全国の10代~70代の男女(計500名)を対象に「父の日ギフト事情」に関する調査結果を公開している「父の日.jp」によれば、2021年の父の日のギフト購入場所の1位は「インターネット通販」(53.0%)。前年度から約20%急増している。その理由は、コロナ禍の外出と帰省の自粛だ。直接会って手渡しはできないけれど、気持ちを込めて贈る──そんな父の日のスタイルが定着しつつあるようだ。
通販サイトの中の人に聞いた昨年売れたギフト
インターネット通販大手、楽天市場の広報担当に近年の父の日ギフト事情を聞いた。
「コロナ禍をきっかけとしたライフスタイルの変化に伴い、自宅で豪華な食事を楽しめるような高級食材や、自宅でトレーニングできる商品へのニーズが上昇している傾向にあります」
父の日ギフトについて、実際に読者の声を聞いてみた!
「不要不急の外出自粛で、趣味の登山ができなくなった父。みるみる太ってきたので、これはまずいとミニフィットネスバイクを贈りました。意外と安くて見栄えもして健康にいい。オススメ」(千葉県・40代)
「楽しみの外食ができなくなり、ひとり暮らしの父は食が細くなってしまって……。調理の手間なしで、あっさり楽しめる高級茶漬けを贈ったところ、これが父の舌にどんぴしゃ!」(静岡県・50代)
「父は各地の銘酒と温泉巡りが好き。最近はどちらも難しいので、銘酒カタログと温泉の素をセットでギフトにしたら、とても喜んでくれました」(茨城県・30代)
ステイホームで楽しめる点だけでなく、健康面を気遣ったギフトのチョイスが昨今の主流のようだ。
楽天市場の昨年の売れ筋ジャンルから学べ!
第1位 高級惣菜
うなぎや高級茶漬け、海鮮セットなどが人気。栄養たっぷりのうなぎは高齢のお父さんも大喜び♪ また近年ネット通販で流行している鯛の大きい切り身や鮎一匹使った高級茶漬けは、スペシャル感があり目にもおいしい一品だ。
第2位 お酒(日本酒、ビール)
飲んべえには何よりうれしいお酒。いろいろ飲みたいわがままなお父さんに人気なのは、飲み比べセット。日本酒は甘口から辛口、いつもより少し上等な銘柄のビールも人気。さぁお父さんとご機嫌で乾杯!
第3位 トレーニング家電、癒し系家電
“いつまでも元気でいてほしい”そんな思いから健康家電がランクイン。「足を乗せるだけで筋トレできるマシン」など無理のない健康家電がヒット。いつも頑張っているお父さんへの感謝は、首用の温熱マッサージ器で癒しを!
今年は“趣味のもの”が人気
楽天市場では今年、30代から70代の男性ユーザー1000名を対象に父の日に欲しいギフトについてアンケートを取った。なんと95.5%が、「趣味に関するギフトがうれしい」と回答。
実際の趣味については「旅行(72.4%)」「動画・映画鑑賞(42.7%)」「音楽鑑賞(39.1%)」「スポーツ・フィットネス(21.4%)」などが上位に挙がったという。
昨年の父の日ギフト3強はグルメ・酒・健康だった。だが広報が予想する“今年の売れ筋上位”は、旅行用品やスポーツ用品、キャンプ用品など趣味の小物だという。
昨年、父の日に杉浦太陽が妻・辻希美からもらったのが名入れのステンレス製タンブラー。ビール好きで知られる杉浦だけに、《飲み過ぎないでね》のメッセージも刻まれていたとのこと。
また、同じく昨年、高橋英樹も最愛の娘・真麻夫妻から贈られたギフトをブログで公開。高橋本人と妻、孫の3ショットがデザインされたスパンコールのクッションカバーを披露しデレデレの様子だった。「趣味は家族」を公言する高橋。まさに流行の先端である“趣味に関するギフト”どストライクだった例だ。
実際もらってうれしかったものは?
財布 「財布がボロボロだったが、自分で買うのは躊躇していたので、もらえてうれしかった」(60代)
腕時計 「憧れていたが値段が高くて買えなかったのでうれしかった」(70代)
グルメ 「飛騨牛やカニなど。家でみんなで食べられるものでよかった」(40代)
父の日やらかしギフト
母の日=カーネーションのような「無難な正解」がない父の日ギフト! それだけに贈る側も迷走する。年に1度の父のハレの日、お父さんを喜ばせようとしたばっかりに、ひねりすぎてハズしてしまう。そんな残念すぎる“やらかしギフト”をご覧ください。まさに死屍累々……!
「何をあげても反応の薄い父に思いきって名入れラベルの“生まれ年ワイン”をプレゼント。自分ではセンス最高! と浮かれていたけど、そのお値段(ン万円)を聞いた父は、娘の大胆な散財に意気消沈。ワインはいまだ飲まれず台所の隅に置かれています。お父さん、せめてリビングに飾って……! 翌年からは『菊正宗』にしています」(北海道・40代)
「母が亡くなってからひとり暮らしの父。寂しいかなと思い、あのロボット犬を購入。20万円近いけど清水の舞台から飛び降りちゃいました。ところが、ある夜、ロボット犬の充電台につまずいた父が骨折……。病院に連れて行った帰り道、おもちゃはいらないと父がボソリ。高い勉強代になっちゃいました」(大阪府・50代)
「父の名入りのオリジナル皿を作って贈ったら、次の帰省時に犬のエサ皿になっていた(涙)」(長野県・40代)
「父に最新マッサージ機を贈ったところ、ボタンが多すぎて使い方がわからないと納戸行きに。これなら安くて機能が単純なやつを贈ればよかったな!」(千葉県・40代)
「ヒマラヤ登山隊も着用したという超ハイテク保温肌着を通販で購入。寒がりの父にいいかと思ったのですが、暑すぎて気持ち悪いとタンスの肥やしに。寒がりなんじゃないのかーい」(茨城県・50代)
「父は喫茶店でコーヒーを飲むのが好き。自宅で本格的なコーヒーが楽しめるように、レトロなデザインのサイフォンを探して贈りました。でも使うどころか、面倒くさいから使わないと言われて大ショック。いくらしたと思ってるの!」(東京都・30代)
涙なくして聞けないエピソードの数々だが、芸能界でも、とびきり残念な父の日エピの持ち主が! それが過去に『下着を贈りたくなるお父さんランキング』(トリンプインターナショナル)で3年連続首位を獲得した石田純一だ。
2016年の父の日、幼稚園児の長男・理汰郎くん(当時3歳)が絵を描いたマグカップを渡そうとしたところ、落として割ってしまったのだという。
割れたマグカップがなんだか暗示的だけど、実際の親子関係にはヒビが入らないよう、頑張ってほしいものだ!
さて、読者のみなさん、今年の父の日は“やらかしギフト”に要注意ですよ~!
父たちの本音を聞きました
芸能界では“毎年娘たちからアクセサリーをもらう”という木村拓哉や、昨年、高級リップをもらったとブログで明かした薬丸裕英など、子どもたちのチョイスに大満足の父親も多い。さて、世間の父親の本音はどうなのか。
「花はいらん。子どもが小さいころは、似顔絵とヒマワリの花をもらって泣くほどうれしかったが、いまそんなものもらっても面倒くさいだけ」(北海道・70代)
「気持ちはうれしいけれど、娘とセンスが合わない。凝った革の財布やデザインが奇抜なイタリア製ニットはタンスの肥やし」(東京都・60代)
「海外にいる息子が観光客向けの派手なTシャツを毎年贈ってくる。どこで着ろというのか」(神奈川県・70代)
父親を喜ばせようと試行錯誤する子どもたちからすれば泣けてくる。が、本音を口にしてよかったケースも。
「おまえとは趣味が合わんという頑固な父。好きな酒一択にしてからは大満足。贈る側のストレスもありません(笑)。心配なのは飲みすぎだけ」(栃木県・50代)
「贈るなら消え物か商品券にしてねと言われた。実は、自分のためだけにお金を使わせるんじゃなく、家族全員で食べられるものにしたいのもわかってる。ありがとう」(東京都・40代)
父の日ギフトは父の数だけ正解があるのかもしれない。
名入れ、顔写真アイテムをクチコミでCheck!
「父の日ギフト」としてサイトに登場しがちな名入れ商品や顔写真で作るアイテム。自分大好きぎみなパパでも、ちょっぴりキツくないかな!? 気になるクチコミをこっそりチェック! 評価はどれも☆5つ近くて、パパは大満足だった!?
顔写真マグカップ(3000~4000円程度)
「キモカワな感じが決め手でプレゼントに購入。自分でも作りたくなりました」(購入者)、「世界に一つだけのマグになりました」(40代男性)。たしかにオンリーワン。大事に使うべし。
おもしろ名入れTシャツ(2000~3000円程度)
「リハビリ治療中の父に。看護師さんも褒めてくれました」(購入者)、「オシャレというよりはみんなが笑顔になる商品。面白い!」(購入者)。ほっこり系のコメントが多かった!
顔スイーツ(どら焼き、マカロン)(各1個500~600円程度)
「めちゃくちゃ笑ってもらってよかった。お味もいい」(20代女性)、「リアルすぎて怖い、ゆえに食べづらい(笑)」。(購入者)食べちゃいたいほど愛しい父に♪
(取材・文/ガンガーラ田津美)