来たる6月29日、秋篠宮さまと紀子さまは32回目の結婚記念日を迎えられる。
「コロナ禍以前には、天皇・皇后両陛下や上皇ご夫妻と一緒にお祝いされることもありました。世間は“ポスト”コロナに向けて舵を取っているとはいえ、皇室では様子をうかがっているところ。今年は、秋篠宮家のみの食事会となるでしょう」(皇室担当記者)
秋篠宮ご夫妻に不和の噂
これまでの結婚記念日に、秋篠宮ご夫妻はさまざまな場所へ足を運ばれてきた。
「'94年には、神奈川県横浜市の『八景島シーパラダイス』をおふたりでご視察。佳子さまをご懐妊されて4か月目だった紀子さまは、心なしかふっくらされていました。
'99年は、東南アジア3か国をご訪問中でした。スコールに見舞われた際、夫婦で“相合傘”をなさっていたのが記憶に残っています」(宮内庁OB)
'15年には、銀婚式にあたって公表された文書で、紀子さまはこう意気込まれた。
《これからも、可能性を大事にしつつ、努力目標にむけて一緒に年を重ねていくことができれば幸せに思います》
長い結婚生活には大なり小なり試練はつきものだが、この数年間は特に心を痛められる日々だったに違いない。
「令和へのお代替わりに伴い、秋篠宮さまは皇位継承の順位が2位に。担われる公務の数や心身のご負担が増えました。重なるようにして、眞子さんの結婚騒動や悠仁さまの進学問題が耳目を集めるように。以来、秋篠宮家に対する世間のイメージは大きく変わり、今も厳しい目が向けられています」(宮内庁関係者)
家庭内の一挙手一投足が取り沙汰され、夫婦関係の不和が囁かれることもあった。
「口論は多々あるものの、ご夫妻にとっては“ごく普通のこと”だと聞きます。公の場で軋轢を感じさせることはありませんし、むしろ手を取り合っておられる印象です。
今年4月からは、地方訪問を再開されました。オンラインと対面を活用する“ハイブリッド”で公務をこなし、多忙な日々をお過ごしになっています」(同・前)
6月12日には、広島県で開かれた『第70回全国ろうあ者大会』におふたりでご臨席。秋篠宮さまは、手話を用いながらスピーチされた。
「手元の紙をご覧になりながら、一生懸命に手話を披露。大きな拍手が湧き起こると、安堵をにじませ、はにかまれるひとコマもありました」(皇室ジャーナリスト)
「佳子さまに代わって手話を披露する」という覚悟
手話といえば紀子さまというイメージを抱く人は多い。大学時代から手話に親しみ、長年かけて聴覚障害者の活動支援や手話の普及に取り組まれてきた。10年にわたり紀子さまに手話を教えた『日本ろう者劇団』の顧問・井崎哲也さん(69)は、秋篠宮さまが手話を披露されたことに驚きを隠せない様子。
「世界の王室や日本の皇室を振り返れば、手話を習得される女性は多いです。イギリスのダイアナ元妃の手話を直接拝見したことがありますが、ろう者並みにお上手でした。
一方、男性皇族が手話を披露されることは、これまでなかったと思います。秋篠宮さまが“第1号”なのでは」
英国王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんは、こう話す。
「ダイアナ元妃の長男であるウィリアム王子は『大英帝国勲章』の叙勲式で、手話通訳者として長年活躍された受賞者に“おめでとうございます”と手話で伝えたことがあります。ただ、ほかの方も含め、男性が数分間のスピーチをされたという話は聞いたことがありませんね」
ロイヤルファミリーが手話を習得することは、社会的に大きな意義を持つ。
「手話は、より多くの国民に気持ちを伝えることができるコミュニケーションです。国によって形は異なるものの、“だれも仲間はずれにしない”という前向きなメッセージに等しく、その考え方を国民に広く浸透させる効果が見込まれます」(多賀さん)
生まれつき聴覚障害のある井崎さんは、「独学で手話を習得するのは難しい」と説く。
「男性の場合、硬い動きになってしまうことが多いのですが、秋篠宮さまの手話は、とてもスムーズで上品でした。“けれども”や“理解”など、ほとんどの動きが紀子さまの手話とよく似ていて、一緒に練習されたお姿が想像できました」(井崎さん、以下同)
夫婦の絆を間接的に示されただけではない。
「秋篠宮さまは、“佳子さまに代わって手話を披露する”という覚悟を持って、手話に挑戦なさったのではないでしょうか。紀子さまの手話は見慣れた人もいるでしょうが、秋篠宮さまのインパクトは大きく、多くの人に勇気を与えたと思います」
親子の“共演”は叶わず
同大会の主催者は、日本ろうあ連盟。非常勤嘱託職員として週3日のテレワークを続ける佳子さまの勤務先だ。
「佳子さまは当日、別の公務に出席されていました。東京体育館で行われた、障害者と健常者が音楽やダンスを自由に楽しむ『ドレミファダンスコンサート』です。チアリーディングチームのかけ声に合わせて、拳を突き上げられたり、踊る子どもたちに手を振られたりも。終始笑顔で楽しんでおられました」(前出・記者)
同日に開催された2つの行事を分担された親子だが、
「一部では、佳子さまが両親との“共演”を拒絶されたのではないかと囁かれています。日本ろうあ連盟に勤務する佳子さまが、全国ろうあ者大会にお出ましにならないのは不自然だと指摘されているのです」(同・前)
眞子さんと小室圭さんの結婚騒動を機に“親子の不和”が生じたといわれて久しい。
「姉の結婚を誰よりも応援されていた佳子さまと、小室家に対する不信感を募らせていたご夫妻の“溝”は、なかなか埋まらないといいます。秋篠宮さまが手話を特訓されたのは、長年にわたり手話に親しんでこられた佳子さまへの“歩み寄り”だとお見受けしました。ご一家が団結する青写真を描かれているに違いありません」(前出・皇室ジャーナリスト)
鋭意努力されている秋篠宮さまに対し、佳子さまは“かたくな”な姿勢を貫かれているようで……。
「秋篠宮ご夫妻は6月17日、東京国立博物館で開催中の沖縄の本土復帰50年を記念した特別展『琉球』を鑑賞されました。この展覧会にはすでに、両陛下と上皇ご夫妻が足を運ばれています。美智子さまは、展示をご覧になりながら“多くの方、特に若い方に見ていただけるといいですね”とつぶやかれたとか」(前出・記者)
秋篠宮ご夫妻は、感染対策などの観点から、閉館後の午後5時ごろから鑑賞された。
「佳子さまのお仕事の折り合いもつきそうな時間帯ですが、お出ましはありませんでした。皇室においては、戦争体験の継承と、歴史への理解を深める行動が重んじられています。当然、ご両親とともにご覧になると思ったのですが……。ここでも親子の“共演”が叶わないとなれば、その距離は遠のく一方でしょう」(前出・ジャーナリスト)
冷え切った親子関係が改善される日は、いつ─。
多賀幹子 ジャーナリスト。元・お茶の水女子大学講師。ニューヨークとロンドンに、合わせて10年以上在住し、教育、女性、英王室などをテーマに取材。『孤独は社会問題』(光文社)ほか著書多数