7月1日(現地時間)から4日間にわたって開催された、北米最大級のアニメイベント『2022 AX ANIME EXPO』が幕を閉じた。コロナ禍の影響もあって、今年は3年ぶりの対面開催が実現しただけに、世界中から10万人以上(主催者見込み)のアニメファンがLAに押し寄せたのだった。
チケットは全て前売りで完売する盛況ぶりで、国内外のアニメファンにとってエキサイティングな4日間になったことは間違いない。アメリカでも映画が大ヒットしたアニメ『鬼滅の刃』も出展されたこともあって、日本からもツアーで参加する熱心なファンも多くいたようだ。
そんな来場客の中で、同じく日本からLA入りしたと思われる“アニメファンではない別のファン”がヒートアップする様が現地で報告されて……。
「AX(アニメエキスポ)には花江夏樹さんも含めた世界中の声優や、アニメクリエイター、インフルエンサーやパフォーマーがゲスト出演して特別ステージを盛り上げました。ファンにはたまらない催しですよ。そして閉会式も含めた3日間で、同じゲストとして登場、パフォーマンスを披露したのが『Travis Japan』でした」(アニメ専門誌編集者)
ジャニーズ事務所の7人組アイドルグループ『Travis Japan』は、マイケル・ジャクソンの作品も手がけた、振付師のトラヴィス・ペイン氏によって選抜されたグループ。CDデビューも目される彼らだが、本場のエンターテイメントを学ぶために2022年3月よりロサンゼルスに留学している。
現地で共同生活を送りながらレッスンや語学習得に励み、並行してイベントやダンスコンテストにも参加しては“その日”のためにスキルを高めている。今回のAXもまた、世界中のオーディエンスへのアピールの場として事が運んだのだろう。
最前列でもアニメに退屈そうに
日本では久しくお目にかかれないステージを“生”で見られる、7人に会える貴重なチャンスだけに、“トラジャ”ファンもチケットを入手してLAに飛んだとしても致し方ない。当然というべきか、彼女たちのお目当てはAXではなくトラジャだ。
「LAに滞在する日本人も含めてでしょうか。現地で目撃されたという女性たちの様子が英語でツイートされているのですが、それらをまとめると、どうも連日にわたってホールの前列をキープしておきながら、“お目当てのアイドル以外には興味を示さずに退屈そうにしていた”と。
またジャニーズファン御用達の“ペンライトを持ち込んでいた”ファンもいたみたいで、確かにピカピカ光らせては邪魔かもしれませんね。と、ここまでは“少々マナーがよろしくない”だけで済みますが、“前列をキープしていた”ところが問題とされているのです」
とは、海外のエンターテイメント事情に詳しい芸能ライター。彼女たちの何が問題視されたのか、騒動後に投稿されたツイートの一つを読み解くとーー、
座っていたのは障がい者用の席か
《May all the #TravisJapan fangirls who abused the ADA support system for @AnimeExpo to get front row seats for Main Events first thing in the morning (despite not caring about anything other than closing ceremonies) rot in hell.》
「簡単に訳しますと、“(トラジャが出演する閉会式以外は興味ないのに)朝一番にメインイベントの前列の席を確保するために、AXの『ADA』サポートシステムを悪用したトラジャファンは皆、地獄に落ちろ”と、かなり強い言葉で非難する様子が伺えます(苦笑)」(前出・芸能ライター、以下同)
“ADA”とは、“障害を持つアメリカ人法”という障がい者の生活を守るための法律のこと。つまりAXでの前列は“障がい者のため”に用意された優先席で、そこを連日にわたって陣取る若い女性たちがいたということのようだ。
「他にも、同じく英語で“彼女たちが障害を持っているようには見えなかった”“注意をしたら怒鳴られた”“杖を持っている人から席を奪っていた”などと、にわかに信じがたい“証言”も投稿されて……。もちろん、ごく一部のファンの言動なのでしょうが、一連の騒動はすでに日本でも広まっているみたいですね。
それにロサンゼルスで場数を踏んできたメンバーならば、もう“前列”の意味は把握しているでしょう。ステージ上から彼女たちをどんな気持ちで見ていたのか」
日本が世界に誇る“クールジャパン”コンテンツの一つであるアニメ。その世界的な祭典でパフォーマンスを披露した、これから日本アイドル界のみならず世界での活躍が期待されるTravis Japan。応援するファンもまた、世界に誇れるマナーを身につけてほしい。