SixTONESが発売した7枚目のシングル『わたし』が好調だ。初週売上は47万枚を記録し、6月15日に公開したBillboard JAPAN 総合ソングチャートの「Japan HOT100」で1位を獲得。公式YouTubeのMV再生回数は6月末時点で1200万回を超えるなど注目を集めている。
新曲『わたし』は、ダンスや振り付けは最小限で、個々の歌唱力や表現力が際立っている。メンバーの松村北斗(27)が出演したドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』(フジテレビ系)の挿入歌としても、起用されている。これまでに13曲のタイアップを経験したSixTONESの歌声の魅力とはーー。
『THE FIRST TAKE』や『題名のない音楽会』出演の独自性
SixTONESは2020年1月に、ジャニーズ史上初となるSnow Manとの2組同時でデビューした。デビューして3年目に突入した彼らは、ドラマや映画、バラエティー番組でも目にする機会が増えた。
SixTONESはデビュー前の2019年に「
そのひとつが、アーティストが“一発録り”で歌唱を披露し、度々話題にもなるYouTubeチャンネル『THE FIRTST TAKE』への登場だろう。'22年1月1日に突如ツイートで予告され、その日のうちに公開。ジャニーズ事務所から同チャンネルへの出演は初めてのことで、またたく間にSNSで拡散された。
また2022年4月には『題名のない音楽会』(テレビ朝日系)へ出演し、生のオーケストラをバックにデビュー曲の『Imitation Rain』を含む4曲を歌い上げ、彼らの新たな一面を披露した。
デビュー曲『Imitation Rain』は、X JAPANのYOSHIKIによる作詞・作曲だったことも注目を集めた。雨音を思わせる静かなピアノソロのイントロから始まり、ジャニーズのデビュー曲としては珍しい雰囲気を醸し出している。
YOSHIKIは彼らについてこう話している。
「メンバー個々の魅力に加え、高度な歌唱力とパフォーマンス力を持つ素晴らしいグループがどのように進化していくのか楽しみ」
また、SixTONESがパーソナリティをつとめるラジオ番組にサプライズでゲスト出演した際には、彼らのパフォーマンスを次のように語った。
「SixTONESって実力があるんで元々。どういうふうに焼かれても煮られてもっていうのかな、元々が強いので」
彼らを高く評価するのはYOSHIKIだけではない。東京藝術大学出身の4人組King Gnuもその1人だ。ギターと曲作りを主に担当する常田大希も、彼らに楽曲を提供し、King GnuとSixTONES、双方のファンを驚かせたことも記憶に新しい。
常田が手掛けた5枚目のシングル『マスカラ』は、
ボイストレーナーが解説「表現力に驚き!」
楽曲提供者もこぞって認める彼らの歌声について、ボイストレーナーでYouTubeチャンネル『さきここVoice』を運営するSAKIKO氏に、『わたし』における彼らの歌唱について聞いた。
「ジェシーさん(26)は、音の移動が本当にスムーズでとても心地良いです。発音や音質までコントロールする表現の自由度の高さ、選択肢の多さが本当に素晴らしい。
京本大我さん(27)は、柔らかい音の取り方に息を混ぜた歌声はとてもセクシーな雰囲気があり異質な存在。語尾まで切ない歌い方にこだわりを感じずにはいられません」
SixTONESを結成した2015年頃からメインボーカルをつ
「松村北斗さんの裏声の美しさに驚きました。出だしから心を持っていかれる歌声で、少しかすれた声がたまらなく切ない。高地優吾さん(28)は、いつもの明るい歌声とは違った別の表情を見せてくれました。曲に寄り添った切ない声と柔らかな音程変化がとても美しかった」
森本慎太郎(24)の甘い歌声や、田中樹(27)のラップはSixTONES楽曲に個性を生み出している。『わたし』ではどうだったのか。
「ファンの方が大好きな、森本慎太郎さんの甘いキャラメルボイスは今回封印。少ししゃべり声に近い”テンションの落した柔らかで切ない歌声”が曲にしっかりマッチしていました。
また比較的柔らかい声が集まるSixTONESの中で、田中樹さんの少しエッジ感(地声のざらざらした成分)のある歌声は大事なスパイス。今回も楽曲をしっかりと締めてくれていました」
SixTONESのグループ名には「6つの原石(ストーン)」「
「ひとりひとり個性があり、声での表現方法が違います。それでも、共通の心を持っていると伝わってくる歌い方がとても素敵でした。特に”奪っていく”という歌詞が印象深いですね。それぞれの心が、一体どのように奪われていくのか。声というひとつの個性から、表情やシーンまでも想像させる表現力に感動しました」(SAKIKOさん)
さまざまなジャンルの楽曲に挑戦し、実力派へと進化を続けるSixTONES。これまでのジャニーズとは違う輝き方を魅せる彼らの活躍から目が離せない。