アパートの壁際にしゃがみ込む男性。背中には「0123」と見覚えのある数字が書かれている。サッと用を足すと、ティッシュにくるんで近くの草むらへ――。8月3日にTwitterに投稿された画像と動画が炎上している。
トイレに行く暇さえない!?
「千葉県木更津市で、アート引越センターの従業員が引越し作業中にアパート敷地内で大便をし、放置したとする投稿が拡散されました。投稿者によると、翌日に千葉のブロック長と支店長、本人が謝罪に来たそう。それを受けて、画像と動画は削除されています」(ネットニュース編集者)
この件について、『週刊女性』がアート引越センター株式会社に問い合わせたところ、事実と認め、「該当の建物にお住いの皆様や多くの皆様に大変不快な思いをさせてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。この度は大変申し訳ございませんでした」と謝罪した。
トイレ利用について「原則公共施設等を使用するように指導しており、今回のことは当社としても大変遺憾に思っております」と説明。
事後対応としては「該当の場所につきましては、速やかに清掃・消毒を行い、お客様とご近隣にも当社より謝罪をさせていただきました。また、従業員当人に対しても厳重に注意、指導を行いました。当社としても再発防止に向けて取り組むとともに、従業員に対して体調の異変に気付いたら早めに対策するように改めて指導いたします」と回答した。
ネット上では《ひどい》と非難の声もあったが、《トイレに行く時間や場所もないくらい働かされてるのかな》と労働環境を心配する声もあった。
「アート引越センターでは、妊娠中の女性従業員が重い荷物を持つなどの引越し作業を行なわされ、破水して入院したと今年1月に『週刊文春』が報じました。また、現在は廃止されましたが、顧客の荷物が破損したときなど、賠償が必要な際に上限3万円を引越し作業のリーダー従業員に負担させる事故賠償金制度もありました。こちらは未払いの残業代などと合わせて、元従業員の3人が返還を求めて提訴。横浜地裁で支払いを命じる判決が下されました」(前出・ネットニュース編集者)
「わからなくはないですけど…」
実態はどうなのか。同社で実際に働く社員を直撃した。
「トイレに関しては、新居でお借りするのはNGと言われています。引越し元であれば、お客様に断って借りることもありますが、基本的には公衆トイレやコンビニのトイレを使用します。コロナ禍で使用不可も多く、何軒もコンビニを回ることもあり、結構切実な問題です」
《引っ越し業界はブラック》というような声もあったが…
「引越し作業は1件当たり1時間半から2時間、長くて4、5時間ほどかかります。それを1日2、3件くらい。働き方や給料に不満はないです。パワハラなどもなく、上司や支店によるのかもしれません」
最後に今回のことについて、率直な感想を聞いたところ―
「気持ちはわからなくはないですけど…、ダメですよね」
同社が問題になるのは初めてではない。ホームページに「働きがいのある環境作りを目指す」と記載するのであれば、この炎上を流すのではなく、重く受け止めてほしい。