今年は猛暑で「頭がぼーっとする」という人も多いはず。頭がぼーっとすると、思考が鈍って、忘れものをしたり、ミスも増えることに……。
また、頭痛を起こす人も多く、その中には台風など低気圧の通過による「気圧頭痛」の人も。
気圧頭痛にも良い「頭蓋骨リセット」
そんな悩みを持つ人から「頭がスッキリする」「頭痛が改善した」と注目されているのが「頭蓋骨リセット」だ。
考案者の骨格矯正士・清水ろっかんさんは、「頭蓋骨のズレやゆがみを調整すれば、頭部の悩みは解決できます」と話す。
頭蓋骨は23個の骨がパズルのように組み合わさり、多くの骨が連結してできているため、ズレやすいのだという。
「頭蓋骨がズレると、頭蓋骨と脳の間の血管が圧迫され、血流が妨げられることで痛みが引き起こされます。
例えば台風のような低気圧のときは、血管内圧は下がり、血流が悪くなって、むくみを生じます。むくみによる圧力で頭蓋骨が押し上げられたり、下がったりしてゆがみ、痛みが生じるのです」
デスクワークやスマホを見る時間が長い人も注意が必要だ。
「人はうつむくだけで、まっすぐ前を向いている場合の約3倍の重さが頸椎にかかっています。
その結果、頭蓋骨と首の後ろをつなぐ筋肉が緊張し、後頭骨や蝶形骨(側頭骨・頭頂骨・前頭骨のつなぎ目)のゆがみにつながります。このゆがみが緊張性頭痛の原因になるのです」
また、頭蓋骨がズレると、脳脊髄液の流れが悪くなることで、脳の働きが悪くなる。
「脳脊髄液は脳と脊髄を保護し、外部からの衝撃から守ってくれます。さらに脳脊髄液には、脳に栄養を送ったり、老廃物を排泄したり、神経細胞を守る役目があります。
しかし、頭蓋骨がゆがむと、脳脊髄液の循環にも悪影響が出て、脳に十分な栄養が届かず、老廃物の排出も滞ります。その結果、脳に疲れがたまりやすくなって、集中力や記憶力、思考力が衰えたり、頭がぼーっとするのです」
こういった頭蓋骨のズレは、今回ご紹介する「頭蓋骨リセット」で改善できる。
「側頭骨を押し上げるだけで、頭全体の血流が整います。下がったフェイスラインも上がるので、小顔効果も期待できます。リラックスできるので、夜なかなか寝つけない人は、睡眠前に行うのもおすすめです。頭痛が起こったときに行うと、痛みもやわらぐでしょう」
実際に頭蓋骨メンテナンスを行った人からは、「仕事で疲れてくる夕方に行うと、頭がスッキリしてもうひと頑張りできる」「頭蓋骨リセットを行うようになってから、気圧頭痛が出なくなった」といった声も寄せられているという。
頭をスッキリさせて、暑さに負けない夏にしよう!
「頭蓋骨リセット」の仕方
【1】両手をセット
手のひらを、左右の側頭部に軽く当てる。
【2】側頭骨を押し上げる
手のひらのつけ根で、頭皮と垂直の方向に側頭部をグッと押しながら、斜め上の方向に側頭骨を持ち上げる。10秒ほどキープしたあと力をゆるめる。3回繰り返す。
【【これはNG】】
●こめかみは骨が薄いので、押す力が強すぎないように。
●手の動きは、左右対称に。手を当てる位置が左右でずれていると、うまく持ち上げられない
目安は30秒程度、頭蓋骨を持ち上げて、モヤモヤ頭をスッキリ&リラックス! 不眠、片頭痛、イライラ、神経過敏、顔のたるみ・むくみ 耳の不調や疲れなどに効果的と清水ろっかんさん。
押し上げる位置は、こめかみの後ろと耳の真上をつなぐ、左右の側頭部。この部分に蝶形骨(側頭骨・頭頂骨・前頭骨のつなぎ目)がある。手のひら全体を使って、側頭骨を押し上げるように。
★ポイント★
・頭皮を傷つけないように、爪を立てずに行う
・力加減は自分が「気持ちいい」と感じる強さで行う
・頭痛や首などの痛みが強い、頭部や首に外傷や炎症がある人、顎関節症、持病がある人は、医師に相談してから行う
(取材・文/紀和静)