近年ジャニーズJr.のテレビ進出が盛んだ。
単発のゲスト出演は多数あるほか、HiHi Jetsと美 少年はレギュラー番組『「裸の少年」〜バトるHiHi少年〜』(テレビ朝日系)を持ち、クイズ番組などでも川島如恵留(Travis Japan)、那須雄登・浮所飛貴(美 少年)本髙克樹(7 MEN 侍)らが活躍している。
ただ有名な事実だが彼らJr.はまだ「デビュー」していない。
ジャニーズはグループとしてCDを出して始めて「デビュー」と呼ぶ。
直近では、2020年1月にSixTONESとSnow Manが同時に、昨年11月になにわ男子がCDデビューを果たした。
ファンの間では、「次にデビューするのはどのグループ?どこにデビューしてほしい?」というのがかなりの関心事。
週刊女性PRIMEが運営する掲示板『プライムちゃんねる』では「デビューしてほしいジャニーズJr.は?」というスレッドがある。
文字通り次にデビューしてほしい、あるいはすると思うグループについて語り合うスレッドで、日々熱い投稿がなされている。
“Jr.戦国時代”の盛り上がりを願い、そこから読み取れるファンの思いをご紹介したい。
Jr.たちのスキルの向上と努力を応援する傾向
まずは、なにわ男子がデビューした2021年11月12日以降の投稿で「デビューしてほしい」あるいは「デビューすると思う」グループを投票のように、どこが多く挙げられたかをカウントしてみた。結果は以下。
1位 美 少年 23票
2位 HiHi Jets 19票
3位 Aぇ! group 13票
4位 Travis Japan 6票
5位 7 MEN 侍 4票
6位 Lil かんさい 2票
7位 少年忍者 1票
上位5グループそれぞれに寄せられた主な応援コメントも紹介したい(いずれも主な部分の抜粋、原文ママ)。
美 少年
《最初は、"顔だけ"と言われてきた彼らも今では、"顔だけ"とは言えないと思います。それは、美 少年の6人が"顔だけ"と言わせないように、努力してきたからだと思います。Jrの中でもはやくから、生歌で歌うことや、ジャニーズでは当たり前かも知れないけれど、ダンスが揃ってきたりと日々、色々な面で成長していると思います。》
HiHi Jets
《2015年に結成してメンバー変遷や後輩グループに先を越される、解散危機があるなどの多くの苦難を乗り越えた今のHiHi Jetsはローラースケート、歌唱力、バラエティ力などの多くの良さがあると思います。何よりHiHi Jetsは仲良いアピールを全くしないのにものすごく絆が深くて、出会えるか企画もいつも必ず出会えているこのことがとてもすごいなと感じます。なにわやキンプリほどの爆発的な人気はすぐには出ないでしょう。しかし嵐のように徐々に人気が出て国民的アイドルグループになるのはHiHi Jetsだと思います》
Aぇ! group
《結成当初は『寄せ集め』だの『華がない』だの『なにわ男子にすべて負けてるw』だのボロクソ言われたけど、今じゃ歌もダンスもバンドもお笑いも演劇(目下勉強中)もMCも…何でも出来る実力派、Aぇ! group。特に末っ子のミラクルボンバーボーイ:佐野晶哉。こんなに変人なのに、兄たちと比べると、時折一番の常識人に見えてしまうのが、Aぇ! groupの恐ろしいところ。こんなモンスターグループ、Jrの囲いの中で安穏と暮らさせるより、早くデビューさせて世間の荒波の中に放り込んだ方がいい気がする(←褒め言葉)。》
Travis Japan
《下積みをしっかりしてるイメージがあるTravis Japanは頑張って欲しい。彼等は謙虚で努力していると思う。》
7 MEN 侍
《個人的に7 MEN 侍だと思います!音大生の矢花くん、スケボーができる嶺亜くん、SASUKEに出れる実力を持っている琳寧くん、7MENの頭脳の克樹くん、演技がうまくて面白い今野くん、ダンスもお笑いもできる大光くん、この6人がいるのでデビューに期待しても良いと思います‼︎》
全般的に言えるのは、ビジュアルに対する言及は少なめで、「歌」「ダンス」「MC力」「お笑いセンス」「個々の特技」など芸能人として生きていく上でのスキルを褒め称え、それを持って「デビューしてほしい」根拠としているということ。
『ジャニーズは努力が9割』(霜田明寛氏著)という新書本もかつて出版されたが、ファンがメンバーそれぞれのスキルの向上を重視し、その努力を応援している“いい関係”が伺える。
また、嵐を国民的グループに押し上げた要素の一つとされる「メンバー同士の仲の良さ」も変わらず意識されているようだ。
そして、グループというよりは、中村嶺亜(7 MEN 侍)、正門良規(Aぇ! group)という個人名を挙げる人も多数いた。
この2人は人気・実力を兼ね備えながら、なかなかデビューの機会に恵まれず、両名とも年齢も25歳とJr.の中では年長になってきたことからファンの方にも「報われてほしい」という思いが強いようだ。
いつかJr.の大量退所がありそうで怖い……
一方でJr.をとりまく環境や事務所の運営方針に対する苦言も見られた。
《数年前から始まった、若いうちからユニット組むやり方がよくないと思います。まあ確かに経験を積んできてデビューできる見込みがあると思われる個人個人を選抜してユニット組むならわかります。ひとりひとりのスキルが評価された上で、選ばれしもののユニットを結成するという、かつてのやり方に戻ってほしいです。仲間がいれば怖くないみたいなやり方で堕落しています。》
《今のJrはグループを大量に作りすぎたと思う。その上Jrの人数増えすぎて処理しきれてない。だからこそのヲタク同士の争いも増える一方。今のJrを捌くか、ジャニーズブランドの価値が下がってでもタレントたちの思いを汲んでリスク負ってでも次々デビューさせるかしないと、遅咲きとかの話じゃなくなっちゃう気がする。》
やはりファンにとって、慣れ親しんだJr.がデビューできずに事務所を去っていくことが一番怖いようで、「全員デビューしてほしい」や年長のJr.に対する心配の書き込みも多くあった。
《ジャニーさんは年齢とか歴関係なしにそのグループが1番輝けるタイミングでデビューさせてたよね。でも、これまでの傾向的に完璧な状態でデビューさせるのがタッキーのやり方。このままいくと20代後半のJrが増えて、いつか大量に退所していきそうで、それを考えただけで恐ろしい、、》
2018年に芸能活動から引退し、以後はJr.の育成とプロデュースという故・ジャニー喜多川さんのポジションを引き継いだタッキーこと滝沢秀明氏。2019年9月にはジャニーズ事務所副社長にも就任した。元トップアーティストから司令塔への転身という目立つ経歴ゆえ、ジャニーさんとの比較やJr.運営方針についてのファンの不満も何かと集まりがちだ。特定のJr.を“タキニ”(滝沢とオキニをもじった造語)などと呼び、「不当に優遇されている」というクレーム的な書き込みもある。
長年にわたって男性アイドルのトップ集団として、“推し”の応援を文化にまで高めてきたジャニーズ事務所、そしてその育成セクションとしてのJr.。トップだからこそファンの視線も時に厳しく、それがJr.の成長にもつながっているのだろう。これからもキラキラ感と国民的に親しまれるアイドルを生み続けてほしいもの。