「ファーストピッチ、フルスイング、ザッツイット」
日本時間の7月20日、メジャーリーグのオールスターゲームが行われたドジャー・スタジアム。エンゼルスの大谷翔平は、たったひと言で球場を沸かせてみせた。
恩師との微笑ましいやりとり
「2年連続でア・リーグ軍に選出された大谷選手は、1番・DHで出場。1回の第1打席に入る直前、インタビューで“初球フルスイング”宣言をすると、言葉どおり第1球を振り抜き、見事オールスターでの初ヒットをマークしました。日本人選手がヒットを打つのは13年ぶりで、イチローさん、松井秀喜さんに続く3人目の偉業です」(スポーツ紙記者)
狙い打ちを決めた大谷だが、その後はこんな場面も。
「けん制球で、タッチアウトになってしまったんですよ。豪快に大の字で寝転ぶ姿に、観客は大盛り上がりでした(笑)」(同・スポーツ紙記者)
試合後の取材では「よくも悪くも名前が出てくればいいかな」と笑顔で語った大谷。さまざまな形でファンを楽しませたが、この日はあの“恩師”も熱い視線を送っていた。
「'23年3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本代表の監督を務める栗山英樹さんが、NHKの中継に解説で出演。日本ハム時代に指導した愛弟子である大谷選手が試合で出番を終えた後に中継がつながり、質問をしたほかエールを送りました」(同・スポーツ紙記者)
互いに敬語で話し、微笑ましいやりとりを見せた師弟だが、現在、栗山には厳しい声も寄せられているようで……。
「周囲に“コーチ人事を決めたことがない”と語っていて、日本代表の指揮官としての手腕が不安視されているんです。コーチを決められない人が、ベストメンバーを選べるのかという意見も上がっているようです」(同・スポーツ紙記者)
それでも「世界一しか目指さない」と覚悟を語っている栗山。彼を救うことができるのが、ほかでもない大谷だ。
「断る理由はまったくない」
「大谷選手の招集は、もはや栗山さんにとって最優先の課題です。ただ、WBCが行われる3月はメジャー開幕を控えたオープン戦の最中。故障のリスクやコンディション調整などを理由に、球団側が出場にストップをかける可能性も」(同・スポーツ紙記者)
WBC出場について、大谷本人は「出たい気持ちはもちろんある」と語り、栗山は「皆さんが思っているとおりでお願いします」と明言を避けているが、実際にはどうなのか。スポーツライターの梅田香子さんに聞くと、
「WBCでは“先発投手が降板後もDHとして出場可能”というメジャーと同じルールが適用されるはず。登録できる選手の人数が限られますし、二刀流でプレーできる大谷選手の存在は大きいです。招集できれば、日本は優勝候補になると思いますよ」
侍ジャパン入りの可能性については、太鼓判を押す。
「断る理由はまったくないでしょうし、エンゼルスは快く送り出すと思います。他チームに移籍したとしても、出場を許さないような球団を大谷選手が選択するとは考えにくい。当然、二刀流は身体への負担も大きいですが、彼はあえてそれに挑戦し続けてきたわけですから、WBCでも同じこと。
今はとても自信を持っていて、どんどん試合に出たい状態でしょう。チームメートのマイク・トラウト選手がアメリカ代表の主将に選出されるなど、大リーグもWBCを盛り上げようとしています」(梅田さん)
「二刀流の侍」計画に向け、視界は良好のようだ。