「小さい時から、ずっと楽しいことを探しています」
タレント、俳優、歌手だけでなく情報番組のMCやコメンテーターとしても活躍中の上地雄輔。
4日にスタートした連続ドラマ『ちょい釣りダンディ』(BSテレ東毎週月曜深夜0時~)では、主人公・檀凪子(臼田あさ美)が勤める建築設計事務所の社長を演じる。
阿鬼乱太原作の人気コミックをドラマ化。会社帰りや仕事の合間に“ちょい釣り”を楽しむヒロインとその周りの人間模様を描く。
上地演じる天王寺は、凪子の仕事ぶりを評価し趣味についても理解を示す。
「理想の上司のイメージは、その人の可能性をどんどん増やして選択肢を与える。その選択がどういうふうにしたら成功するのか、どうしたらよくなるのか。自分がわかる範囲でひとつでもふたつでも言いすぎることなくアドバイスできる人です。
僕自身の理想の上司は恩師でもある(母校の)横浜高校野球部の渡辺(元智)監督。いまだに交流があり魅力的ですてきな方です」
上地雄輔のキャリアの変化
テレビ東京では情報番組『よじごじDays』(月曜~金曜午後3時40分~)の火曜日MCを担当し、『ひるおび』(TBS系月曜~金曜午前10時25分~)では金曜日コメンテーターを務めている。
「MCやコメンテーターというより、その役と場所を与えていただいている感覚です。緊張感はありますが、肩肘張らずにその場で楽しめることや学べることは何かというワクワクしかないです。
ただし役作りと同じように下準備はします。コロナ禍、参議院選、海外では戦争といったニュースや話題について目を向けて耳を傾けることをしています。(番組では)専門家ではないので詳しいことは言えないけど疑問や不思議に思ったことは聞くようにして、自分が思ったことは伝えたいと思っています」
高校野球の名門、横浜高校野球部出身。“平成の怪物”松坂大輔の先輩で高校時代はバッテリーを組んだこともある。
スカウトをきっかけに芸能界入り。バラエティー番組『クイズ!ヘキサンゴンⅡ』でブレイク、番組ユニット『羞恥心』でNHK紅白歌合戦にも出場した。タレントだけでなく俳優としてドラマ『ROOKIES』や大河ドラマ『天地人』、映画『のぼうの城』『新宿スワンⅡ』などに出演し“遊助”のアーティスト名で音楽活動も。
多方面でキャリアを重ねて芸能生活は20年以上に及ぶ。
お金を積まれても絶対戻りたくない
「心境の変化? 芸能界に限らず20代は若さゆえの許される範囲があると思う。生意気と言われたことを貫き通すと30代は個性になるけど、そのままの40代はわがまま、偉そうと思われると感じています。
高校の同級生に会った時と、大人になって会社の人に会う時とキャラクターが変わるというのは誰しもあることだと思いますが、僕自身はバラエティー、ドラマ、情報番組などその場での立ち位置や役割を自然にやることで、いつでも変わらない上地雄輔といわれる要因のひとつになっていると思います」
そんな上地について20年の付き合いのある臼田は「物おじしない。どんな状況でもドンと構えている」とブレない姿を明かす。
ワクワクを探し続ける上地のビジョンとは?
「どんなにお金を積まれても野球をやっていたころには戻りたくないし、40代になって20代、30代に戻りたいかと言われても絶対に戻りたくないです。そういう50代になりたいです。今がいちばん楽しい。そういう状況に自分が常にいられるようにしたいです。
どんな状況でも楽しまなくちゃ損だと思う。バイトをしていたときもそうでした。芸能界に固執はしていなくて別の仕事をしていても楽しんでいたと思うし、その自信だけはあります」
ドラマのテーマ“遊び心を忘れてしまった大人たちに捧ぐ”をすでに体現している。
太公望に目覚めた!?
実家の前は海で祖父が船乗りという環境で育った上地。
「幼いころは釣りをしている人を見てボーッとしていて何が楽しいのかと思っていました。でも今回のドラマで釣りと向き合ってみて、釣りざおを下げている感覚には広い海の世界を地上にいながら触れられている喜びがありました」