※写真はイメージです

「気づいた人はみんなやり始めてます」と人気FPが言う3000円投資。聞いたことはあっても、腰が重くてなかなか手を出せないのでは? そこで、本当にサクッと始められるのか、週刊女性編集部員が検証した。夫のボーナスで自分の小遣い稼ぎ、情勢が不安定な今こそ始めたい。

未経験者の始めどき

 今、投資を始める人が急増している。ただ、それはあなたが想像しているような「怖い」とか「損しそう」といったネガティブなイメージの投資ではない。「投資信託」と呼ばれるもので、少額から貯金感覚で投資できるため、女性の間でも急激に広まっている。

「まだ始めていない人は世界情勢が不安定な今こそチャンスです。たとえるなら市場は今、バーゲン中。1本100円の大根が75円で売られているような状況です。同じ金額で普段より多く買えるから断然お得。この機会を利用しないなんてもったいないですよ。物価上昇で家計は苦しいときかもしれませんが、今が始めどきです」と教えてくれたのは、家計コンサルタントの横山光昭さん。

 とはいえ、スーパーで大根を買うのとはワケが違う。「投資信託なんて手続きが面倒そう……」と思うかもしれないが、実はそうでもないのだ。

 手続きはすべてネットでできてお手軽。最初の口座開設のみ多少手間取るかもしれないが、あとはほったらかしでOK。

 実際、投資経験も知識もない、ズブの素人の編集部員が試したところ、簡単に始められたからきっと誰にでもできるはずだ。

気づいた人は始めている

 横山さんが初心者におすすめしているのが、「3000円投資」だ。少し節約すれば誰でも捻出できる金額で、「つみたてNISA(ニーサ)」という国が作った税制優遇された制度も利用できる。

・国が商品を厳選しているから安心。

・もうけ分は20年間税金がかからない。

・手数料が安い商品が多い。

・いつでも引き出しOK。

 など、お得な制度なのだ。

 これらのメリットに気づいた人たちがすでに続々と始めていて、つみたてNISAの口座数は昨年度末の時点で518万口座を超えた。

「ここ数年、家計や資産運用の相談にくる人が増えていて、皆さん投資に興味を持っています。特に、3000円投資は30~70代までの幅広い層の人たちが始めています」(横山さん、以下同)

月々3000円を投資信託に積み立てると…

 銀行への預金と3000円投資の差は一目瞭然。銀行に30年預けたとしても悲しすぎるほどお金は増えないが、投資では長く続けるほどもうけが大きくなる可能性が高まる。

 つまり、時間を味方につければ、マイナスにならないこと(元本割れ)※1はもちろん、もうけ分がもうけを生み、貯金がふくらむこと(複利効果)※2が期待できるというわけなのだ。

「お金をゆっくりじっくり育てていくイメージです。昨今のインフレを考慮しても、絶対、やったほうがいいですよ」

 具体的な手順は次の4つ。

(1)ネット証券の「楽天証券」か「SBI証券」、いずれかの口座を開設。

(2)つみたてNISAの口座も開設。

(3)「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」か、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を選択。

(4)毎月3000円の積み立て引き落とし日、分配金コース「再投資型」を設定するだけ。

 手続きは1回のみ、あとはなにもしなくてOK。もし、ネットが苦手なら詳しい人と一緒に手続きするのも手。もしどうしても人がいる窓口がいいなら、手数料が比較的安いイオン銀行とりそな銀行がおすすめだという。

お金が貯まる体質に

「3000円投資を始めて2、3か月たつと、たいていの人はお金に対する意識が変わります。家計を見直すようになり、ムダな支出が減って、貯金が増えたり、投資額を増やしたり……。3000円投資が家計にもたらす効果は絶大です

 ちなみに投資額を増やす目安は貯金が月収7・5か月~1年分あるか否か。万が一のときのためのお金も蓄えておくことも、このほったらかし投資がうまくいく秘訣だ。

 将来のお小遣いや老後資金が勝手にグングン育つだけではなく、お金を引き寄せる体質にもなる3000円投資。夫のボーナスが出るこの時期、始めない手はない!

 教えてくれたのは…横山光昭先生 ●家計再生コンサルタント。「マイエフピー」代表。延べ2万4000世帯以上の家計相談を解決。『貯金感覚でできる3000円投資生活デラックス』(アスコム刊)など、著書多数。

※1投資信託などの価格が購入金額を下回ること。
※2運用で得た利益を当初の元本に加えて再投資することで利益がどんどん膨らむ効果。

〈取材・文/佐藤晶子〉