記録をたたき出した。普段は番組プロデューサーと視聴率についてああだこうだ言うことが当たり前になっていたという鈴木氏だが、あの謝罪放送の翌日は鈴木氏もプロデューサーも特に言葉を交わさなかったという。
『街録ch』のインタビューで、鈴木氏は「もう視聴率なんか……何だったら“(番組を)見るな”って思ってるから」と当時の心境を吐露。さらに「あの日の放送である意味終わってるのかなっていう」と漏らした。
“謝罪放送”から約1年『スマスマ』は続き、2016年12月26日に番組は最終回を迎える。
新たに収録したのは5人で歌った『世界に一つだけの花』
最終回の4時間の特番のほとんどが過去のVTRの再放送で、新たに収録したのはメンバー5人で歌った『世界に一つだけの花』だったと鈴木氏は振り返った。
そんな中にあっても、鈴木氏は生放送のパートを設けようと提案。生放送で視聴者からFAXを募り、フジテレビの西山喜久恵アナウンサー(52)が読み上げるという番組構成となった。
しかし、その内容に「ツイッター見てたら“何だよこれ”って。“アナウンサーしかいないところにFAX募集して”って怒りの声がすごいあったんだけど」と苦情が殺到したという。
なぜ番組はそのような構成になったのか――。鈴木氏は「俺の中では最後に0.001%ぐらいの奇跡を信じてて。“誰か来ねえかな”って思ってたの」と、SMAPの誰かが最終回の生放送に現れてほしいと願っていたと当時を振り返った。
「絶対ないんだけど、『世界に一つだけの花』歌って終わったのは分かってたけど」としつつも、「SMAPと番組作るときって面白いのは、1%の奇跡を信じるんだよね。普通だとなかなかありえないけど1%の奇跡とか……勝負強かったりするじゃないSMAPって。普通の人だと1%の奇跡の成分も入れないできっちり作るのが普通なんだけど」と語った。
さらに『スマスマ』について、「もちろん続いてたらって思うこともあるけど。体力的にもしんどくなってくるし、もう1個言うと、番組の視聴率っていうのは下がってたし。今、もし続いてたとしたら、もしかしたらああいう終わり方じゃなくて普通に打ち切りになって終わってたかもしれない」と冷静に分析。
再集結が待望され続けるSMAP
また、「俺にとってはあの終わり方っていうのは(中略)逆にロマンがあるみたいな。“もしかしたら”みたいなことも、番組じゃなくてね、グループにとっても」と、ああいった終わり方になったからこそ、SMAP再集結もありえると思わせるのではと表現した。
「SMAPや『スマスマ』に携わっていた主要な関係者が、あの謝罪放送を含め、最終回までの1年間を公で語ることは今までなかったのではないでしょうか。特に鈴木氏は番組制作の中心にいた人物ですからね。その鈴木氏があの謝罪放送を“悔しかった”と当時の心境を明かしたんです。
制作のトップにいた鈴木氏であってもあの“公開処刑”とも言われた謝罪放送を止めることはできなかった、反対することができなかったということですよね。やはり、さまざま報じられているように、ジャニーズの上層部からあの場で、世間と木村さんに謝罪するように指示があったということではないでしょうか。当然、“SMAPの独立”、ジャニーズ退所を画策した4人が、それを良しとせずに止めた木村さんに謝る、という意味合いですよね。
鈴木氏は『街録ch』のインタビューで“誰が悪い”といったことは一切言っていませんが、あの謝罪を放送すること自体、テレビマンとして悔しく忸怩たる思いがあったのでしょうね」(前出の女性誌編集者)
動画の視聴者からは「現場のスタッフは納得せずに公開処刑が流れたことに心を痛めます」「解散や番組打ち切りはどんな時も悲しむ人はいるとは思う。でも大勢の人が傷つき悲しむ解散や番組終了は無かったと思います」といったコメントが寄せられている。
また、「SMAP大好きで辛かったから、おさむさんの話を聞いて、スッと腹落ちしたし涙出ました。おさむさん、話をしてくれてありがとうございました」「大好きなSMAPが何故あの終わり方だったのか でも苦悩を乗り越えた先のおさむさんのお話しが感動」と、当時のことを語ってくれた鈴木氏に感謝する視聴者も少なくない。
「解散から5年が経った今も再集結が待望され続け、あの解散をなかったことにしたいと思わせる――そんなグループはたしかに後にも先にもSMAPしかいないのかもしれません。
グル-プの大きなターニングポイントとなった謝罪放送、そして『スマスマ』のラスト1年と、なぜ生放送なのかという謎もあった最終回の裏側を鈴木氏の口から聞ける『街録ch』のインタビューは、あらためてSMAPファンに波紋を広げています」(前出の女性誌編集者)
解散から5年が経ち、鈴木氏のようにSMAPに近い関係者からの“真実”に迫る証言が、今後は徐々に出てくるのかもしれない――。