「今田美桜さんが主演を務める日本テレビ系ドラマ『悪女~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』の原作は、'97年まで講談社の雑誌『BE・LOVE』で連載されていた深見じゅん氏によるロングセラーの少女漫画。
主人公の麻理鈴(今田)がひと目惚れする完璧な王子様T・Oさんのキャスティングは実現不可能と言われていました。'92年に石田ひかりさん主演でドラマ化した際も光でぼやけた状態でT・Oさんが登場。
今回は初回から向井さん演じるT・Oさんが出演。ルックス、演技力ともに申し分なしの向井さんの神キャスティングに、称賛の声が集まっています」(ドラマウォッチャー)
原作を超えた!と思うドラマランキング
原作ファンも唸らせた向井理にはさすがのひと言! がっかりキャスティングは数あれど、神キャスティングはあまり聞かない!? そこで、多くのドラマを見続けてきた30代以上の女性に緊急アンケート。「原作を超えたと思うドラマはなんですか?」
1位 『逃げるは恥だが役に立つ』264票
数多くの作品の中で最も得票数を集めたのは、現実でも夫婦役の2人が結婚を遂げた『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系'16年)。
「ガッキーのみくりさんがチャーミングで最高だった! 星野源も最初は違うと思ったけど徐々に平匡さんは彼しかいないと思うようになった」(41歳)、「漫画を知らなくてドラマを見てハマって原作を買いました」(36歳)。
原作漫画は'12年から '17年まで『Kiss』(講談社)で連載され、根強いファンを獲得していた作品。当初はキャスティングに異を唱える声もあったとか。
「星野源さんが演じた平匡は、一見地味だけど眼鏡を外すとイケメンというキャラクターなので、高橋一生さんを推す声が非常に多かった。高橋さんでもハマったとは思いますが、やはり恋ダンスやのちに結婚までする2人の相性があってこそヒットしたんだと思いますね」(ドラマ関係者)
高橋一生の平匡さんも見てみたかったけれど……。
2位 『孤独のグルメ』197票
次いで2位にランクインしたのは逆に原作を有名にしたといわれる『孤独のグルメ』(テレビ東京系'12年~)。
「飯テロドラマの元祖! 漫画を読んでみたら井之頭五郎(松重豊)がちょっと違うキャラだったけれど、松重さんの井之頭五郎以外は考えられない! むしろ原作に忠実な井之頭五郎だったら面白くなかったかも」(44歳)、「ほとんど食べるだけのドラマを面白く見せるってすごい! 漫画よりも面白かった」(37歳)。
原作を超えたと評判の同作品は、原作・久住昌之、作画・谷口ジローさんによって'94年から'96年にかけて『月刊PANJA』(扶桑社)で連載された。グルメ漫画として知る人ぞ知る名作だったが、女性の目に留まることはあまりなかった。
「原作者の久住さんのもとにはほかのテレビ局から実写化オファーが来ていたんですが、“井之頭五郎のイメージじゃない!”と断っていたそうです。松重さんのときは快くオッケーを出したそうで、漫画とのキャラは違えど、愛される井之頭五郎を演じてくれることが久住さんにはわかったのでしょうね」(同・前)
現在はシーズン9まで制作されていて、'17年からは大みそかにスペシャルドラマが放送される、まさにテレビ東京を代表するドラマとなった。
3位 『のだめカンタービレ』181票
3位にランクインしたのは15年前の名作『のだめカンタービレ』(フジテレビ系'06年)。
「キリッとしたイメージの上野樹里さんが、見事にのだめを演じていた。玉木宏さんは千秋様そのもの! この2人しか考えられない!」(50歳)、「映像化は難しいと思っていたのに、音を聴けるというのはデカいと思った」(46歳)。
クラシックブームを巻き起こした同作品は、二ノ宮知子さん原作で雑誌『Kiss』にて'01年から連載を開始。'04年に第28回講談社漫画賞少女部門を受賞するなど、高い評価を得ていた。
「当初、他の局でドラマ化が予定されていたのですが、作者が“背の低い千秋は考えられない”と拒否したといいます。さらに主題歌もその主演俳優のグループが歌うという話で、クラシック以外は考えられない!と再拒否したとか。もし他局で実現していたらヒットしなかったでしょうね」(同・前)
ドラマ主題曲、ベートーヴェンの『交響曲第7番』、『ラプソディー・イン・ブルー』は、のだめによって広く周知された。キャストのほかにも音で魅せる原作超え作品となった。
4位 『金田一少年の事件簿(初代)』172票
4位は、新キャストで現在放送中の『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系'95年)。初代・堂本剛版がランクイン。
「少年漫画から飛び出してきたような剛くんがハマっていた。普段は抜けているけど推理になると頼れる役柄がぴったりだった」(46歳)、「はじめちゃんは剛、美雪はともさかさん、剣持警部は古尾谷雅人さんしかいない!」(42歳)。
これまで、松本潤、亀梨和也、山田涼介、道枝駿佑(現在)と華麗なるはじめちゃんがいた。
「初代を超えることはなかなか難しいでしょうね。当時、『週刊少年マガジン』で連載されていましたが、女性読者が急増したそうですよ」(同・前)
現在TVerで配信中の堂本剛バージョンは、ドラマ部門上位ランクをキープ中。初代はじめちゃん、さすがです!
5位 『義母と娘のブルース』166票
5位は、記憶に新しい『義母と娘のブルース』(TBS系'18年)。
「4コマ漫画をあそこまで泣かせるドラマにしたのがすごい!」(40歳)、「綾瀬はるかが振り切って演じていて笑えて泣けた。MISIAの主題歌も涙を誘った」(50歳)。
同作は、桜沢鈴さんによる4コマ漫画(ぶんか社)が原作。4コマなのに笑って泣けると評判で幅広い層から高い評価を得ていた。
「あの世界観を再現できたのは綾瀬さんの魅力でしょうね。ロボットのような仕事人間の主人公ですが、視聴者に冷淡に感じさせず、根は優しい人間だとわからせる説得力を持っている。そのあたりが原作を超えたと思われるところじゃないでしょうか」(同・前)
明暗を分けるのは原作者!?
実写化が成功する法則はあるのだろうか。前出のドラマウォッチャーは、
「成功がキャスティングにかかっているのは当然ですが、強烈に原作を超えるキャストがいるかどうかが肝だと思います。例えば、2位の『孤独のグルメ』の松重さんは原作の五郎さんとは異なるキャラといえます。
それでも、漫画のメッセージである“ただ、飯を食らう”という点を強調する意味で忠実に五郎さんを演じた。だからこそ、原作者も納得したのでしょう。
1位の『逃げ恥』の主人公・みくりは特別かわいいという設定ではないのですが、新垣結衣さんの圧倒的なかわいさに視聴者は惹きつけられた。これは実写化ならではの魅力でしょう。
必ずしも原作と同じキャラである必要はないんです。原作の人物よりも魅力的に演じるキャストがいればそれはもうドラマの勝ちだと思いますね。
あとはやっぱり原作者が納得していること。上位を占めている作品はいずれも原作者と制作側が良好な関係を保っている」
向井理のT・Oさんは原作超えの呼び声も高いが、ドラマの視聴率はいまいち下降線……。令和の原作超えドラマはまだまだ現れそうにない!?
「原作を超えた!と思うドラマランキング」集計結果
1位『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系/'16年)
新垣結衣、星野源など 264票
2位『孤独のグルメ』(テレビ東京系/'12年~)
松重豊など 197票
3位『のだめカンタービレ』(フジテレビ系/'06年)
上野樹里、玉木宏など 181票
4位『金田一少年の事件簿』(初代)(日本テレビ系/'95年)
堂本剛、ともさかりえなど 172票
5位『義母と娘のブルース』(TBS系/'18年)
綾瀬はるか、竹野内豊など 166票
※30代以上の女性を対象に5月28日〜31日までインターネットでアンケートを実施。その中から上位5作品を選出。
※アンケートでは『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系'00年)も172票と多くの票を集めましたが、漫画原作ではないためランキングから除外した