今、相次ぐ値上げラッシュが家計を直撃。年間約7万円の負担増との試算もあり、毎月のやりくりに頭を抱える人も多い。ところが、この苦境を物ともしない主婦たちがいる。少ない投資で懸賞を当てまくり、家計をガッツリ支える“懸賞プロ主婦”だ。
なかには、月に20万円分を懸賞で稼ぐ達人も。さぞかし大量の応募はがきで、高額賞品ばかりを狙い撃ちしているのだろう、と思いきや、総獲得当選額が2000万円を超える2人の懸賞プロ主婦は、
「基本、1懸賞にはがき応募は1口のみ」(めぐめぐ。さん)
「ネット懸賞では、10円単位の電子マネーなど小額賞品でもコツコツ応募します」(ハルサラママさん)
と、意外に堅実な回答。聞けば、「幅広く応募したほうが当たりやすいうえ、多口応募は、当たらなかったときのショックが大きい」、「小額でも“当たりグセ”をつけることがモチベーションの維持になる」などが理由のようだ。
訪れるスーパー自体を見極めることも重要
さらに、やりくりに直結するような当選品を目がけて応募することが家計を守る“懸賞プロ主婦”の心眼。ライバルが多い5千円の商品券より千円の商品券、コンビニのスイーツやドリンクが当たる毎日応募可能なネット懸賞、映画や遊園地の招待券などレジャー費を賄えるものを狙う。
懸賞生活を約10年続けているみほぷーさんは、「大物を狙いすぎないことが結果として家計の助けになる」と、主婦として懸賞生活を続けるための心得を断言する。加えて、懸賞主婦たちが口をそろえるのが“スーパーこそ、懸賞の宝庫”との金言。
「特に、スーパーが食品メーカーなどと共催する懸賞は、レシートをはがきに貼るなど、応募がスーパーの利用者限定なので当たりやすい」(ハルサラママさん)
というから、値引きシールを血眼になって探すより、まずは設置されている応募はがきのラックをチェック。
「スーパーによって置いてある懸賞はがきの数、懸賞内容、実施時期が違うので、訪れるスーパー自体を見極めることも重要」(めぐめぐ。さん)
例えば、同じ食品のタイアップ懸賞でも、開催するスーパーにより当選金やWチャンスの有無、必要条件が異なる。また、応募用件を満たしたレシートは可能な限り“使い倒す”のがプロ主婦のワザ。
「1枚のレシートで複数の懸賞に応募できる場合も多いので、ムダなく有効活用しています」(ハルサラママさん)
家事の一環として、上手に懸賞を楽しんでいるプロ主婦たちに、“当てるルーティン”を教えてもらおう!
“懸賞プロ主婦”のルーティン8選
懸賞で月数万円以上を当て続ける達人主婦たち。家事も懸賞もコスパよく&効率化で招福!
ルーティン<1> ネット応募はスキマ時間でこなす
家事をしながら月間100を超える懸賞に応募する“懸賞プロ主婦”たちの応募作業は、効率のよさを重要視。家事の合間にサクッと応募できるネット懸賞は「締め切り月別に分け、スマホにメモ」(めぐめぐ。さん)が基本。
SNSでRT(リツイート)やフォローだけで応募できる懸賞は、情報をイチ早く得られるよう、普段から懸賞を開催している企業のアカウントをフォローしておく。
「ツイッターでは、懸賞用に5千近くの企業をフォロー。RTだけでOKの懸賞に、毎日100件ほど応募しています。毎朝20分程度でできますよ」(ハルサラママさん)
情報収集も空いた時間に。
「全国規模で開催している懸賞の情報はブログや懸賞情報サイト等でチェックするのが効率的です」(みほぷーさん)
ルーティン<2> スーパーで応募はがきをチェック
“スーパーでは真っ先に応募はがきを確認する”のはケーマー(懸賞マニア)主婦の常識。店によっては、目立たない場所や対象商品のそばに懸賞はがきが置かれる場合もあるので「最初に店内をぐるりと回る」(みほぷーさん)ことが習慣に。さらに、複数のスーパーを訪れて、より多くの懸賞はがきをゲットする。
「月に1回、懸賞仲間と10軒ほどのスーパーを“はしご”して、懸賞はがきを集めています。集めたはがきはスーパー別に分けてファイルボックスに保管して応募しやすくしてます」(めぐめぐ。さん)
ルーティン<3> 献立は懸賞優先で決める
スーパーの懸賞によくある“対象商品を●円分買って応募”という条件は、クリアするのに苦労しないの?
「懸賞の対象商品に合わせて献立を決めています(笑)。ハムの懸賞があれば、ハムを使った献立に。“○○が当たるから”と伝えると家族も嫌な顔をせず協力してくれます!」(めぐめぐ。さん)
「応募に必要な商品購入金額が高めで悩んでいると“ウインナーなら食べるよ”と子どもたちが後押し。一気にウインナーを10袋買って応募したこともあります(笑)」(ハルサラママさん)
朝はヨーグルト、夜はハム……なんて、食卓と懸賞内容がリンクするのはケーマー主婦家庭では“あるある”。でも、家族と懸賞情報をシェアし、家族を巻き込んで応募を楽しませるのが達人主婦の腕の見せどころなのだ。
ルーティン<4> 懸賞用の写真を撮影
最近増えているのが「フォトコンテスト」といって、テーマに沿った写真を投稿して応募する懸賞。ここでも、日々の備えは抜かりなし。花火大会やハロウィーンなどのイベント写真は、コンテストのお題になりやすいので、前もって撮りためておく。それに加え、狙うは“珍しい光景”とハルサラママさん。
「日常で偶然見つけた驚きのある写真は、撮ろうと思って撮れるものではないので、当たりを引き寄せやすいと思います。以前、レンコンの切り口がゾウの形に見えたので撮影しておき、“日常のちょっとした驚き”というテーマのフォトコンテストに応募したら、10万円の掃除機が当たりました!」
一方、旅先の思い出写真も懸賞に活用。
「地方のご当地グルメや特産品の写真をSNSに投稿して応募できるものもあります。旅行先の観光協会や地方紙などが主催の懸賞は狙い目なので、現地のフリーペーパーなどは必ずチェックしています」(みほぷーさん)
ルーティン<5> レシートはその日のうちに整理
スムーズな応募のために、レシートの整理もクセづけするのがマスト。
「買い物から帰ったら、財布から懸賞応募に使えるレシートだけを取り出して保管しています」(みほぷーさん)
商品についている応募に必要なマークやバーコードも定位置にきちんと保管。
「家事の合間にパッと切って取っておけるよう、キッチンに一時保管場所を作っています。家族もお菓子の応募券などを自分で切って入れてくれますよ」(めぐめぐ。さん)
ある程度たまったら、商品ごとに仕分けも必須。毎年同じ時期に懸賞キャンペーンを行なっている商品は、1年を通じてマークやバーコードをしっかりと集めておくこと。
ルーティン<6> 家族への感謝を忘れない
応募マークを切る、対象商品を探すなど懸賞生活は“家族の協力なしには成り立たない”とプロ主婦の3人。
「遊園地や旅行など家族で楽しめるレジャー系の賞品を狙います」(めぐめぐ。さん)
「スタバのドリンクチケットが当たったら、高校生の娘に」(ハルサラママさん)
など、当選の喜びは家族でシェアするよう心がけている。
「家族が当選を喜んでくれることで、懸賞へのモチベーションがアップ。家族も積極的に応募に協力してくれるので、結果的に当選が増えます!」(みほぷーさん)
ルーティン<7> 当選の記録をつける
次なる当選を引き寄せるには、当たって終わりにしないこと。プロ主婦たちは、家計簿のごとく当選の記録も欠かさない。
当選品と当たったときの感想をインスタグラムに投稿しているみほぷーさんは、“当選日記”は次の応募の手がかりになると指摘。めぐめぐ。さんも毎週YouTubeで当選品の報告をしている。
「いつ、どんな懸賞があったか、どんな応募方法で当たったか記録しておくと役立ちます。また、当選数や当選総額を書くことで、達成感や幸福感がアップ。より楽しく継続できます」(みほぷーさん)
「応募期間のどのタイミングで応募して当たったかの記録も、次の当たりにつながります」(めぐめぐ。さん)
ルーティン<8> デコはがきは前もって書いておく
読みやすさと適度な個性が必要なはがき懸賞は、「子どもが寝た深夜に」(めぐめぐ。さん)など、1人の時間に集中して作業。いつでも応募できるように、デコはがきのストックも用意しておく。
「当選品に合わせて食べ物系、音楽系、旅行系など絵柄を分け、スタンプやマステでデコ。常に250枚ほど作り置きしています。住所や名前など、必須事項も先に記入して準備」(ハルサラママさん)
切手にもこだわりを。みほぷーさんは季節に合った「春夏秋冬のグリーティング」シリーズ切手がお気に入り。
「キャラクター切手は、懸賞を開催する企業が別のキャラクターでCMを展開している場合もあるので注意が必要」
◎家計を助ける! 当てる主婦の3か条
<1>小額賞品をあなどるなかれ
賞品が500円の商品券でも、数多く当たれば月数千~数万円に。大物を年に1回当てるより、当選数を増やすことが大事!
<2>狙い目スーパーを見極めよ
スーパーは懸賞情報が満載。店によって懸賞はがきの設置数や懸賞の内容、当選品に差があるので日頃からリサーチを
<3>レシート1枚でたくさん応募
応募用レシートははがきに貼って応募する前に、撮影してネット懸賞用に使い回しを。1枚で7~8口応募できることも!
コレ、ケーマーの常識です! 狙い目懸賞の見つけ方
毎日1回応募系
ペットボトル飲料にはラベルのバーコードを読み込んで毎日抽選が受けられる懸賞が。1度買えばその商品のバーコードを使い回して何度も応募できるのでおトク
地域限定店舗が主催
全国展開の店より、店舗数が少ない地域密着型のスーパーやドラッグストアが行う懸賞は、ライバル=応募数が少数に
地方のフリーペーパー
旅行先では観光案内所や駅にある冊子やフリーペーパーで懸賞の有無をチェック。その土地ならではの個性豊かな賞品に出会える。こちらも、全国展開より当選に有利
応募期間が短い懸賞
応募期間が1か月など短く、当選金額が1000円程度の懸賞は応募を諦める人が多くなりがち。必然的に当たりやすくなるので見逃し厳禁!
◎情報収集はココで!懸賞主婦のオススメ
★個人の懸賞ブログ
Amebaブログの「懸賞生活・モニター」ジャンルの総合ランキングで5位くらいまでにランクインしているブログをチェック
★懸賞情報サイト
「とらたぬ情報」https://www.mechatoku.com/ckensho/index.php
★新聞の情報サイト
「朝日マリオン・コム」https://www.asahi-mullion.com/
教えてくれた懸賞プロ主婦たちは……
●30代。2人の娘の子育てをしながら、はがき懸賞は月120枚程度、ネット懸賞は数多の応募をこなす。当選品は月100個超え。ブログは「新めぐめぐの懸賞当選ブログ(懸賞の達人)」●うれしかった当選品は「大型テレビ」
●小学生~高校生までの3人を育てる40代。次女の妊娠を機に懸賞歴は14年。ネット懸賞は毎日100件ほど応募。月10万円以上を当てる。ブログは「ハルサラママの懸賞&育児生活」●うれしかった当選品は「現金100万円」
●30代の夫婦ふたり暮らし。懸賞歴は約10年。月2万~3万円を継続して当てている。文具好きの趣味も生かしたはがき応募が得意。当選品はInstagram(@miho_rosetea423)で発信●うれしかった当選品は「沖縄旅行」
取材・文/河端直子