児童からの評判は悪かった福原優理容疑者(前任校の卒業アルバムより)

「事件にはそれほど驚いていません。あの先生ならばやりそうなことだから。こういう事件があると“まさか、あの先生が……”などと語られますが、そういう気持ちは全くないですね」

 と教え子の保護者男性は言い切る。

 引率する修学旅行で入浴中の10代小学女児の裸を盗撮したとして広島県警庄原署は7月14日、庄原市立小学校の教諭・福原優理容疑者(27)を児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで逮捕した。逮捕は3度目。

 地元の記者が経緯を説明する。

「押収品から前任校での犯行が発覚したかたち。6年生のクラス担任だった昨年12月、修学旅行で訪ねた香川県琴平町の宿泊施設で大浴場に小型カメラを仕掛け、引率する女児3人の裸を動画で隠し撮りし、映像を保存していた。女児が18歳未満と知っているから『児童ポルノ』の製造にあたる。風呂盗撮がバレてはさすがに言い逃れできなかったようで、警察の取り調べに“盗撮したことは間違いありません”と容疑を認めている。“完落ち”と言っていいのではないか」

 そもそもの発端は、現在勤務する小学校の理科室に設置した“隠しカメラ”が見つかったことだった。

「福原容疑者とは別の先生の授業中、直感の鋭い児童が見つけてくれたんです。外見上はそれとわからないよう偽装工作された小型カメラでしたが、児童はなんとなく違和感を覚えたらしい。理科室は、児童が体操服などに着替える更衣室がわりの教室に使われており、報告を受けた校長は警察に被害届を提出しました」(県教育関係者)

 県警によると、最初の逮捕はカメラ発見から約1週間後の6月18日。県迷惑防止条例違反(盗撮準備行為)と建造物侵入の疑い。

 たとえ勤務校の教師であっても、正当な理由なく建物に侵入した場合は罪に問われるおそれがある。

 福原容疑者は、

「カメラを設置したのは間違いないが、指導が目的だった」

 と容疑を一部否認。つまり、授業中や自習時の児童の問題行動などをチェックする目的という言い逃れだ。

 2回目の逮捕は7月7日。

 「犯行内容は1回目の逮捕案件と同じで犯行期間が異なるだけ。4月1日ごろから同28日ごろまでの間、正当な理由なく理科室に立ち入ったとする建造物侵入の疑い。盗撮準備行為を禁じた改正県迷惑防止条例は6月施行のため、4月の行為を問う2回目の逮捕では条例違反には問えなかった。いずれの逮捕案件も処分保留となっている」

 と前出の記者。

 しかし、警察は盗撮教師を野に放つことはなかった。

家宅捜索から風呂盗撮に使ったカメラを押収

「容疑者宅の家宅捜索で複数の小型カメラを押収。映像データを精査・分析して3度目の逮捕にこぎつけた。風呂盗撮に使ったカメラはそれとわからない形状をしており、自宅には3件の犯行に使っていない小型カメラもあった」(捜査関係者)

 前任校に通う児童の母親は、

「事件が起きるまでそんな先生がいたとは知らなかった。警察には悪事を全部暴いてほしい」と憤る。

 福原容疑者は東広島市出身。東大・京大への合格実績がある中・高一貫の進学校から県内の大学に進み、教師の道へ。

 2018年4月に初めて着任したのが前任校だった。おもに高学年のクラスを受け持ち、丸4年となる今年4月に現在の勤務校に転出。転任早々、カメラを設置するため理科室に忍び込んだことになる。

 どのような教師だったのか。

ピースサインする福原優理容疑者(本人のSNSより)

 前任校の卒業生男子は、

「ほんまにヤバい先生でした」と振り返る。

「教室で膝の上に女子を乗せて喜んだり、廊下の真ん中で女子のうしろから覆いかぶさるようにハグしたまま歩いていることもありました。先生がこんなことしていいんかな、と思いましたが、先生を注意するわけにもいかないので。女子は“すぐ触ってくるからキモい”と言っていた。僕らは陰で福原のことを“セクハラ”と呼んでいました」(同男子)

 身長170〜175センチ前後のやせ型。いつもスーツ姿で男女差別がひどかったという。

男子生徒にはヤクザみたいに怒鳴る

「男子にはすぐ怒鳴るんです。“おい、廊下を走るな!”“しゃべんな!”とか野太い声で威圧してヤクザみたいでした。変なことでキレることもあって、同じことを女子がやっても怒らないんです」

 と別の卒業生男子。複数の卒業生やその保護者によると、ほかにも女子児童と肩を組んだり、髪の毛を触ったり、手をつないだり。

「触られた女子はふざけて応じていたけど、本当は嫌だったんじゃないかな。人前でハグされたり、膝の上に座らされて恥ずかしそうだったから。最初に逮捕されたとき、カメラを設置した理由を“指導目的”と言っていると報じられましたが、絶対ウソだと思っていました。給食の時間、赤いカメラで女子を撮影していることもありました」(別の教え子)

 女子児童への過剰なスキンシップは保護者のあいだでも問題視され、学校に対処を迫る保護者もいたという。

 今春の異動直前、福原容疑者はなぜか頭髪を丸刈りに。児童には「夏が来たら暑くなるけ」と説明したらしい。

 三次市内の賃貸アパートでひとり暮らし。2DKで家賃は月約5万〜6万円。フロントグリルがいかつい白色の国産ミニバンで学校に通っていた。

 同じアパートの住人はこう話す。

「教師とは知らなかった。たまに男友だちが遊びに来ていて、酒を飲んでいる様子もないのに夜から朝までずっとしゃべっていた。おしゃべりが好きなのか、帰宅するときもスマホをスピーカーフォンにしてしゃべりながら歩いていた。風呂でもスピーカーフォンで話していて室外まで声が響いていた」

 女性が訪ねてくるのは見たことがないという。

 今春、転任したばかりの勤務校でもさっそく悪評が立った。

「女の子によくボディータッチしとったらしい。新学年から2か月ちょっとで担任交代になった子どもたちはかわいそうだが、早い段階で犯行に気づけたのはよかった。事件発覚後、前任校の保護者から福原容疑者を問題視する声が三次市教委まで上がっていたと知り、どうしてそんな大事な情報をこっちに伝えてくれなかったのか信じられない」

 と在校生の保護者。

福原優理容疑者の勤務する小学校には激震が走った

 事件を受け、三次市教育委員会の迫田隆範教育長は、

「盗撮という極めて卑劣な行為によって被害を受け、尊厳を深く傷つけられた方、保護者の方に当時の服務監督者として心からおわびを申し上げます。二度とこうした事象を生起させないため再発防止に向けて教職員の指導を徹底します」

 などとコメント。

 三次市教委に、福原容疑者の女児への接し方について保護者から問題視する声が届いていないか確認すると、

「内容は言えませんが、福原容疑者の指導に対する保護者のご意見はゼロではない。校長を通じて何回か報告がありました」(三次市教委・教育指導係)

 と歯切れが悪い。

 そうした意見があったことを転任先の庄原市教委に伝達したか尋ねると、

「福原容疑者に限らず、転勤させる際には教諭の基本的な情報は転任先に申し伝えています。福原容疑者について、どのような話を伝えたかは言えません」(同係)

 と曖昧だった。

 一方、庄原市教委の牧原明人教育長は、

「教員が教室に小型カメラを隠して設置し、盗撮しようとする悪質で許せない行為に強い憤りを覚え、今後、二度とこうしたことが起きないよう、また、教員1人ひとりがその職責を深く自覚し、自らを厳しく律することができるよう、毎日の生活を見つめ直すとともに、さらに研修などを重ね指導の徹底をはかってまいります。また子どもたちの現状をしっかりと受け止めながら、心のケアにつとめ、確実に前に歩を進めるよう失った信頼を回復できる営み・実践を全力で努力してまいります」

 とコメント。

 庄原市教委に、福原容疑者の女児への過剰スキンシップ情報が三次市教委から伝わっているか尋ねると、

「福原容疑者の女児への接し方について、保護者から問題視する声があったとは聞いていませんでした」(庄原市教委・学事係)

 と回答した。

 学校側は、保護者と児童へ事件をどのように説明し、どういった声を受け止めたのか。

 三次市教委は「保護者説明会は開きましたが内容は公表できません」(教育指導係)とし、児童への説明については有無も含めて答えられないとした。

 庄原市教委は、

「逮捕当日、事件が報じられる前に緊急保護者会を開き、驚き、不安、怒りの声をいただいています。児童の理解度には幅があるため、低学年と高学年にわけて校長が事実を正確に伝え、丁寧に謝罪しました。児童は沈んだ表情ではありましたが、それぞれに理解してくれたと思っています」(学事係)

 と答えた。

 どれほど社会問題化しても、教師のわいせつ事案による逮捕例はあとを絶たない。福原容疑者は教え子を狙った点で悪質といえ、被害を防ぐ手立てはなかったか、学校側の検証が求められるところだろう。

 地元の男性はこうつぶやく。

「たしかに教師の犯罪は目に余るが、教え子を盗撮しようとして3度も逮捕されては“魔が差した”では済まされない。道を踏み外したというよりも、犯罪行為をするために教師になったのではないかと疑いたくなる」

 県警は余罪についても、さらに調べを進めている。

 

丸刈り姿で写る福原優理容疑者(前任校の卒業アルバムより)

 

 

福原優理容疑者の自宅アパートは家宅捜索され、複数の小型カメラが出てきた
福原優理容疑者の勤務する小学校には激震が走った
ピースサインする福原優理容疑者(本人のSNSより)