ワンパターンになりがちな厚揚げの、新しい食べ方バリエを一挙ご紹介。実は洋風にも中華風にも、さらにエスニック料理にも、相性バツグンなんです!
ボリュームおかずやおつまみ向き
身近な食材の厚揚げですが、いつも同じ食べ方になってしまいがち。普段とはちょっと違う、目新しい厚揚げメニューを料理家の重信初江さんに教えていただきました。
厚揚げのいいところって?
「豆腐にはない油のコクがあるのが厚揚げ。食感もしっかりしていますから、ガッツリ系のおかずやおつまみにはまさに最適です。生野菜と合わせたサラダもさっぱりしすぎず、食べごたえが出ますね」
ただし、おいしく食べるにはいくつかコツがあるそう。
「表面の油は少なからず酸化しているので、身体にはあまりよくありません。調理前にキッチンペーパーで軽く押さえるなど簡単に油抜きし、加熱してから食べるのがおすすめです。また、時間が経つと厚揚げから水けがしみ出てきてしまうので、ぜひできたてを食べてくださいね」
タンパク質やカルシウムも豊富
油揚げのような香ばしさがありながら、豆腐の風味がしっかり感じられる、まさに“いいとこ取り”の厚揚げ。その栄養について、管理栄養士の森下久美子さんに聞いてみると、
「厚揚げは、豆腐を水きりしてから油で揚げたもの。そのため、同量の豆腐と比較すると、成分がギュッと凝縮されているので、タンパク質は約2倍。カルシウムも鉄分も約3倍。またイソフラボン量もやや多いことから、特に女性にはおすすめですよ」
ダイエットのための食事指導もしている森下さんからもお墨付き。
「肉の代わりにかさ増し食材として使うのもいいですね。もちろん、揚げている分カロリーは上がるので、気になる人は湯通ししてカロリーオフを。豆腐よりも味がしみやすく、調理の際に崩れにくいのも魅力です」
用途に合わせて使い分けて
最近はスーパーでも、いろいろなタイプの厚揚げが並んでいます。一丁を半分に切って揚げたハーフサイズや、ひと口大のミニサイズ。さらに、絹ごし豆腐を揚げた「絹揚げ」はもっちりとした食感でハマる人も多いとか。お好みや用途に合わせて使い分けてみてください。
意外にもさまざまな料理にアレンジできる厚揚げの魅力を、あらためて感じられますよ。
お手軽! 5分でできちゃう厚揚げレシピ
にんにくオイルがしみてワインにぴったり
えびと厚揚げのアヒージョ
材料と作り方(2人分)
(1)厚揚げ1枚はひと口大にちぎる。マッシュルーム4個は半分に切る。ともにボウルに入れ、[むきえび120g、白ワインまたは酒大さじ1、塩小さじ1/3、粗びき黒こしょう少々]を加えてサッとあえる。
(2)小さめのフライパン(または直火にかけられる耐熱皿)に、薄切りにしたにんにく1片分、(1)を入れ、具がひたひたになるくらいのオリーブオイル(約100ml)を注ぐ。
(3)中火にかけて煮立ったら弱火にし、上下を返しながら3〜4分煮る。粗びき黒こしょう少々をふる。
ランチにイイ!ふわふわ食感どんぶり
明太卵とじ丼
材料と作り方(2人分)
(1)厚揚げ1枚は半分に切ってから5mm厚さの薄切りにする。玉ねぎ1/4個は2~3mm厚さの薄切りにする。辛子明太子60gは5mm幅に切る。
(2)フライパンに[麺つゆ(3倍濃縮)大さじ1と1/2、水150ml]を入れて中火にかける。煮立ったら(1)を入れ、弱火で1~2分煮る。溶き卵2個分を回し入れ、好みのかたさになったら火を止める。
(3)どんぶりに盛ったご飯適量の上にかける。
メインを張れる!厚揚げでボリュームおかず
ヒラヒラ野菜と重ねてオーブン焼きに
ズッキーニと厚揚げのラザニア風
材料と作り方(2人分)
(1)厚揚げ1枚は7~8mm厚さに切る。ズッキーニ1本はピーラーでリボン状にスライスする。
(2)ミートソース1缶(市販・約300g)、ウスターソース大さじ1/2を混ぜ合わせる。
(3)耐熱皿に厚揚げの半量を並べ、ズッキーニの半量、(2)の半量の順に重ねる。残りも同様に重ね、ピザ用チーズ50gを散らす。
(4)温めたオーブントースターに入れ、焼き色がつくまで8~10分焼く。
ハーブが香る!イタリア風フライ
厚揚げの生ハムバジル揚げ
材料と作り方(2人分)
(1)厚揚げ1枚は3等分に切ってから厚みを半分に切る。塩・こしょう各少々をふる。
(2)厚揚げ1切れにつき、バジル1枚をのせ、生ハム1枚で巻く(計バジル・生ハム各6枚)。[小麦粉大さじ4、水大さじ3と1/2]を混ぜ合わせたバッター液、パン粉適量の順につける。
(3)フライパンにサラダ油大さじ5~6を熱し、(2)を並べて中火で2~3分揚げ焼きする。上下を返してさらに2~3分、こんがりとするまで焼いて油をきる。ベビーリーフ適量を敷いた器に盛る。
【チェック】
油抜きはペーパーで挟むだけでOK
サッとゆでてももちろんOKですが、ペーパーで挟んで油を吸い取るだけでも十分。厚手のペーパーを使い、つぶれない程度にギュッと押さえて。
重信初江
各種メディアで活躍する人気料理研究家。おふくろの味からエスニック料理まで幅広く手がける。著書に『はじめてなのに現地味 おうち韓食』(主婦の友社)など多数。
森下久美子
管理栄養士。大手ダイエットジムでの食事指導担当ののち、個別指導を開始。芸能人やアスリートまで2000人超を指導。レシピ本の監修や商品開発も手がける。