《かつてプロレスとはゴールのないマラソンと言った自分ですが、ゴールすることに決めました》
6月12日、日本プロレス界のレジェンドである武藤敬司が現役引退を発表した。
「埼玉県で行われたプロレスイベントに登場すると、来春までの引退を電撃発表しました。理由は、痛めていた股関節の状態によるドクターストップ。長らくプロレス界を盛り上げてきたスターの決断に、各所で驚きの声が上がっています」(スポーツ紙記者)
長州力や蝶野正洋など、名だたるレスラーがねぎらいの声を寄せる中、武藤のネタでおなじみのモノマネ芸人・神奈月もツイッターで《ショックです》と率直な気持ちを述べつつ、《痛みに耐えながら我々ファンに天才武藤敬司を見せつけて下さい》と改めて敬意を表した。
棚橋弘至選手の活躍に「俺の付け人だったくせに…」
故障を抱えながらも、38年にわたってリングに立ち続けた武藤。彼の決断について、親しい人物はこう語る。
「生涯現役を貫くと思ってたから驚いたけど、カッコいいプロレスができるうちに引退するのは武藤さんらしいですね。彼はとてもストイックで、試合の有無にかかわらず毎日トレーニングは欠かさない。旅行先も、トレーニングができるところを選んでいたくらい」(武藤の知人、以下同)
身体に鞭打ちながらファンの期待に応えてきた武藤のプロレス愛は、計り知れない。
「口先で語るより“どうやったらプロレスを盛り上げられるか”を行動で見せるタイプ。長州さん、蝶野さん、藤波辰爾さんなどレジェンドと番組で一緒になった際は“あ〜やだやだ、疲れた”なんて言ってましたが、内心うれしいのがにじみ出てた(笑)。
かつての付け人で、今や新日本プロレスのスター選手になった棚橋弘至選手の活躍には“あいつ俺の付け人だったくせに、生意気にチャラチャラしやがって”と口にしてましたが、照れ隠しの憎まれ口は彼の“得意技”ですね(笑)」
妻は明るくて気さくな人で
なんとも意外な素顔だが、そんな武藤の男気あふれるエピソードが。
「相手が偉い人でも下っ端でも変わらず気さくで、理不尽なことが大嫌い。以前、ある仕事でギャラの支払いが遅れていたことがあったそうなんですが、その会社の従業員の給料まで滞っていることを知った武藤さんは“俺がちゃんと言ってやるからな”と、自ら社長に物申したと聞きます」
リング外でもヒーローそのもの。ほかにも、器の大きさを示すこんな話も。
「神奈月さんのモノマネは、すごく喜んでいましたよ。街中で“神奈月のモノマネの人!”と声をかけられた際も、ニコニコしてました(笑)」
気さくな振る舞いで人々から愛される武藤。家族も、そんな姿を……、
「武藤さんが一目惚れして結婚した奥さんは、明るくて気さくな人。息子さんはまじめで、タレント活動もしている娘の愛莉さんのほうがおてんばなタイプかな。お子さんたちは武藤さんをリスペクトしていて、自慢のパパですよ」
武藤の引退試合について、所属団体の『プロレスリング・ノア』はふさわしい舞台を用意するとしている。
お得意の『プロレスLOVEポーズ』で、最後まで魅せてほしい!