彬子さま

 秋篠宮家の長女・眞子さんの結婚で独身の女性皇族は5人になった。今と未来の皇室をお支えになる一員でありながら彼女たちも一般人と結婚されれば
皇族の身分を離れることに……。揺れるお立場にあるプリンセスたちの華麗なるプロフィール【未婚女性皇族ワイド・彬子さま編】。

 三笠宮寛仁さまと信子さまの間にお生まれになった長女・彬子さま。寛仁さまが亡くなって10年を迎えた今年6月、『ひげの殿下日記』(小学館)を監修・出版された。

亡き父の思いに応えられて

「父の遺志を継ぎ、三笠宮家を継承するという覚悟が感じられます。学者肌で積極的。とにかく行動的という印象です」(象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院の河西秀哉准教授)

 学習院大学卒業後、イギリスの『オックスフォード大学』に6年間留学した彬子さまは、女性皇族としては初めて博士号を取得。'12年には、“本物の日本文化にふれる機会を提供したい”との思いで『心游舎』という一般社団法人を設立された。

「寛仁さまの公務を引き継ぎ、'13年に『日本・トルコ協会』、今年3月には『日英協会』の総裁に就任されました。複数の総裁職を担うだけでなく、日本美術史の研究を続け、多岐にわたる活動に取り組まれています」(皇室ジャーナリスト)

 前出の本の中で、寛仁さまは娘たちのことを《素敵なのは、三十六~三十八歳も年齢差のある二人の娘が、父親の仕事を理解して、極く当たり前の顔をして永年に亘って協力を惜しまないこと》と綴られており、それに応えるように激務をこなされている。

おじいさまが彬子さまの道しるべ

「7月7日に『日本・トルコ協会』の事務局長、8日には'19年より名誉総裁を務める『日本ラグビーフットボール協会』の会長などと面会されたと思えば、9日は国立競技場でラグビーの試合をご観戦。意欲的な姿勢から“私が皇室を離れれば、ほかの皇族の負担が増えてしまう”というご自覚もうかがえます」(前出・ジャーナリスト)

 忙しい日々の中でも周囲への気配りは欠かさない。

「交友関係は広く、今もお会いになる級友には、百貨店にある有名店の焼き菓子を贈られることもあるそうです。彬子さまはスイーツにも詳しく、そうしたプレゼントを選ぶ時間も楽しんでおられるのでは」(三笠宮家関係者)

彬子さまの祖父にあたる三笠宮さま

 もう1つの“楽しみ”が、10月から学習院大学史料館で開かれる『ある皇族の100年―三笠宮崇仁親王とその時代』という展示会。'16年に100歳で亡くなられた三笠宮さまは、彬子さまの祖父にあたる。

「彬子さまは、毎日新聞の取材に“学者である祖父の存在があったからこそ今の私がある”と語られたことがあります。古代オリエント史の学者だった三笠宮さまの存在は今も研究活動を続けられる彬子さまの道しるべ。今回は、ご遺品を中心とした展示になると思われ、おじいさまの面影を感じられることが励みにつながるでしょう」(同・前)

 “元気の源”にも、彬子さまのお人柄が表れている。


河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ─「象徴」への道程』(吉田書店)など著書多数