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 エアコンのきいた室内と蒸し暑い外との温度差が疲れとなって身体にたまるこれからの時期。疲労回復&食欲増進、さらに料理をおいしくする働きのある“3大酸っぱ食材”で不調をリセット!

“酸っぱ”のすごいパワーを味方につけよう

 じめじめと湿度が高く高温が続くこれからの季節は食欲が落ちやすく、素麺などの簡単な食事ですませることが増えがちに。でもそれでは、身体に必要な栄養が不足してしまう。そんなときこそ、お酢や梅干し、レモンなどの“酸っぱ”パワーが役に立つ。

酢やレモンなどの酸味は唾液の分泌を盛んにして、食欲を増進させる効果があります」と教えてくれたのは、料理研究家で栄養士の今泉久美さん。

料理に加えるとさっぱりとして胃もたれも防ぎます。少量でも酸っぱさがアクセントになり、味も締まるので、濃い味つけにしなくても満足感が得られるんです。だから、ムリなく塩分が控えられるんですよ」(今泉さん、以下同)

 さらに、酸味の成分であるクエン酸などは、カルシウムの吸収をサポートする働きがある。また、レモンのビタミンCには不足しがちな鉄分の吸収をアップ働きもある。

ほかにも、梅干しは殺菌効果が期待できるのでお弁当などに調味料として使ったり、仕上げに添えたりするといいですね。これら3食材は、初夏のこれからの時季、おすすめです

 ただ、市販の「調味梅干し」と呼ばれるものは、塩分濃度が低いため殺菌効果は期待できないので要注意。また、保存性も高くないので、賞味期限を守って食べきって。

 食欲が落ちると敬遠しがちなガッツリしたお肉系も、酢やレモンをかけると食がすすんですんなり食べやすくなる。上手に取り入れてスタミナをキープ!

お酢を使った酢っぱレシピ

 今回は米酢を使用しています。穀物酢でもOK!

鶏の唐揚げのトマトしょうが酢たれ

 下味のお酢効果で肉質はやわらかく衣はカリッと!

鶏の唐揚げのトマトしょうが酢たれ

材料/2人分
鶏もも肉……大1枚(300g)
 Aおろししょうが……1かけ分
 Aしょうゆ、酒、酢……各大さじ1/2
 A塩……小さじ1/4
 Aこしょう……少々
片栗粉、揚げ油……各適量
 Bしょうが(みじん切り)……1かけ分
 Bトマト……1個(約150g)
 B酢……大さじ1
 Bしょうゆ……小さじ1

【作り方】

(1)鶏肉は水けをふき、余分な脂を除いて、筋を包丁の根元でたたき、縦半分に切ってからそれぞれ3等分にそぎ切りにする。トマトは5mm角切りにして汁けをきる。

(2)ボウルに入れてAを加えてよくもみこむ。

(3)(2)に片栗粉をまぶし、170度に熱した揚げ油に入れ、カリッとするまで6分ほど揚げ、油をきって器に盛る。混ぜたBをかける。

オイルサーディンと新玉ねぎの酢あえ

 イワシの骨のカルシウムをお酢が効率よく吸収!

オイルサーディンと新玉ねぎの酢あえ

材料/2人分
オイルサーディン……1缶(正味75g)
新玉ねぎ……1/2個(100g)
みょうが……2個
 A酢……大さじ1と1/2
 Aしょうゆ……大さじ1/2
 A砂糖……小さじ1/2
 Bオリーブ油、粗びき黒こしょう……各少々
※新玉ねぎがなければ、水にさらした玉ねぎでも

【作り方】

(1)オイルサーディンは汁けをきる。新玉ねぎは薄切りにしてAをからめる。みょうがは縦半分に切ってから、斜め薄切りにする。

(2)ボウルに(1)を入れ、Bを加えてあえ器に盛る。仕上げに好みで黒こしょうをふる。

梅を使ったすっぱレシピ

 梅干しは塩分15%のものを使用。塩分量によって塩やしょうゆの量を加減してください。

牛ステーキの梅オリーブ油たれ

 シンプルな梅だれで肉のおいしさを味わう!

牛ステーキの梅オリーブ油たれ

材料/2人分
牛赤身ステーキ用……200g
長いも(皮付き)……6cm
塩、粗びき黒こしょう……各少々
 A梅干し(たたく)
 Aオリーブ油……各小さじ1~2
オリーブ油……大さじ1/2

【作り方】

(1)長いもは6等分に切る。牛肉は室温に戻し、両面に塩、黒こしょうを振る。

(2)フライパンにオリーブ油を熱し、長いもは両面を香ばしくなるまで焼き、肉は両面を1分半ずつ焼いてアルミホイルに包み、3~5分おく。

(3)肉は食べやすく切り、長いもとともに器に盛り、混ぜたAを添えていただく。好みでワサビを添えてもおいしい。

カツオの梅カルパッチョ

 梅・みそ・にんにくが相性バツグン! カツオのクセをうまみに。

カツオの梅カルパッチョ

材料/2人分
カツオ刺身用……200g
かいわれ菜……1/2パック
らっきょう甘酢漬け……3~5個 
 Aオリーブ油、梅干し(たたく)……各小さじ2
 Aみそ、酢、水……各小さじ1
 Aにんにく(すりおろす)……少々
 Aみりん……大さじ1/2

【作り方】

(1)カツオは5mm厚さに切る。らっきょうは小口切りにする。

(2)(1)とかいわれ菜を皿に盛り、混ぜたAをかける。かいわれ菜を添える。

レモンを使ったすっぱレシピ

 レモンを皮ごと使う場合は防カビ剤不使用のものか、国産レモンを使用してください。

さばとセロリのレモン炒め

 レモンは加熱すると苦みがでるので仕上げにトッピングして香りよく。

さばとセロリのレモン炒め

材料/2人分
塩さば(薄塩タイプ、または生さば)……半身1枚
しめじ……小1/2パック(50g)
セロリ……1本  
じゃがいも……1個  
白ワイン……大さじ2
小麦粉……少々
 A白ワイン、レモン汁……各大さじ1/2
 A鶏がらスープの素……小さじ1/2
 Aこしょう……少々
 B塩、こしょう……各少々
オリーブ油……大さじ1
レモン(半月切り)……1/2個

【作り方】

(1)さばは白ワインを振って水けをふき、そぎ切りにする。

(2)しめじは石突を取ってほぐす。セロリは筋を取って斜め薄切り、葉はざく切り。じゃがいもは1cm厚さに切ってから薄切りにし(短冊切り)、水にさらして水けをきる。

(3)フライパンにオリーブ油を熱し、さばに小麦粉を振って入れ、空いているところでしめじを焼きつける。さばの上下を返して焼き、ほとんど火が通ったらじゃがいも、セロリの軸を加えて炒め合わせ、じゃがいもが透き通ったらAを振って強火にしてサッと炒め、味を見て足りなければBをふり、セロリの葉を入れ混ぜて器に盛る。レモンをのせる。

レモンタンドリー

 漬け込み時間いらず! レモンとマヨでしっとりジューシー。

レモンタンドリー

材料/2人分
鶏むね肉(皮なし)……大1枚(300g)
 A塩……小さじ3/5
 Aレモン汁……大さじ1
 Bにんにく(すりおろす)
 Bしょうが(すりおろす)……各1かけ分
 Bヨーグルト、マヨネーズ…各大さじ1
 Bカレー粉……小さじ1~1強
レモン……適量
セロリ……1/2~1本

【作り方】

(1)鶏肉は水けをふき、繊維を断ち切るように、ひと口大の8mm厚さのそぎ切りにする。

(2)ボウルに入れてAをからめ、Bを加えてよく混ぜる。

(3)トースターの天板にアルミホイルをしき、20cm角にクッキングシートをしいて(2)を汁ごとのせて並べ、火が通るま8~10分焼く(耐熱皿や、グリルの天板にのせて焼いてもOK。フライパンの場合は肉を焼き、つけ汁をからめて)

(4)くし形に切ったレモン、筋を取ってスティック状に切ったセロリとともに器に盛り、レモン汁をしぼっていただく。

PROFILE●今泉久美さん●料理研究家、栄養士。女子栄養大学 栄養学部卒業。女子栄養大学栄養クリニック特別講師。読売新聞『きょうのひと皿』、全国農業新聞『今泉久美の簡単レシピ』を連載中