山田裕貴

「辞めないっすよ~! だって俺、特捜のみんな大好きっすもん!」

 6月22日に放送された、テレビ朝日系ドラマ『特捜9 season5』の最終回。特捜班の一員である山田裕貴が放った言葉は、紛れもない“本心”だった─。

「井ノ原快彦さん演じる警視庁捜査一課特別捜査班、通称“特捜班”の主任・浅輪直樹をリーダーに、個性派メンバーがぶつかり合いながら事件解決に臨む人気シリーズで、最終回は平均世帯視聴率10・2%を記録しました。season5では、山田さん演じる若手刑事・新藤亮の“卒業”が噂されていましたが、チームに残ることとなり、安堵したファンは多いですね」(テレビ誌ライター)

いい意味でファンを裏切ることに成功したが……

公式サイトより、下段の右から2番目が山田

 視聴者が不安を抱いたのも無理はない。山田は特捜班を一時“離脱”していたからだ。

season5で新藤はカジノバーに潜入捜査をしていたんですが、生活安全課の闇カジノ摘発で捕まり、取り調べのため第3話時点で謹慎処分を受け、第4話以降はほとんど登場していなかったんです。ネット上では《山田くんレギュラー降板かな?》《新藤くん、特捜班にずっといてくれるよね……》などと心配の声が多く寄せられていました」(同・テレビ誌ライター)

 山田の“卒業説”が流れた理由は、これだけではない。

「予告で“笑顔で送り出してやることが、本当の仲間だって思ってるからさ”という浅輪のセリフが流れていたんです。最終回でも新藤は、かつて刑事だった亡き父の相棒を務めた上司から、異動をすすめられていて……。しばらくチームを離れていたこともあり、送り出されるのは新藤だ、と思わされましたね」(同・テレビ誌ライター)

「特捜は絶対辞めたくない」懇願した山田

 最終的には、「親父に言われたんですよ。自分で決めたことは最後までやりきれって」「だから決めてるんです。あの人たちと一緒に、特捜班やっていこうって」と、チームに残ることを自ら志願した新藤。いい意味でファンを裏切ることに成功した『特捜9』だが、山田を巡った一連の演出の裏には、こんな話があったようだ……。

実は本当に、山田さんが今シーズンで卒業するという話があったんですよ」(テレビ朝日関係者、以下同)

 なんと、“卒業説”は確かに浮上していたという。そこには、実力派俳優ならではの事情があった。

山田裕貴…当時20歳。『海賊戦隊ゴーカイジャー』(’11年)のジョー・ギブケン/ゴーカイブルーでデビュー。その後は『なつぞら』(’19年)にも

『特捜9』は、来年4月クールにseason6の放送が予定されているのですが、同じ時期に、山田さんは別のドラマへの出演も決まっていたそうなんです。その作品での山田さんは主要な役どころで、出演シーンも多い。さすがに2本を掛け持ちするのはスケジュール的にも厳しいということで、新藤の卒業案があがったんです

 複数の作品に引っ張りだこになるのは、その演技が認められている証拠。しかし、山田は首を縦に振らなかった。

制作陣が卒業を打診したところ、山田さん本人が“特捜は絶対辞めたくない。合間を縫ってでもスケジュールはつくるので、何とか続けさせてもらえないか”と懇願したそうです。あまりの勢いに関係各所も根負けし、来シーズンはゲスト出演のような形で関わっていくことで落ち着いたと聞きます

 まさに、ドラマを地で行くような“出演志願”。特捜班への並々ならぬ思いを露わにした山田が、また作品を盛り上げてくれるだろう!