「地上波で連続ドラマの主演は初めて。ワクワクと不安の両方があります。でもどの作品をやるにあたっても、そのふたつの思いはあるので。“主演だから”とはあまり考えず、まっすぐ、100%で向かおうと臨みました」
4月に新設されたNHKの帯ドラマ“夜ドラ”。2作目となる『カナカナ』がスタートする。原作漫画は『今日から俺は!!』で知られる西森博之。
父性が芽生えた眞栄田郷敦
眞栄田郷敦が演じるのは強面だけど心根はまっすぐ、元ヤンキーで現在は居酒屋店主・マサ。ある日、佳奈花(カナ=加藤柚凪)という5歳の少女に助けを求められる。他人の心を読める不思議な能力を持つカナは、叔父からギャンブルに利用されていた。おびえる姿を見たマサは、カナを連れて逃げることに……!
「カナとはけっこう仲よくなって。普段も自然と“マサ”“カナ”と呼び合うようになりました。本当にたわいないことですけど、けっこう何でも話します。一緒に遊んだりもしますし。お手紙や折り紙、似顔絵とかもよくくれるので、なんか本当に父親になったような気分ですね(笑)」
マサは父親的存在として、カナが閉ざしていた心に温かな光を注いでいくが、リアルな関係性が築けていると自信をのぞかせる。
「マサは父親というより、先輩のテイストではあるんですが、カナと接していると“神々しいな”“子どもっていいな”と思いますね。かなり父性本能を刺激されています(笑)」
いつかは父親になりたい気持ちも?
「ありますね。カナみたいな子が欲しいですよ、本当に。親御さんに“どうしたらこんな子が育つんですか?”と育て方を聞きたいくらい(笑)。理想は“父親と子ども”というよりは、マサとカナのような対等というか、先輩のような関係性ですね。男の子だったら、バディみたいな感じとか。僕の友人を見ていても、関係性が近い親子はすごくすてきだなと思うので」
Tシャツのサイズがどんどんピチピチに
マサはかつて、不良100人を相手にケンカで勝った伝説を持つ。眞栄田によるアクションシーンも見どころのひとつ。
「大がかりなワイヤーアクションや、雨の中で大人数でのアクションもあって。ハートフルコメディーではあるんですけど、アクションシーンも印象的だと思います」
では撮影に備えて、トレーニングなども?
「普段、あまり身体を大きくしてはいけない役をやるときは筋トレを控えてるんですけど、マサは強いし、多少身体が大きくても違和感はないのかなと思い、遠慮なく筋トレをさせていただいてます(笑)。Tシャツのサイズがどんどんピチピチになっていくから、衣装さんにけっこう怒られます(笑)」
人を頼り切れなかったカナと、常にふざけているのかまじめなのかわからないマサ。互いに信頼し合っていく展開にはぐっとくると語る。
「1話15分だけなので構えずに、本当に気軽に見てもらえたら。1週見てもらえたら、コメディーとハートフルのギャップに引き込まれていくと思うので。だから、15分だけ僕にください!」
Qもし、他人の心が読めたら……?
カナのように人の心が読める能力がもしあったら?
「カナが陥っている状況と同じようになると思います。なかなか人を信用し切れないだろうし、割り切ることも難しいだろうし。だからこそ、カナにとってマサのような存在は救いだと思います」
その能力を魅力的だとは思わない?
「うーん。切り替えられたらいいですよね。ある瞬間には“本当はどう思っているんだろう?”と知りたいときも、もちろんありますけど。ただ、カナのように全部聞こえちゃうのは嫌だな(笑)。自分で都合よくスイッチを切り替えられるなら、ちょっといい能力だなと思います(笑)」
夜ドラ『カナカナ』
毎週月~木曜夜10時45分~11時(全28回/NHK総合)
スタイリング/MASAYA(ADDICT_CASE)
衣装協力/DIESEL