4月29日、ジャニーズ事務所の公式サイトとファンクラブで、関ジャニ∞の大倉忠義が活動を一定期間、休止することが発表された。
「“右低音障害型難聴”と“両側耳鳴り”を患っており、1年半ほど前から出ていた症状が、今年4月に悪化。事務所やメンバーとの話し合いを経て、7月16日から始まるデビュー18周年記念の大規模ライブ『18祭』に万全の状態で臨むため、休養を決めたそうです。ファンクラブ向けの発表では、ストレスが原因であることも明かしています」(スポーツ紙記者)
大倉の症状について、星槎大学大学院教授で、横浜クリニックなどで心療内科、精神科の診療をしている内田千代子先生に聞いた。
「ストレスが関与して起こる身体の症状を心身症と言います。いろんな症状がありますが、難聴や胃潰瘍、高血圧、円形脱毛症や喘息なども心身症の場合があるといわれています。大倉さんの“低音障害型難聴”は若い人に多く、あるとき突然起こります。一般的な会話程度は聞こえますが、低い音が聞こえづらく、片耳だけに起こることが多いようです。詰まったような感じや、耳鳴り、めまいも伴います」
突然症状が出ることも
関ジャニでバンドとして演奏する際、ドラムを担当している大倉には、低音が聞こえないことは大きな影響があるだろう。
内田先生によると、症状があればとにかく早く病院に行くことが重要だという。
「集中して何かに打ち込み、自分ではストレスがたまっていると思っていないのに、症状が突然出ることがあります。そこから病院に行き、自身を振り返ることで、実はストレスの要因があって、これまで無理していたと気がつくこともありますから」(内田先生)
大倉以外にも、近年はメンタルの不調から休養するジャニーズが相次いでいる。
「Sexy Zoneのマリウス葉さんは、'20年12月から活動を休止しています。何事にも真摯に取り組む姿勢が過度のプレッシャーとなり、心身のバランスを崩してしまったことも理由の1つです。Hey! Say! JUMPの八乙女光さんは、昨年12月に“突発性難聴”と診断され、今年1月から活動を休止しています。グループが15周年を迎える11月の復帰を目指しているそうです」(前出・スポーツ紙記者)
愚痴をこぼす感覚で誹謗中傷する者も
そして、復帰を果たしたメンバーもいる。
「Sexy Zoneの松島聡さんは“突発性パニック障害”で'18年11月末から活動を休止し、'20年8月に活動を再開。現在は舞台で主演を務めるなど、精力的に活動しています。また、KinKi Kidsの堂本剛さんも'03年に“パニック障害”で闘病中であることを明かし、'17年6月には“突発性難聴”で入院していました。現在も完治はしていませんが、症状を抱えながらも活動しています。同じ“突発性難聴”を発症した八乙女さんには、昨年末のコンサートで共演した際に、2時間ほどかけてじっくりアドバイスをしたそうです」(同・スポーツ紙記者)
『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)の著書があり、ジャニーズ事情に詳しい霜田明寛さんは、ジャニーズアイドルのメンタル不調が相次いでいる理由をこう推察する。
「ファンの気持ちに敏感に気がついて、周囲の状況や考えを酌み取れるタレントが、ジャニーズには多いと思います。そこが、メンタル不調に陥ってしまう人の特徴と近いのではないでしょうか。ファンの気持ちをわかろうとすることと、ネガティブな意見を気にしすぎてしまうことは表裏一体ですよね」
他方では、こんな指摘もある。
「SNSが当たり前の世の中になり、その分、誹謗中傷やアンチコメントがダイレクトに届き、メンタル不調に陥りやすいのではないでしょうか。SNSのアカウントを持っていなくても、エゴサーチをすれば、どうしてもマイナスの声も目に入ってしまいますから。もちろんこれは、ジャニーズに限った話ではないですが……」(芸能プロ関係者)
実際、大倉は昨年9月に個人Twitterを開設しており、辛辣なリプライが寄せられることがあった。
「昔は、そういった誹謗中傷を伝えるにも、手紙しかなかった。よくも悪くも、わざわざ手紙を書いてまでそれを伝える人には熱量があったと思うのですが、今は愚痴をこぼす感覚で気軽に書き込むことができます。ジャニーズの場合は、ファンと会話をするというよりは“発信”に重きを置いてSNSをやっている印象があるので、ほかのタレントに比べれば、誹謗中傷のリスクは少ないように感じますが、昔に比べると大変な状況だと考えられます」(霜田さん、以下同)
では、SNS解禁の流れも止まってしまうのか。
「そこは難しいところですよね。少なくともこの2、3年はYouTubeやインスタグラムを始めるタレントが増えているので、広がっていく流れだと思っていました。しかし、大倉くんがこうなってしまった原因の1つがもしもSNSにあるなら、慎重になる可能性もゼロではないのでしょうか」
「ファンに追いかけられて限界」の重み
このように、毒のある言葉を目にしやすい状況でありながらも、彼らはカメラの前では笑顔であり続けた。
「立川志らくさんがTBS系の『ひるおび!』で大倉くんのことを“気軽なやつだと思ってた”と言っていました。しかし、明るく見せるのがアイドル稼業なので、そう見えるように頑張っているだけ。
'18年11月に大倉くんは有料ブログ内で“ファンに追いかけられて限界”と書いてましたが、そういったつらさはテレビで見せるものではないという共通の矜持が、彼らの中にあるのだと思います」
“ジャニーズ”としての矜持はそれだけではない。
「大倉くんはデビュー18周年のスタジアムライブがあり、そこに万全の状態で挑むために休むと発表していました。活動休止期間で調子を整えていくと思いますが、やはりファンと直接会える周年ライブを非常に大事にしているということが伝わってきました」
八乙女もデビュー15周年の日での復帰を目指しており、それもファンを思ってのことだろう。また、メンバーとも思い合っていて……。
「ほかのメンバーが活動しているおかげで、戻れる場所があるというのは強みですよね。残されたメンバーたちも“居場所を守る”といった発言を積極的にしているように感じます」
休養はつらいばかりではなく、ファンへの“まだまだ終わらないから”というメッセージなのかも!