8月1日、山口県阿武町が誤って振り込んだ新型コロナ対策の臨時特別給付金4630万円の一部を、別の口座に振り替えたなどとして電子計算機使用詐欺の罪で起訴された、田口翔被告が保釈された。
テレビカメラが待ち受ける山口南警察署から出てきた田口被告はスーツに身を包み、伸び切った長髪を風に煽られながら一礼すると、迎えのワゴン車に乗り込んだ。すると車内で待ち構えていたのは金髪の男性。トップユーチューバーのヒカルだ。
ナゼ、そこにヒカルが!? 全国紙社会部記者によると、
「ヒカルさんから被告への資金提供があったこと、さらに彼の会社で被告を雇用、山口県内でリモートで働けるように契約調整していることが、担当弁護士によって明らかにされました。つまりは今後は、田口被告はヒカルさんの部下として働き、借金を返済していくことになります」
田口被告自身も文書コメントで次のように話している。
《このたびは、私の行動で多くの方にご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。保釈後は仕事をして、借り入れたお金を少しづつ返済していこうと思います》
大騒動に発展した誤送金問題は、4630万円の9割分に当たる4290万円がすでに、被告が利用した“決済代行業者”3社から町に返金されている。ヒカルは340万円を提供し、ここから町が請求していた弁護士費用500万円に充てられ、残りの160万円も支払うとの和解案を被告側弁護士は提出している。
YouTubeで田口被告の独占インタビュー
「そして250万円とされる保釈金もまた、ヒカルさんが立て替えたみたいですね。田口被告に総額590万円を借しているわけで、しかも、わざわざ山口県まで遠く足を運んで迎えに行ったと。ユーチューバーの彼にとって、何のメリットがあるのやら」
“動機”を訝しむ社会部記者を尻目に、ヒカルは間も無く自身のツイッターを更新。そこに投稿されたのはーー、
《4630万円誤送金問題の田口翔くんを保釈直後に独占インタビューしました。その様子は本日19時半からヒカルチャンネルでプレミア公開します。》
保釈されたままのスーツ姿の被告と向かい合う、ボイスレコーダーらしき機械を手にたヒカルの姿だった。どうやら、この“独占インタビュー”をYouTubeチャンネルで公開することが目的のようだ。
「おそらくは初めて公開される田口被告の“生の声”だけに、視聴者の興味はもとより、テレビや新聞等の大手メディアがスクープをヒカルにスッパ抜かれることになります(苦笑)。
被告に対して資金提供をしてインタビューを取り付けるなど、倫理的に報道機関が到底マネできる手段ではなく、自ら“NGはない”と言い切る、それこそ資金力豊富な彼だからできたこと」(YouTube事情に詳しいITライター、以下同)
スパチャ機能でお金も回収できる
しかも、田口被告に借した590万円も容易く回収できるとも。彼が言う“プレミア公開”とは、有料の『YouTubeプレミアム』のことではなく、視聴自体は無料で一般公開される。そして特徴的なのが、
「スーパーチャット、いわゆる“投げ銭機能”であるスパチャができるということ。ヒカルは2022年1月にも、TikTokのライブ配信で6時間で600万円の投げ銭を集めています」
3月には別のユーチューバーが自身の結婚披露宴を中継して1日で2億円以上集めるなど、よりインパクトのある企画ほど盛り上がるスパチャ。彼らにとっては、YouTubeチャンネル登録者数、また動画再生回数と共に、投げ銭の額すらも自らの影響力を誇示する“勲章”になっているようだ。
「おそらくは公開される田口被告のインタビューも社会的関心が高いだけに、悔しみつつも各メディアが取り上げるでしょうし、さらに拍車をかけて再生数、またスパチャも稼げると言う仕組み。590万円も楽に回収できると計算しているのでしょう。
ヒカルの商才といいますか、確かに豊富な資金力とアイデアにかけては、他のユーチューバーとは一線を画した存在だと思いますね」
ジャーナリスト・ヒカル爆誕かーー。