《関口宏見てられない》
《関口宏あかんわ》
5月29日に放送された『サンデーモーニング』(TBS系)を受け、ネット上に寄せられた辛辣な言葉たち。大物司会者の身に、いったい何が起きているのか─。
「この日の放送では、5月22日に行われた陸上の関東学生対抗選手権、男子5000メートル決勝の話題を取り上げました。先頭の選手がラスト2周でスパートをかけた後続の選手に抜かれたものの、ラスト1周で再び逆転したんですが、関口さんはVTR後に選手名を何度も混同。スタジオは困惑した雰囲気になりました」(テレビ誌ライター)
斎藤雅樹、上原浩治をあしらい野球ファンから反感
別のニュースでは“懲役”を“げんえき”と読み間違えるなど、MCらしからぬミスを連発。厳しい声が上がったが、彼の“迷”司会ぶりに喝を入れたくなるのは初めてのことではない。今年1月16日の放送ではこんな場面が。
「トンガにある海底火山の噴火の影響で津波警報、注意報が発令されていたんですが、発令地域を示す日本地図が画面に表示され続けたことに対し“(日本地図を)出さなきゃならないんでしょうか”と発言し、物議を醸しました」(同・テレビ誌ライター)
災害時の不用意な発言は当時ネット上で話題となったが、関口の言動が“炎上”する流れはその後も続き……。
「3月13日には、元プロ野球選手の斎藤雅樹さんと上原浩治さんに“開幕投手は名誉なことか”と尋ね、2人が“もちろんです”と答えたのに対し“ああ、そうですか”とそっけない返答を見せ、野球ファンの反感を買いました」(同・テレビ誌ライター)
海の向こうのスポーツに関しても、こんな話が。
「5月8日、メジャーで活躍する鈴木誠也選手に関して野球評論家の達川光男さんが解説したものの“何なんですか?”“だから?”と会話がかみ合わず。翌週には、NBAでプレーする八村塁選手について、放送の約1か月前にはシーズンを終えていたにもかかわらず“最近あんまり聞かないね”“調子悪いんだろうね”と発言し、炎上しました」(スポーツ紙記者)
達川は後日『週刊ポスト』の取材で「僕がいろいろと難しい説明をしちゃって」とフォローしたが、同番組ではほかにも、元プロ野球選手の江川卓に対し現役時代のプレーを腐すような発言をし、失礼すぎると批判を浴びている。
ビートたけしも加齢が原因で…
長らく日本のテレビ業界を支えてきた名司会者が、なぜお騒がせな発言を連発しているのか。メディア研究家の衣輪晋一さんはこう分析する。
「1つは、加齢によるもの。ビートたけしさんも“60歳を過ぎると頭の回転が遅くなるのがわかる”と言っています。また、関口さんはいい意味で“素人”。“いつも視聴者でありたい”と過去のインタビューで語っていて、わからないことを隠さず言うタイプです」
現代とのギャップも、炎上の一因だという。
「時代の変化に関口さんがついていけず、それがSNSで可視化されるようになった。あとは、彼に対して上からバシッと言える人がいなくなったということもあるのでは」(衣輪さん、以下同)
ネット上でも《ハリさんがいなくなってから関口宏は暴走している》など、昨年の張本勲の番組卒業を惜しむ声も。
「(関口より3歳年上の)張本さんがいなくなったことで、番組の雰囲気が急に緩んだ感じがします。張本さんも東京五輪の女子ボクシングで金メダルを獲得した入江聖奈選手について“嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合って、こんな競技好きな人がいるんだ”と発言するなど失言が多く、注目が集まっていましたが、それが関口さんに一極集中化したという面も」
盟友が退いた今、関口も引き際か……と思いきや、“引退”にはまだ早い様子。
「時代の変化を自覚する必要はありますが、視聴率を取れている番組なので、自分から辞めると言わない限り、そうはならないでしょう。司会者としての腕は天才的ですし、人を引きつける魅力もある。関口さんを失うのは、テレビ業界としては惜しいかなと」
発言が取り沙汰されるのは、注目されている証拠。苦言が飛び交っても変わらぬ司会ぶりは“あっぱれ”!?
衣輪晋一 メディア研究家。雑誌『TVガイド』やニュースサイト『ORICON NEWS』など多くのメディアで執筆するほか、制作会社でのドラマ企画アドバイザーなど幅広く活動中