《いらんやろそんなに》
《だれも嬉しくないやつ》
《W杯はお祭りだと捉えれば良い事なのかな》
8月1日、ツイッター上ではこの日のある発表をめぐってさまざまな声が寄せられた。それは、直近の開催を11月に控えたあの世界的イベントだった――。
アジアから最大で9か国出場可能に
「アジアサッカー連盟は8月1日、'26年にアメリカ・カナダ・メキシコの北中米3か国で行なわれるワールドカップの予選方式を発表しました。この大会は全体の出場枠がこれまでの32から48に拡大されますが、今回の発表によると、日本が参加するアジア予選に与えられた枠は現在の4.5から4枠増えて8.5になるとのこと。0.5というのは、大陸間プレーオフに進出する枠のことで、本選にはアジアから最大で9か国が出場可能となります」(スポーツ紙記者)
出場枠の増加に伴い、アジア予選の方式も変更に。1次予選、2次予選を通過した18か国を3つのグループに分けて行なわれる最終予選で、各組上位2位に入った計6か国の本戦出場がまず決定し、その後、残りの2.5枠を懸けた“アジア・プレーオフ”が新設されることとなった。
「最終予選で各組3位と4位となった計6か国が、2つのグループに分かれて対戦。そこでそれぞれ1位となった2か国が、まず2枠を手にします。最後に残った0.5枠をそれぞれの2位同士で争い、勝利したチームが“アジア代表”として、大陸間プレーオフに挑むという流れです」(同スポーツ紙記者)
新方式での1次予選は、'23年10月にスタート予定。アジアの国々にとってチャンスが拡大することには間違いないが、冒頭のように賛否が分かれているのには理由がある。
「予選突破のハードルが下がることで、今回の'22年カタール大会の最終予選のような緊迫感や白熱した盛り上がりに欠けてしまうのではないか、不安なところです。世界最高峰の大会であるW杯のレベル低下も懸念されますし、中国やインドなどアジアの経済力を取り込みたいというFIFA(国際サッカー連盟)のビジネス的な思惑も指摘されています」(スポーツライター)
キャプテン吉田麻也も「正しいかわからない」
FIFAは出場枠拡大のメリットを「ワールドカップに参加する国や地域が増え、放映権料をはじめとする収益も増える」と説明。ネット上では《ヨーロッパにもっと枠をやってあげて欲しい》《W杯の格がどんどん落ちていく》《中国パワーすげえわ》《これで大口スポンサー様が増えますね》などと批判的な声が噴出している。
そうは言っても、決まった以上は本選出場を目指して戦っていくほかない。現在、日本代表のFIFAランキングは24位。'26年大会に向け最大9枠を争うこととなるアジア予選のライバル国はどこになるのか。
「最新のFIFAランキングで唯一日本より上の23位に位置するのが、イランです。日本以降は28位に韓国、39位にオーストラリア、49位にカタール、53位にサウジアラビアがランクインしており、さらに69位にアラブ首長国連邦、70位にイラク、75位にオマーン、77位にウズベキスタンで、“アジアTOP10”はこんなところでしょう。僅差ですが、中国は78位。インドは104位で、出場枠の拡大を受けても容易に突破できるとは言えません。もっとも、7大会連続で本選に出場している日本にとっては、アジア予選突破は最低条件です」(同スポーツライター)
日本代表の主将を務める吉田麻也は、枠の増加前である'22年大会の予選についても、2次予選で力の差がある国同士が対戦することについて「この予選方式が正しいかどうかはちょっとわからない」と語っていた。FIFAの決断がもたらすのは、世界的なサッカーの繁栄か、それとも……。