「今年の懸賞は、現金や電子マネーなどの賞品が増えるといわれていますよ」
と話すのは懸賞生活でマンションまで手に入れた、ガバちゃんこと長場典子さん(以下同)。総額4300万円分を懸賞で稼いだレジェンドだ。
「コロナ禍の影響で、オンラインをからめた賞品も増えています。オンライン旅行やセミナーですが、ちゃんと現物のお土産もついてきますよ」
欲しいものは買わない懸賞で手に入れる!
家計を助け、おうち時間を充実させる商品がめじろ押しなのだ。それらを逃さずゲットするワザを教えてほしい!
「最近はアンケートに答えるだけなどのネット応募も多く、差別化しにくい状況。なので1つの懸賞に執着せず、幅広く応募することがポイント。実は懸賞達人でも、1つの懸賞には1口のみ応募という人が多いんですよ」
ハガキも1枚だけ送るなら、できるだけ派手にデコって目立たせるのが有利?
「派手さよりも、読みやすく、そして抽選する側に寄り添う気持ちで書くことが大事」
懸賞を知り尽くすガバちゃんと、月100万円以上稼ぐ達人主婦の必勝法を参考に、「欲しいものは懸賞で」がっちりゲットしよう! それでは、懸賞レジェンドたちのテクニックをどうぞ。
やっぱり王道!ハガキのコメント&デコワザ
ライバルに差をつけるテクニックで当選を引き寄せる!
懸賞レジェンド ガバちゃん作
文字に強弱をつけて見やすく
希望賞品、必要事項、コメントと、内容ごとに文字の大きさを変えて、メリハリ感のある見た目に。抽選する人が読みやすいように配慮する。
顔や吹き出しで目を引きつける
「文字の羅列だけだと読みにくいので、コメントは短く、吹き出しに入れてパッと目に入るよう配慮します」。顔のあるものに人の目は引きつけられるので、顔のついたイラストもおすすめ。
「待っています」という謙虚な姿勢で
当選したいのはライバルも一緒。「絶対当てて」などのコメントは押しつけがましい印象を与えるので、控えめなくらいの表現が正解。
懸賞レジェンド主婦1 めぐめぐ。さん作
デコりすぎず3割まで
めぐめぐ。さんは必要事項5:デコ3:コメント2の割合で構成。「デコは必要事項を邪魔しない程度に抑えて読みやすさを重視します」
短いコメントで商品を褒める
単に懸賞賞品が目当てというより、その商品のファンであることを強調して差別化を。その商品にまつわる思い出などがあればよりグッド。
商品や企業を連想させるイラスト
「懸賞賞品がハムだったので、原料である豚が当選レターを待っているイラストを」。見てほっこりし、クスッと笑えて好印象。
喜ぶ家族がいることをさりげなく
家族で楽しみにしている様子が伝わり、主催者との距離が縮まる。子どもの写真を貼って、そこから吹き出しでコメントを書いても。
懸賞レジェンド主婦2 さとがわさん作
希望商品を目立たせる
「賞品の選択がある場合は忘れずに書くのが鉄則」。抽選する人がひと目でわかるよう、アイキャッチとなる絵を添えたり線で囲んで。
ギャグコメントでインパクト大!
「ホットシリアル」と「ホッとしたい」のダジャレで、ありきたりなコメントとは一線を画す。器のイラストの中に必要事項を書くレイアウトも、シャレが利いていて秀逸。
バーコードやレシートはしっかり貼る
「ノリで貼っただけでは郵送途中で剥がれる可能性大!」。四隅をセロハンテープで貼ったり、透明のガムテープでおおうように貼ると安心。
懸賞レジェンド主婦3 わこさん作
賞品の指定も謙譲語で
「適当に書いたハガキよりも丁寧に書いたほうが当選しやすい」という実体験から、言葉選びもより丁寧に。企業側から見ても印象よし。
お祝いや褒め言葉で心象アップ
主催者の心に刺さるコメントを。「企業HPを確認してほかの人が気づかない点を見つけ、褒めたり意見を述べて本気の愛を伝えます」
デコるなら賞品をイメージ
関連性のない絵柄にするより、賞品にちなんだ写真やイラストを添えよう。「当選を心待ちにしている」という思いがより伝わるのでベター。
懸賞レジェンド主婦3 わこさん作
文字は黒一色で読みやすく
写真などでデコっているので、文字まで多色使いにすると逆に読みにくい。内容がパッと目に入らず、多数あるハガキの中で埋もれてしまう。
賞品について調べてコメント
「賞品が箱根の宿泊券だったので、箱根エリアや宿の魅力について事前に調べ、当選したら具体的にやりたいことを記入」。熱量の高いコメントに。
絵文字で楽しみな気持ちをアピール
絵文字を添えることで柔らかい印象に。「コメントは『病気がちで楽しみがない』『ひとり暮らしでさみしい』などネガティブなものより、明るく前向きな内容にしています」
コラージュは写真で目を引く
フリーペーパーやチラシなどをとっておき、よい写真があれば切り抜いて活用。食材、家電、季節感のある写真は事前に切りためておくと便利。
懸賞レジェンド主婦1 めぐめぐ。さん作
季節感を意識してデコる
「応募が桜の季節だったら、さりげなく桜のシールやマスキングテープを貼って季節感を演出します」。見ているほうの気持ちも和ませる効果が。派手=当選ではないので、インパクトより好感度を重視してデコろう。
「当ててください」「欲しい」は書かない
賞品を要求しているだけだと欲張りな印象になってしまうので、具体的なコメントで差別化を。「自分のSNSで紹介させてほしいなど、『商品をPRしてくれそう』と思わせるひと言も効果的です」
マステで囲んで視線を中央に
上下にマスキングテープを貼ることで、中心が強調され文字が読みやすくなる。ただし剥がれやすいマステもあるので、粘着力の高いものを。
懸賞レジェンド主婦2 さとがわさん作
企業のキャラクターを登場させる
「商品や企業のキャラクターは担当者にとって思い入れが強いはず」。ネットで調べるなどしてイラストにすれば、ぐっと差がつく内容に。
当たったらどう活かすか具体的に
「こんなふうに楽しみたい」と具体的に表現することで、当選を心待ちにしている様子がより明確に伝わる。「うちの賞品を有効活用してくれそう」と思わせたら勝ち!
イラストでコメントを目立たせる
コーヒーカップに注いだミルク部分を記入欄にするというユニークなデザインが目を引く。商品をフィーチャーしたデザインやイラストはポイントが高く、選ばれる1枚に。
ガバちゃんが教える専用応募はがきの書き方
宛先は御中に書き換える
「宛先の『〜行』を『御中』に書き換えたり、自分への敬称を斜線で消すことは、小さくてもほかのハガキと差をつけるポイントです」。このひと手間をしていないハガキとどちらかを選ぶとなったら、より丁寧な印象のほうが有利になる。
フリガナや郵便番号までもれなく
「応募要項はすべて書いたか必ずチェック!」。フリガナや郵便番号は忘れがちなので要注意。読みやすい丁寧な字で書き、デコやコメントは加えなくてOK。
3人で総額4200万円超え! 懸賞レジェンド主婦
当選総額2200万円の強者
月に100件以上当てまくる懸賞界の新星。応募するハガキは月100~150枚、ネット応募は数え切れないとう。「隙間時間は懸賞応募に費やし、数多く応募しています」
インスタの写真懸賞で爆当て
写真の加工テクを駆使した写真投稿が武器で、フォトコンテストで高額賞品をゲット。当選総額は1400万円。フォトコンテストは月20件、ハガキ応募は月100枚ほど応募する。
プロ級イラストで高確率当選
目を引くイラストとエッジの利いたコメントで当選を連発。写真投稿によるインスタ懸賞にも強い。当選総額600万円。ハガキ応募は月100枚、写真懸賞は月100件ほど行う。
ネット懸賞攻略Q&A
手軽にトライできるネット懸賞は、狙い目を押さえて勝利をゲットして!
どんな応募方法がある?
クローズド懸賞(応募条件に商品購入やサービス利用が必要)はハガキとネットの両方から応募できるものが多数。二次元コードを読み取りアンケートに答えるだけ、SNSをフォローするだけの簡単な方法は初心者向き。「○○酢(自社の食材)を使った料理」などのテーマで写真をSNSに投稿し、コンテスト形式で当選が決まるものも。
応募は期間内早めに
賞品によっては、応募期間の初期に送るほうが当たりやすい傾向も。「経験上、イベントもの(ツアー参加など)は早めに送ったほうが有利という印象なので、見つけたらすぐに応募しています」(さとがわさん)
地域限定のインスタ懸賞を狙う
「撮影スポットが指定されている写真懸賞は、遠方の人は応募しにくいため当選率が高め。撮影日時の指定もあれば、さらにライバル減!」(わこさん)。投稿の際は、ハガキと同じように、好意的なコメントを添えると主催者によりアピールできる。
応募者数の少ないものを見極める
懸賞を主催する企業のフォロワー数をチェック。「ツイッターのフォロワーが少ない、リツイートが少ない、SNSを開設したばかりといったものは認知度が低いため、競争率も低いと予想」(めぐめぐ。さん)
応募期間が短いものが穴場
SNS懸賞の応募期間は1~2週間ほどが多いが、中には1日のみで終わってしまうものも。応募期間が短ければ、応募人数も少なくなり当たりやすい。「そういった懸賞は情報を見つけることが難しいですが、懸賞達人のSNSをフォローしておくことで、お得な情報が入ってきやすくなります」(わこさん)
企業のHPよりアプリから応募する
HPの懸賞は不特定多数の応募が可能だが、アプリはダウンロードした人だけなので当選率がアップ。「一度アプリをダウンロードしておけば、『新商品プレゼント』や『先着○名様に当たる』というお得な懸賞情報もいち早くキャッチできます」(ガバちゃん)
懸賞界のレジェンド 長場典子さん
懸賞歴34年のベテラン。日本で唯一の懸賞ライターとして、達人&懸賞主催者の取材を重ね、懸賞のすべてを知り尽くす。一番の高額賞品は200万円超えの高級ブランドジュエリー。カリフォルニアディズニーランド旅行もゲット。
<取材・文/樫野早苗>