(C)2022「今夜、世界からこの恋が消えても」製作委員会

「10代最後の映画で、初主演。20歳になって初めて公開される作品で、共演の福本莉子さんとは、去年のドラマ『消えた初恋』に続いてのご縁。いろいろなことが重なった、僕にとってターニングポイントになる作品だと思います」

 映画『今夜、世界からこの恋が消えても』で主人公の高校生、神谷透を演じるなにわ男子の道枝駿佑。“セカチュー(『世界の中心で、愛をさけぶ』” “キミスイ(『君の膵臓をたべたい』”に続く、号泣必至の恋愛映画として注目を集めている今作。

「台本を手にしたとき、この作品に携われるのかと気合が入ったのと同時に、不安やプレッシャーも大きかったです。できあがった映画を事務所でマネージャーさんと一緒に見たんですが、泣きましたね(テレ笑)。もちろん、自分が出演している作品は、客観的に、厳しい目で見ますが、それでも感動しました」

みっちーの彼女になる3つの条件とは

 クラスメートのいじめを止めるために同級生の日野真織(福本)に嘘の告白をする透。真織は、真実を知りながらも“放課後まで話しかけない” “連絡は簡潔にする” “お互いを本気で好きにならない”というルールを出し、「OK」と返事をする。彼女が3つの条件を出したのは、眠りにつくと記憶を失ってしまう、実在する難病の前向性健忘を患っていたからだった。

「透と僕の共通点は、人見知りではないけれど、自分からはガツガツいかないところ。似ていないのは、料理ができるところですね。僕はまったくできないので(笑)。

 疑似恋愛から始まるふたりですが、透の飾らない優しさが真織の支えになって、逆に真織が自分の記憶と向き合うまっすぐな姿勢が透を支えてくれる。相思相愛になっていく関係性で言うと、僕を応援してくださるみなさんに喜んでいただけたらと力を尽くすことと、透が真織のために日々尽くしていくことが、少し似ているように思います」

 デートを重ねるたびに距離が近づいていく透と真織。しかし、透はある秘密を抱えていた。映画の後半、ふたりが積み重ねた時間が奇跡を起こしていく。

 特に印象に残っているデートシーンを聞くと、

「海辺で撮ったピクニックの場面ですね。一緒に砂浜を走ったりして。デートってこういう感じなんだなって、すごくドキドキしました。あとは、こんなふうにソフトクリームを一緒に食べてみたいなと思ったり(笑)。

 透が真織に言う“明日の日野(真織)も楽しませてあげるよ”は、キュンキュンセリフですよね。自分が好きになった人が前向性健忘を患っていたら、同じこと言えるかな?と思います。ただ、透と同じで僕も彼女がしたいことは、ぜんぶ叶えてあげたい。もし、真織のように付き合う条件を挙げるとしたら“表裏がない” “常識がある” “一途”かな」

映画を見て絶対に泣くと思うメンバー

 真織を演じた福本とは、『消えた初恋』での共演経験があったためリラックスして接することができたという。同じドラマで共演したSnow Manの目黒蓮とは、今作についてなにか話したのだろうか?

「目黒くんと音楽番組で一緒になったことはありますが、映画のことは話さなかったと思います。でも、見てくださいって伝えたら“わかった”って言ってくれそう。ふたりで見に行くのは……。自分が出ている映画を一緒に見るって、恥ずかしいじゃないですか!! 目黒くんの反応が気になっちゃうし(笑)。なにわ男子のメンバーたちも、まだ見てくれていないんです。でも、(西畑)大吾くんは絶対、泣くんじゃないかな」

 作品を重ねるごとに俳優としての輝きに磨きをかけ、唯一無二の存在へと成長を続ける。並行して、なにわ男子としてのアーティスト活動にも全力投球。その多忙さは、計り知れない。

「最近、“ストレスをためるって何なんやろう?”って考えるようになって。役のこともめちゃくちゃ考えるし、どちらかといえばネガティブにとらえるタイプですが、ストレスがたまっている感覚がないんです。“あ~、これがストレスやな”と思う瞬間はありますが、一時的な感情で終わっちゃう(笑)。

 20代は、さらに、いろいろなことを取り込んでいきたいです。(俳優として)刑事とか、ファッション誌の編集者の役とか、挑戦してみたいものは、いろいろありますし。どんな経験ができるのか楽しみですね」

20歳の誕生日(7月25日)はどう過ごす?

 まったく予定が入っていないです。もしかしたら、仕事かもしれないし(笑)。自分から誰かに「祝って」は言えないですよ~、催促するものじゃないと思うので。以前からシンプルで使いやすいトートバッグが欲しいと思っているので、20歳の記念に買うかもしれません。

本当の家族のように接してくれた父親役の萩原聖人

 萩原さんの表情だったりは、共演させていただいてすごく勉強になりました。思うようにできないと思っている“受けの芝居”が学べた現場でもありましたね。萩原さんからは、以前、ドラマで共演した松田元太(Travis Japan/ジャニーズJr.)と仲がいいという話を聞いたり、「20歳になったら飲みに行こうね」と誘っていただいたりしました。

今作でぶつかった壁

 もともと、考えすぎてしまう癖があるんです。「透ってどういう人だろう」と監督に相談したあと、自分なりに考えはじめると、こんがらがってしまって。そうなったときは“深く考えすぎないように” “シンプルに”って立て直すようにしていました。透が父親への思いをあふれさせるシーンがあるんですが、たまっていたものを表現することが難しくて。感情をキープするのも大変だったので、課題のひとつだなと思っています。

映画『今夜、世界からこの恋が消えても』
7月29日、全国東宝系にて公開 配給:東宝