「えっ、やはりそうでしたか? ニュースで見沼区の宮城という名前が出ていましたから、嫌な予感がしていたのですが……」
とかつて容疑者が住んでいた県営団地の住民は口ごもってしまったーー。
7月11日、警視庁池袋署は埼玉県さいたま市見沼区に住むアルバイトの宮城祐太容疑者(37)を殺人の疑いで逮捕した。10日から11日の未明にかけて、東京都豊島区池袋のラブホテルで、山口ふうかさん(18)の頸部を絞めるなどして殺害したというものだ。
「ふうかさんはライブやイベントを中心に活動する“地下アイドル”をしていた。昨年、メイドカフェのイベントで1日店長をしているときに容疑者と知り合った。この1年で容疑者と3回ほど会っていたようです」(全国紙社会部記者)
3回会って“カノジョ”と思い込んだ容疑者
だが、ホテルでふうかさんのスマホを容疑者が盗み見して別の男性とやりとりする通話履歴を見つけてしまう。警察の取り調べに対して容疑者は、
「“カノジョ”だと思っていた。だから怒りが爆発して、10分ほど首を絞め続けてしまった」
と供述している。
殺害後、容疑者は午前4時15分ごろ、JR池袋駅西口の交番に、「人を殺してしまいました」と自首。
署員がホテルの浴室で倒れていた山口さんを発見したが、すでに手遅れだった。
「容疑者はふうかさんを“カノジョ”だと思っていたようですが、それは一方的な思いであって容疑者の勘違いだったというのが記者たちの大方の見方です。あくまでアイドルとその追っかけファンという関係性だったのでしょう」(前出・社会部記者)
なぜこのような“勘違い”による殺人が起きてしまったのかーー。
宮城容疑者は、見沼区にある築50年の木造2階建て、家賃6万円ほどのアパートで、母親と2人で暮らしていた。近所の住民によると、
「10年ほど前から60歳を超えたぐらいのお母さんと住んでいました。息子さん(容疑者)は170センチメートルぐらいで、ちょっと小太り。会ったら挨拶はしますが、口数の少ないおとなしい人という印象です」
別の住民は容疑者親子について、
「2人とも働いてるね。すごく早朝だったり、夕方から出かけたりしていたから、24時間営業のコンビニや夜から営業する居酒屋あたりじゃないかな。容疑者は服装からして、サラリーマンという感じもしなかったから」
ゴミ出しを手伝ってくれる親切な人
また別の住民は、容疑者に対して好印象を抱いていたという。
「つい最近、私がゴミ出しをしていたら、彼(容疑者)が手伝ってくれてね。えっ、こんなに親切な人がいるのって驚いたぐらい」
容疑者は、17~22年ほど前には同区の県営団地に住んでいて、近隣住民は彼らのことを覚えていた。
「とても、そんなことする子じゃない。ただ純粋すぎるほど純粋だったからね……本当に付き合っていると思い込んでしまっていたのかも。気が小さい子だったから、今だに信じられない」
小中学校時代の同級生は、
「勉強も運動もできなくて、明るい子でもなかった。地味で目立たない子だったから、友達も少なかったと思う。彼は母子家庭で、経済的にも恵まれていなかったですが、少なくても人を傷つけたり、日常的に悪いことをしたりする人間ではなかった」
同級生はさらにこう続けた。
「付き合ってもいない二人がラブホテルに行くのだろうか。そこは不思議だなと。彼(容疑者)は最終的には罪の意識に苛まれて、自首したんでしょうね……」
いずれにしても、自らの手で命を奪った罪はあまりにも大きい。