瑤子さま

 秋篠宮家の長女・眞子さんの結婚で独身の女性皇族は5人になった。今と未来の皇室をお支えになる一員でありながら彼女たちも一般人と結婚されれば皇族の身分を離れることに……。揺れるお立場にあるプリンセスたちの華麗なるプロフィール【未婚女性皇族ワイド・三笠宮家・瑤子さま編】。

 彬子さまの妹である瑶子さまは、小学5年生から始められた剣道が五段の腕前。一方、20代から低い音や高い音の一部が聞き取れない『感音性難聴』を患っておられる。
昨年12月には、“声と音のバリアフリー”を目指すNPO法人『日本ユニバーサル・サウンドデザイン協会』の名誉総裁に就任された。

『日本赤十字社』の職員として常勤も

 同協会で理事長を務める中石真一路さんは、こう語る。

「'18年より私的なご視察として、全国の医療機関や介護施設など、高齢者や難聴者による対話に課題がある現場へご一緒しております。そこで当事者の声に真摯に耳を傾けられ、質問や対策について積極的に意見してくださいます」

 名誉総裁として初の公務は、今年3月の講演会。ご自身の難聴について、近くで護衛にあたるSPと会話がかみ合わず「まぁ、いいや」と意思の疎通を諦めることがあるなどと率直に語られた。

「瑶子さまには、周囲へのご配慮とお優しさ、さらにユーモアを強く感じます。
重度の障がいがありながら教員を目指していた1人の女性に寄り添い、彼女が教員となるまでサポートされたことがありました。障がいがあるゆえにチャレンジできない環境を改善していきたいとのお考えです」
(中石理事長)

 成年会見では「父が力を入れている障がい者福祉のお手伝いが主にできれば」と述べ、'06年から'12年にかけて『日本赤十字社』で常勤の職員として勤務されていた。

お父さま譲りの「ユーモアセンス」

「寛仁さまから引き継ぐ形で『友愛十字会』や『国際ユニヴァーサルデザイン協議会』の行事に臨席するほか、'13年には『東京モーターショー』の総裁にもご就任。ご自身の運転技術を向上させる意欲について“後ろの警備の車を引き離したい”と語られていました」(皇室担当記者)

 そんな等身大のトークが魅力で「私は皇族の中であまりメジャーなタイプではない」と“自虐”されたことも。

墓所祭に参加される瑤子さま

「愛子さまや佳子さまが同じようなご発言をされたらハレーションを起こしかねませんが、天皇家から少し離れた宮家では自由な言動が許容される傾向にあります。ご自身がなさりたいように取り組むことが、ひいては皇室の多様性を生むことになるでしょう」(象徴天皇制を専門とする、名古屋大学大学院の河西准教授)

 ざっくばらんな姿勢が愛された寛仁さまが想起される。

「お父さま譲りのユーモアのセンスは、皇室と国民との距離を縮める大切な役割を果たしています」(前出・記者)

 親しみやすいキャラクターが広まれば、皇室全体のPRにもつながりそうだ。


河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ─「象徴」への道程』(吉田書店)など著書多数