フリーアナウンサーの新井恵理那や本仮屋リイナが愛用のふんどし。新井は「タンクトップにふんどしで寝ています」。本仮屋は「寝ているときだけじゃなくて、ずっとふんどしです。一生ふんどしなんです」とバラエティー番組で告白。
「一度はいたらやめられない!」とちまたに増えてる「ふんどし女子」。ブームの火付け役は「猛暑が追い風になっている」と明かす。
うつ病からの不眠をふんどしが救う
「ふんどしは僕の人生を変えてくれました」
そう話すのは、日本ふんどし協会の会長を務めている中川ケイジさん。中川さんが日本ふんどし協会を立ち上げたのは2011年。2016年ごろから若い女性たちの間で広まりはじめた。
「もともと僕が、ふんどしに目覚めたのは東日本大震災がきっかけ。震災後にうつ病を患ってしまって、眠れない日が続いていました。そんなある日、人からふんどしをすすめられたんです。
最初は抵抗がありましたが、履いてみるとすごく快適。パンツと違ってゴムが使われていないから締め付けがない。しかも、体に密着しないので、風通しがいいんです。なにもはいてないんじゃないかって思ったくらいで(笑)」(中川さん、以下同)
ふんどしといっても、お祭りで使われるお尻の部分を締め上げるタイプではなく、お尻を布でふんわりと包み込むタイプだから、ラクなのだ。
体調にも変化があった。
「パンツからふんどしに変えて寝ると不思議とよく眠れたんです。そこから体調がどんどん回復して、元の健康な状態に戻ることができました。
こんなにいいものなのに、周りにはふんどしを履いている人がいなくて、これは広めないといけないと感じたので、協会を設立しました」
日本ふんどし協会は2011年からほぼ毎年、ふんどしの普及活動に貢献した著名人をベストフンドシストアワードとして選出しており、その人数は計30人以上。冒頭のおふたりもベストフンドシストアワードを受賞している。
ふんどしにはさまざまな健康効果が
ゴムの締め付けは体に意外と大きな負担をかけていて、血行不良を招き、それがさまざまな症状を引き起こす。普段の下着をふんどしに変えるだけで、体にうれしい効果があることを、中川ケイヂさんとアイビー大腸肛門クリニック院長山田麻子さんの共著からご紹介したい。
《血行不良が、冷えをはじめ、便秘や下痢、生理痛、生理不順など、いろいろな病気を招く原因になります。
体を構成している筋肉や器官、臓器は、すべて血液が運ぶ酸素や栄養分、水分などをもとにして活動しているため、血液の流れが滞れば、どの部分もきちんと働けなくなるからです。
今ある不調を改善し、また予防するには、まず血流をよくすることが大事です》(『夜だけ「ふんどし」温活法』より)
ふんどしのメリットは締め付けがないことだけではない。風通しがいいため、デリケートゾーンのムレが解消される。
《デリケートゾーンは体から排出された汗、尿、おりもの、月経血といった水分が多く存在し、さらにはヘアで覆われているので、常に「高温多湿」の状態になりやすいのです。
そこへ、ぴったりフタをするように体に密着するパンツを履いていたら、より温度が高く、湿気が多くなるのは当然のこと。デリケートゾーンの悩みを解消するには、まず通気をよくすることが大事です》(『夜だけ「ふんどし」温活法』より)
多くの女性が悩むデリケートゾーンの「かゆみ」「におい」や、膣カンジダはムレによって菌が繁殖することで引き起こる。
そのため、高音多湿の状況をつくりやすい一般的な下着ではなく、通気性のよいふんどしを使えば、抜群に快適に過ごすことができる。
ふんどしを愛用すると「もう元には戻れない」
実際にふんどしを愛用している女性たちにお話を聞いた。すると、出てくる出てくる!ふんどしのメリット。
「長い間、腰痛や冷え、生理痛に悩まされていました。でも、ふんどしを履くようになってから、腰痛や手足の冷えを気にすることがなくなり、生理のたびに鎮痛剤を飲むこともなくなりました」
そう話すのは7年前から一日じゅうふんどしを使用している竹内綾恵美さん。長時間の拘束から解放されたためか、腰痛も改善されるのだとか。さらに、ふんどしの摩擦の少なさも女性にとってはうれしいポイントだという。
「ビキニラインにゴムが使われていないので、デリケートゾーンの黒ずみがなくなりました」(竹内さん)
10年前から寝ているときにだけふんどしを愛用している川崎えみさんは「ひどい冷え性が改善されました。同年代と比べると更年期の症状も軽いんです。ふんどしにリラックス効果があり、自律神経を整えてくれるからだと思っています」と話す。
川崎さんは周囲の人にすすめたところ予想していなかった喜びの声もあったという。
「子宮がんになった友人がすごく喜んでくれました。というのも、ずっとそけい部に痛みがあり、下着を履くと苦しくなっていたそうなんです。それが、ふんどしに変えるとそけい部の苦しさが軽くなったと言ってくれました」とのこと。
さらに、節電効果についても教えてくれた。
「そけい部が冷えると太い脈があるからか全身が涼しくなります。最近暑い日が続いていますが、エアコンは付けずに扇風機だけで快適に眠れています」とのこと。
2人に共通しているのは「ふんどしのない生活は考えられない」ということ。
テレワーク中の健康アイテムとして“相当推せる”
そこで注文しようとネットで調べてみた。
すると、色とりどりのふんどしが出てきて、お祭りで男性が履いているふんどしとはずいぶんイメージが違う……。
おもな種類は2つ。1mほどの長方形の布の端に紐をつけた「越中ふんどし」と、越中ふんどしが簡略化された「もっこふんどし」。その2種類に加えて、もっこふんどしを現代に合わせてアレンジした商品がいくつもある。
現代版のふんどしはショーツに近く、股の部分が体のラインに沿ってくぼんでいるため、布が余って不便ということもなさそう。
素材は、オーガニックコットンやリネンなどを使っており、防菌・消臭効果にも優れているものが多い。デザインは、シンプルなデザインのものからおしゃれなレースが施されたものまで幅広い。
注文したのは税込2200円のもっこふんどし。いざ、サイズを選ぼうと思ったら表記がない。ふんどしはひもの調節しだいでサイズを変えられるため、サイズを選ぶ必要がないのだ。
到着した日の夜、さっそく履いてみると……最初に驚いたのは圧倒的な軽快さと涼しさ! 今まで意識していなかったが、普通の下着は風通しがかなり悪かったことがわかる。
次に驚いたのは安心感。パンツが健康によくないのであれば、ノーパンでいいのではないかと密かに思っていたが、ふんどしがあるだけでなにもはいていないとき特有の不安感がない。
にもかかわらず、まるで履いていないかのような軽さがあり、ストレスがゼロ。これなら快眠に効果があるというのもうなずける。
しかしながらこの緩さでの通勤は、やや心もとない気も。テレワーク中の健康アイテムとしては、相当推しだと実感する。